女に縁がなかった仲間内で、KFCという架空のクラブをでっち上げた。
KFCといってもケンタッキー・フライドチキンではなく、京都フレンドシップクラブの略だ。
建前は京都の学生同士で、友好の輪を広げようという趣旨のクラブだが、早い話、合コンが目当てだった。
もっともらしい能書きを考えて、生協で100枚の結成記念コンパ勧誘のビラを作った。
僕たちはそれを持って、東山七条のK女子大に勧誘に行った。
当然、女子大の構内には入れなかったので、通称女坂といわれる通学路の下で、下校時を狙ってビラを撒いた。
後日のコンパには、僕たち男7人に対して、10人ほどの女子大生が集まった。
飲めや歌えで、それなりに楽しい時間だった。
僕たちはそれぞれ特技やネタを披露してアピールした。
僕は得意のモノマネメドレーで喝采を浴びた。
しかしながら、2次会にはひとりも付いて来なかった。
それでも男の何人かは、電話番号をゲットして、デートにこぎつけた者もいたが、長続きはしなかった。
KFCはそれっきりなんの活動もすることなく自然消滅した。
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