拙著『希望退職』発売中

　今回の自身の希望退職に触発されて、タイトルもそのものズバリの『希望退職』をAmazon Kindle Storeにアップしました。
　もちろんドキュメンタリー小説ではありませんが、一連の退職関連の手続きや説明会を経験して、随所にそのリアリティを散りばめています。
　物語は、希望退職に応募した自分と、応募しなかった自分が登場する並行世界を舞台にしています。
　希望退職に応募したほうがよかったのか、しなかったほうがよかったのか、主人公の出した結論は如何に。


ただいまAmazon Kindle Storeにて好評発売中です。
　

拙著「希望退職」
　

退職の日

　昨日サラリーマン生活最後の日が終わった。
　納会で別れの挨拶をしたものの、やはり実感も感慨も湧かなかった。
　いつもの年末の風景となんら変わらない。

　納会後は気の置けない連中と痛飲。
　また飲もうの言葉も虚しく響く。
　終電を見送り会社の近くのホテルに宿泊。

　朝、会社の周辺を散策するも、まだ退職の実感がない。
　いつになれば、不定愁訴やノスタルジーが湧いてくるのだろう。
　今後は働く気はない。もう十分働いた。

　さらばサラリーマン生活、さらば千趣会。
　

【競馬】第63回有馬記念予想

　年末の総決算、有馬記念だ。
　ファン投票のドリームレースなので、この際、データや実績は二の次で、夢の高配当狙いで行こう。

　有馬記念で思い出すのが、このレースで引退の花道を飾った馬たちだ。
　オグリキャップ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、キタサンブラックと競馬史に名を残すきらぼしの馬たちだ。

　今年該当するのがサトノダイヤモンドだ。
　鞍上は外国人ジョッキーのアヴドゥラだ。
　前走の負けで株を下げ、人気の盲点になっている。
　ここは黙って頭含みの軸に指定だ。
　
　そしてもう1頭、前走アルゼンチンカップの勝馬パフォーマプロミスを二番手に据えたい。
　鞍上も好調Cデムーロだ。
　短期免許で年越資金を稼ぎに来ているのはずだ。

　馬券はその2頭軸の三連単マルチで、人気どころを紐につけて勝負だ。

　<結論>
　三連単2頭軸マルチ30点
　　軸⑤パフォーマプロミス⑥サトノダイヤモンド
　　紐③モズカッチャン⑪ミッキーロケット⑫レイデオロ⑭キセキ⑮シュヴァルグラン


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時々刻々

　月末の退職を控え、 出勤日も残すところあと5日だ。
　雑務もほぼ終了して、会社のデスクでインターネット閲覧の毎日だ。
　
　41年のサラリーマン生活を振り返ろうにも、特段、思い出すこともない。　
　楽しいことや憂鬱なことも実際にあったが、今となってはどれも些事に思える。
　出世競争や派閥争い、パワハラや厳しいノルマもない、苦労知らずで居心地のいいサラリーマン生活。
　ドラマチックでもなく、かといってお気楽でもない、いうなれば、平穏無事、平々凡々の日々に尽きる。

　巷ではブラック企業が横行しているというが、所詮、他人事。
　私のサラリーマン生活はラッキーそのものだった。

　来年からは年金生活だが、親の介護も子の養育も住宅ローンもないので、女房とふたり悠々自適とまではいかないが、趣味や好奇心に生きる、清く貧しく美しい老後の生活だ。

残り少ない日々

　社内が静かになった。
　希望退職者の発表後、一時騒がしかった社内が一段落したようだ。
　退職予定者は引継ぎや身辺整理もほぼ終わり、退職後の生活に思いを馳せているようだ。
　残留者は今後の新組織発表までは落ち着かない日々だ。

　さすがに今年は忘年会の話も少ない。
　送別会にしても退職者が多過ぎて、28日の納会と兼ねる部署がほとんどのようだ。

　昨年の希望退職者発表から早や1年。
　まさか今年自分がその身になろうとは夢にも思わなかった。
　去年は年金のフル支給まで1年以上もあったので、考えもしなかったが、今年は頃合いと思った。

　昔、祖母が2ヵ月に一度近所の郵便局に、老齢年金をもらいに行っていたのを思い出す。
　私もあと9ヵ月でその年齢になるのだ。
　祖母は共働きの私の両親に代わって、私たち三人の孫の面倒を見ていた。
　私の孫は外孫なので、女房とふたり暮らしの引きこもり生活だ。
　
　それもまた楽しからず哉。

【競馬】第70回朝日杯フューチュリティS予想

　2歳牡馬の中に1頭の牝馬が敢然と殴り込みだ。
　そのグランアレグリアはアーモンドアイに続き、来年の3歳牝馬の主役になりうるのか。
　迎え撃つ牡馬は三連勝のアドマイヤマーズ、ファンタジストがいるが、抜けた存在とはいい難い。他のメンバーもいかにも小粒の印象は否めない。

　人気はグランアレグリアの一本被りだ。
　牡馬との対戦で勝ってはいるものの、一線級との対戦はない。
　またこのレースは1981年以来、牝馬の優勝はない。

　ここはいつものパターンの2着固定で高配当狙いだ。

<結論>
　三連単フォーメーション2着固定20点
　1着⑤マイネルサーパス⑥アドマイヤマーズ⑧ディープダイバー⑪ケイデンスコール⑭ファンタジスト
　2着②グランアレグリア
　3着⑤マイネルサーパス⑥アドマイヤマーズ⑧ディープダイバー⑪ケイデンスコール⑭ファンタジスト


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寝坊の朝

　何年ぶりかで寝坊してしまった。
　昨夜の深酒が原因だ。
　目が覚めたら始業時間の9時過ぎだった。
　とりあえず会社に電話して、とるものもとりあえず家を飛び出した。

　昨夜は大学の同級生5人で忘年会だった。
　洒落た居酒屋で5000円の飲み放題コースだ。
　もっぱら私の希望退職がらみの話題で、一部上場の業界大手の会社の凋落の話にみんな興味津々だった。

　二次会のカフェバーを出たのが10時頃で、ひとり帰宅するつもりが、家の近くのワインバーへと足が向いてしまった。
　客はいなかったが、途中参加の離婚間近の常連人妻とバツイチママと三人で昭和歌謡をかけながら盛り上がり、酩酊して、気がつけば寝坊の朝だった次第だ。
　

希望退職者発表

　本日希望退職者の氏名が発表された。
　275名の計画に対して212名が応募した。77%の達成率だ。
　未達の65名分の人件費が来年も発生するわけだ。
　会社としては成功なのか失敗なのか判然としない。

　退職者のほとんどが再就職支援会社やハローワークで転職活動をするらしいが、果たしてどのくらいの人数が再就職できるのだろう。他人事ながら心配だ。
　
　退職者が公になったことで、私物整理や引継ぎが活発化してきた。
　人によっては断捨離が不得手で、山ほどの書類や書籍の類いを整理している者もいる。
　私は業務関連の書類や名刺の類いは事前に少しずつ廃棄処分していたので、あとは細々とした退職手続きや退職後の手続きの確認だ。

　この期に及んでもサラリーマン生活が終わることに対しての感慨はわかない。
　あと9日の出社だ。そのうち心も揺らぐのだろうか。
　

希望退職期間延長

　希望退職者募集が難航しているようだ。
　本来12月7日締切、10日発表の予定が、12日締切、14日発表に変更された。
　275名の予定数に、はるかに及ばなかったようだ。

　年齢対象者をA(必要)、B(不問)、C(不要)にランク分けして、Cランク対象者には法定内での退職勧告が行なわれたらしいが、転職となると、現状の待遇はとても望めないはずだし、下手をすると失業状態が延々と続くことも考えられる。
　一時金が出るにしても多くて年収と同額だ。
　そんな条件であえて人生のリスクを負う社員がどれほどいるだろう。

　今回は条件の変更はなく、期間だけ延長ということで、Cランク対象者にはさらなる露骨なプレッシャーがかけられると、もっぱらの噂だ。
　人数が決定しないことには新組織への改編、人員配置もままならない。　
　新経営陣の迷走ぶりが窺える。
　大きな悶着が起きないことを望むだけだ。
　
　私には本日「希望退職適用通知書」と「同意書」、「退職願」用紙が届いた。
　署名捺印して退職が本決定だ。

【競馬】第70回阪神ジュベナイルF予想

　連敗中の秋のGⅠシリーズも残すところあと4レース。
　今週と来週は2歳の牝馬、牡馬のGⅠで、データが当てにならない。
　ここは高配当狙いに徹するしかない。

　まずは阪神ジュベナイル・フィリーズだ。
　抜けた存在は見当たらない。
　外国人ジョッキーも有力どころのルメール、Mデムーロ、モレイラ、ムーアが香港競馬参戦で手薄だ。
　しかしそれでもCデムーロ、アヴドゥラの両外国人ジョッキーは外せない。
　日本人ジョッキーで太刀打ちできるのは、武、福永、池添、浜中くらいか。
　それだと人気サイドになってしまう。

　ここは人気のないほうの外国人ジョッキーを軸の三連単勝負だ。

<結論>
　三連単フォーメーション20点
　1着①ベルスール
　2着⑦ウインゼノビア⑫レッドアネモス⑮ローゼンクリーガー⑯グレイシア
　3着④シェーングランツ⑨クロノジェネシス⑩タニノミッション⑪ビーチサンバ⑬ダノンファンタジー


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有給休暇買い取り

　希望退職の条件に有給休暇の残分買い取りがある。
　従来は3月末で残分は20日を限度にリセットされ、新たに1年分として20日が追加され、最大40日となっている。

　私は病院での定期検査以外は有休を取っていないので、毎年4月には40日の有給休暇が付与されていた。
　今年も本日現在30日の有休残がある。

　希望退職者はそれを職位に関係なく、一律5000円で買い取ってくれるという。
　単純計算で15万円になる。
　高齢者再雇用契約社員の私にとっては１ヵ月分の給料に相当する。
　
　早い話、仕事がなくても出社さえすれば1日あたり5000円になるのだ。
　希望退職者は可能な限り有休を消化してください、とは会社もまさか言えないはずだ。

　来週10日の月曜日には、希望退職者が発表される。
　果たして275名の募集に対して何名が手を挙げるのだろう。

明日のために今日を犠牲にしない

　今の会社での35年間のサラリーマン生活は、自分なりに満足のいくものだった。
　私の会社に対する評価は、優、良、可、不可でいえば、間違いなく優だ。
　逆に会社の私に対する評価は、管理職の端くれまで行ったのだから、可以上、良未満というところか。少なくとも不可ではない。
　ギブアンドテイクの関係は成り立っていたと考えていいだろう。

　サラリーマン生活の中で学んだことは、人に依存するな、人と比較するな、後悔するな、この三点だ。
　人に依存すると、自己責任を人に転嫁したり、期待を裏切られたりするものだ。
　人と比較すると、嫉妬が生まれたり、劣等感に苛まれたりする。自分は自分、人は人だ。
　後悔は自己嫌悪以外なんの糧にもならない。反省と学習こそが必要だ。

　また、ずっと心掛けてきたことは、明日のために今日を犠牲にするなということだ。
　将来の不安や悩みを今現在考えても、おそらく結論は出ないだろう。
　先のために今を暗くするより、不安や悩みが現実になった時に、初めて立ち向かえばいいだけだ。
　今日は不確定要素がある明日のことは考えない。

　過去を振り返ってみれば、過去の悩みなど、今は笑い話になっていることのほうが多いはずだ。
　今日を楽しくとまでは言わないが、ストレスなく平穏無事に過ごせたら、それが一番だ。

老いと定年

　私、現在64歳。
　あと9ヵ月で老齢年金フル支給だ。ということは、立派な老人だ。
　まわりからもそう見られているのだろうか。

　しかし精神年齢というか、思考形態は30代くらいで止まったままだ。
　服装や髪型、行動様式も、似合う似合わないは別にして、30代の時からさほど変わっていない。
　私の年齢を知っているまわりから見れば、若作りと見られているのだろうか。
　一種の適応障害かもしれない。

　体力の衰え、それを老化というならば、確かに実感するが、思考力はそれほど低下していないと思う。
　体力勝負の仕事は無理だが、思考力勝負の仕事ならまだまだいける気がする。

　30代の時には、単純にまだまだ人生の先は長いと思っていた。
　64歳の今、平均寿命や客観的事実を考えれば、いわゆる健康年齢は10年くらいのものだろう。
　しかし思考は30代の時と同じように、まだまだ人生は長いと錯覚している。

　いつになれば、自分のことを歳をとった老人と自覚できるのだろう。
　巷間、定年退職後のサラリーマンは急速に老化するといわれている。
　それは仕事人間や無趣味な人間にいえることかもしれない。
　
　退職後の1月からは引きこもり生活だ。
　その生活が私の老人化を急速に促すのだろうか。
　幸い、私には書き物や競馬、ギターやウクレレという趣味がある。
　一応、朝の腹筋、腕立て伏せ、スクワットのストレッチ三点セットと、新たに10km程度のウォーキングもできる限り日課にしようと考えている。

　まあ、先のことはやってみないとわからない。
　明日は明日の風が吹く。テイク・イット・イージーでいくしかないな。

【競馬】第19回チャンピオンズカップ予想

　師走初っ端のGⅠはダートのJC、チャンピオンズカップ。
　連敗中の秋のGⅠシリーズの片目を開けたいものだ。

　ダート界の新旧交代レースの前評判も、旧の代表格ゴールドドリームの回避で、新興勢力に俄然チャンスの風。
　その代表格3歳馬ルヴァンスレーヴの軸は不動も、1、2、3着のどれに固定するかが問題だ。

　紐候補としては新興勢力からは3歳馬オメガパフューム、古馬からはサンライズの4歳2頭、JBCクラシック優勝の5歳馬ケイティブレイブ、JBCレディス優勝の4歳牝馬アンジュデジール、フェブラリーステークス優勝の6歳騸馬ノンコノユメ、穴で6歳騸馬ウェスタールンドまでか。

　ここはルヴァンを2着固定、紐はアンジュを除いた6頭のフォーメーションで勝負だ。

　<結論>
　三連単フォーメーション30点
　1着⑤ノンコノユメ⑦サンライズノヴァ⑧ケイティブレイブ⑨サンライズソア⑪オメガパフューム⑫ウェスタールンド
　2着②ルヴァンスレーヴ
　3着⑤ノンコノユメ⑦サンライズノヴァ⑧ケイティブレイブ⑨サンライズソア⑪オメガパフューム⑫ウェスタールンド



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退職カウントダウン2

　師走に突入だ。サラリーマン生活最後の月だ。
　希望退職の募集が12月7日に締め切られるので、対象者は悶々の日々だろう。

　275名の募集に対して果たして何名が応募するのだろうか。
　オーバーするのか、下回るのか。社内では下回る派が優勢だ。
　普通に考えれば、転職して今以上の待遇は望むべくもないだろう。
　運命の発表は10日だ。

　すでに応募した私は、健康保険の切り替えや年金関係の情報収集の最中だ。
　しかしこの期に及んでも、35年間務めた会社だが何の感慨もない。
　8ヵ月後は定年という、64歳の今、希望退職という花道を作ってくれた会社には感謝している。
　何の取り柄もなく、仕事はあまり好きでもなかった私が、一応管理職の次長まで行けたのだから、言うことなしだ。

　やり残したことや後悔することはない。