★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

解散後のビートルズ

2025年02月07日 10時39分45秒 | ビートルズ
 1970年4月、ポールの脱退宣言による事実上のビートルズ解散。
 田舎の高校1年の私にとっても、それは衝撃的な出来事だった。

 いつかは再来日して生の演奏を聴けるという望みも、はかなく砕け散ったものだ。
 今後はレコードでしか聴けないという思いと、それぞれがソロとして、どこまでビートルズに迫れるかという思いで複雑な心境だった。

 当然、彼らの初期のソロの楽曲も聴いたし、ビートルズ時代と比べている自分がいた。
 本人たちは、ビートルズのテイストを残したかったのか、そこから脱皮したかったのか、私にはわからなかったけど、よくも悪くも、ビートルズの名残りは随所に見られた。

 しかし、それは名残りであって、もはや4人が一体となっていたビートルズ・サウンドではなかった。
 そこにビートルズを聴いていた時のワクワク感はなかった。

 ビートルズ・ファンの多くは、解散後のメンバーの楽曲もビートルズ同様、愛聴しているようだ。
 高校生の私は、彼らのソロ作品にはビートルズに対するほどの思い入れや特段の興味もなかった。

 後年、ジョージの唯一の来日公演やポールの日本公演では、ビートルズ・ナンバーも演奏したけど、それがファンサービスなのか、ビートルズの呪縛の一環なのか判然としなかった。
 まだまだビートルズという十字架を背負っているし、まわりもそう見ていたはずだ。
 ビートルズの偉大さは、メンバー個人では超えることなどできるはずもない。
 
 先日、リンゴのニュー・アルバム『ルック・アップ』を聴いた。
 良し悪しや好き嫌いは別として、楽曲の数々は、ビートルズのテイストが完全に払拭されていた。

 カントリー風味の楽曲のほとんどは、演奏時間も短く、シンプルで懐かしい雰囲気に満ちていた。
 それを聴きながら、ビートルズで一番影の薄かったリンゴが、唯一ビートルズの呪縛から解き放たれたというのが個人的感想だ。

ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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ウルトラ・イントロ

2025年01月24日 08時08分43秒 | ビートルズ
 一部の例外を除いて、どんな曲にもイントロはつきものだ。
 それはビートルズ・ナンバーでも同じだ。

 有名な曲だったら、イントロを聴いただけで、それが何の曲かわかるものだ。
 イントロには長いものもあれば、短いものもある。

 ビートルズ・ナンバーで衝撃的なイントロが、ファンにはおなじみ『ア・ハード・デイズ・ナイト』のイントロだ。
 1970年代当時、高校生の私は下手の横好きで、ビートルズ・ナンバーを、簡単な楽譜と耳コピを頼りに弾き語っていた。

 そこで突き当たったのが、例のジャ~ンという超短いワンコードのイントロだ。
 当時の楽譜には、歌い出しのGコードからしか載っておらず、どんなコードか全くわからなかった。

 レコードは2本のギターとベース、ピアノまで重なっていたので、耳コピもできなかった。
 どういう押さえ方をしても、レコードと同じ音が出せなかった。
 高校生の私はテンションコードなど知る由もなく、とりあえず、全弦開放で弾いていた。

 ある時、先輩がショッキング・ブルーの『ヴィーナス』のレコードを持ってきて、そのイントロのコードが、あの "ジャ~ン" だと言い出した。
 なるほど、聴けば雰囲気は似ている。

 そのコードがB7sus4というコードで、『ア・ハード・デイズ・ナイト』のキーに置き換えるとG7sus4だ。
 それ以来、『ア・ハード・デイズ・ナイト』を弾く時は、多少の違和感を抱きながらもG7sus4を鳴らしていた。

 ミュージシャンや音楽評論家、果ては数学者までもが、半世紀以上にわたり検証しても、その謎は現在まで完全な解明には至っていない。
 Youtubeで見る、コンサートのステージ上でのジョンやジョージの左手指の形で、Fadd9らしいと言われているけど、聴こえるサウンドは微妙に異なる。
 当事者のジョンとジョージはすでに鬼籍に入っているし、ポールも大して興味がなかったのか、詳細を語ることもなかった。

 現在、巷のビートルズのコピーバンドは、Fadd9かG7sus4を鳴らしているけど、レコードのサウンドとはやはり違って聴こえる。
 まさに、あの "ジャ~ン" はビートルズのマジカル・ミステリー・コードだ。


 

ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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懐かしのビートルズバンド

2025年01月17日 10時07分42秒 | ビートルズ
 1973年、大学に入学した私はフォークソング同好会に入会した。
 フォークソング同好会と銘打っていたものの、厳密なフォーク縛りはなく、ポップスやロック、果てはカントリーやブルーグラスも混在していた。

 そんな中で、突出していたのが、先輩のビートルズのコピーバンドだった。
 結構なテクニシャン揃いで、学内のコンサートはもちろん、女子大のコンサートやビアガーデンのアルバイトにも出演していた。
 当時はギターを弾けるというだけで羨望の的だったし、ビートルズのコピーバンドともなると、もはや学内の一部ではアイドル並みの人気だった。

 バンドのメンバーはそれぞれに個性的だった。
 ジョン役は、茶髪のロン毛で、レノン風メガネをかけ、歌い方もジョンの完コピだった。
 また、ビートルズ関連の雑誌や新聞記事を丹念にスクラップしていた。

 ポール役はビートルズの全アルバム、シングルを所有していた。愛器は国産のヘフナーのコピーモデルのバイオリンベースだった。
 彼にはビートルズ・ナンバーのウンチクやトリビアを聞かされ、大いにビートルズに関する視野が広がったものだ。

 ジョージ役は、デビューアルバムの『プリーズ・プリーズ・ミー』とラストアルバムの『アビイ・ロード』しか持っていなかった。
 メジャーデビュー間もない頃の、溢れる上昇志向と、解散寸前の奇跡の完成形を聴き比べるのが、真のビートルマニアだと自称していた。

 リンゴ役は金持ちの御曹司で、自宅にコンサート用のドラムセットと、部室に練習用のドラムセットを置いていた。
 彼は1回生の時に、イギリスに旅行して、ビートルズの聖地巡りをしたのが自慢だった。キャパーン・クラブの前やアビイ・ロードの横断歩道で、現地の人間と撮った写真を見せてくれたものだ。

 私も大学に入学したら、ビートルズ・バンドを組もうと漠然と考えていたけど、そんなことを見たり聞いたりして、その考えは霧散した。
 まあ、それ以前にエレキギターを買う金もなかったし、メンバーも揃わなかった。
 仕方なく、二人組のバンドを組んで、アコギでビートルズのアコギ曲やサイモン&ガーファンクルをシコシコとやっていた。

 あれから半世紀以上の時が流れ、フェイスブックのビートルズ関連の投稿を見るにつけ、あのコピーバンドのメンバーを懐かしく思い出す今日この頃だ。


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バングラデシュ難民救済コンサート

2025年01月10日 07時30分20秒 | ビートルズ
 バングラデシュ独立戦争の真っ最中、1971年8月にマディソン・スクエア・ガーデンで開催された、バングラデシュ難民救済コンサート。
 そのコンサートには、ジョージ・ハリスンの呼びかけに、フォークの神様ボブ・ディラン、ギターの神様エリック・クラプトン、盟友リンゴ・スターなど大物アーチストが集結した。
 当然、ビートルズ・ファンはもちろん、ディランやクラプトンのファンも集客できたことだろう。

 サイレント・ビートルと半ば揶揄されていたジョージが、その人望の厚さを世に知らしめたコンサートだ。
 これがポールやジョンの呼びかけだったら、果たしてディランやクラプトンは応じただろうか。
 
 ビートルズ解散の翌年で、当然、ジョージはポールやジョンにも声をかけたようだ。
 ジョージにしてみれば、チャリティもさることながら、これを機にビートルズ再結成にわずかな望みを託したようだ。

 リンゴの快諾は得られたものの、ポールとジョンは最後まで悩んだ末に出演を見送ったらしい。
 解散をめぐる法廷闘争の最中でもあり、ジョンはプラスティック・オノ・バンド、ポールはウイングスを、軌道に乗せるのに忙しかったのかもしれない。

 翌72年に発売された化粧箱入り3枚組アルバムを、当時高校2年だった私は、貯金をはたいて買ったものだ。
 しょっぱなのラヴィ・シャンカールによる『バングラ・チューン』には面食らった。
 延々と続くインド音楽の演奏は、マリファナをキメるか、瞑想でもしながらでないと、聴けないような難解さというか、退屈さだった。

 3枚目のA面(E面?)は全面ボブ・ディランの楽曲だ。
 格の違いというか、ジョージのディランに対するリスペクトの表れだろう。
 その選曲もツボを押さえた、なかなかのものだった。
 そこから私はボブ・ディランも聴くようになった。
 
 ビートルズ時代の3曲『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイーブス』、『ヒア・カムズ・ザ・サン』、『サムシング』は、言わずと知れたジョージの曲だ。
 当時の私は、その3曲のためにアルバムを買ったようなものだ。
 しかし、メンバー構成の違いや、ライブ音源ということもあり、ビートルズ時代とは全く異なるサウンドだった。

 何はともあれ、その後のロック・ミュージシャンによる、チャリティ・コンサートの先駆けとなったコンサートのライブ・アルバムで、ビートルズのラストアルバム『レット・イット・ビー』とともに、ある意味、いろんなエピソード含みの歴史的な名盤と言えよう。


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イエスタデイ

2025年01月03日 08時14分12秒 | ビートルズ
『イエスタデイ』。
 言わずと知れたビートルズの代表的な名曲だ。
 これほど他のアーチストにカバーされた曲はない。

 半世紀以上前、当時中学2年の私が、ビートルズを知るきっかけにもなった曲だ。
 その昔は、ビートルズといえば『イエスタデイ』だったんだよね。

 『イエスタデイ』についてよく話題になるのが、謎の7小節問題だ。
 ロックやポップスの曲のAメロが、 例外はあるけど、一般的に8小節なのに対して『イエスタデイ』は7小節だ。

 ほとんどの人間が、指摘されるまで気がつかなかったようだ。
 微塵も違和感を感じずに、スンナリと聴けていたから不思議なんだよね。 
 それほど自然だったということだろう。
 
 それに関する考察は諸説あるけど、ポール本人が正解を明かしていないので未だに謎だ。
 ポールはそれほど裕福でない労働者階級の出身なので、正式に音楽理論を学んだとも思えないし、現に楽譜の読み書きも、ほぼできなかったようだ。
 7小節は浮かんだメロディをそのまま曲にしただけで、端から基本の8小節など意識していなかったのかもしれない。

 ポール本人も、確たる説明のしようがないようだ。
 夢の中で降りてきたメロディが、たまたま7小節だったんだよね。それだけさ、と言うしかないか。

 コードも後付けで、随所に変化球的なコードが顔を出している。
 それも音楽理論からではなく、天性の直感なのだろう。

『イエスタデイ』だけでなく、ほかにも変小節の曲はあるし、小節に限らず、コードや転調、変拍子まで、従来の音楽理論の枠をはみ出した傑作は数多い。
 そしてそれらに関する考察を、音楽理論に長けたプロもやっているけど、推論の域を出ず、未だにそれらの真意も謎のままだ。

 おそらく、ポールやジョンが、感性のまま無意識にやったことを、まわりが理論的に理解しようとして、その深いところでの、思わぬ合致に舌を巻いているのだろう。
 それがとりもなおさず、彼らを天才と言わしめる所以だろう。


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ビートルズのベストアルバム

2024年12月27日 07時34分52秒 | ビートルズ
 すべからく物事を比較して、優劣や順位を付けたがるのが人間の性かもしれない。
 ビートルズに関しても、アルバムのランク付けという、不毛の論争は昔から今も続いている。

 中には、大真面目にそれぞれの自説を主張して、侃々諤々、遂には、掴みかからんばかりにヒートアップする者もいた。
 すべてをランク付けするのは無理と、ベストアルバムだけを選ぶ者も多かった。
 今では、当時と比べてファンの年齢層が格段に広がり、それに伴い、好みも多様化し、ランキングについては、選ぶこと自体ナンセンスだろう。

 ビートルズが解散した1970年当時、ビートルズのベストアルバムと言えば『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』というの定説だった。
 それを猛追していたのが、解散の前年にリリースされた『アビイ・ロード』だった。
 
 当時高校1年だった私は『サージェント・ペパーズ・・・』がベストアルバムに推される理由がとんと分からなかった。
 中学3年で先輩に借りて初めて聴いた時には、それまでのアルバムとは一線を画したような内容に驚いた。

 どこか非日常的な、カーニバルやサーカスを想起させるようなサウンドは、ジャケットのけばけばしさと相まって、違和感てんこ盛りだった。
 巷では、コンサート活動をやめて、スタジオ・ワークに専念して作り出した、当時のビートルズの集大成、最高傑作と言われていた。

 後年、それが当時の録音技術の粋を駆使して、はたまた、LSDやコカインの影響のもとに制作された、コンセプト・アルバムだと知った。
 そんな先進性や話題性が、ベストアルバムたる所以だったのだろうか。

 録音技術など専門的なことや、メンバーの趣味嗜好には興味もなく、純粋なリスナーだった私は、単純に初期のナンバーと聴き比べていた。
 シンプルでストレートでキャッチ―な初期のナンバーに比べると『サージェント・ペパーズ・・・』のナンバーは凝り過ぎに感じたものだ。
 
 それに対して『アビイ・ロード』は原点回帰というか、初期のサウンドテイストに戻った気がしたものだ。
 バラバラだった4人が奇跡的に集まり、最後の化学反応で生まれたのが『アビイ・ロード』だ。
 録音技術の進化で、初期のライブ感やキャッチ―さは円熟味に進化し、そしてそれがビートルズ・サウンドの現実的な最終到達点になった。

 ビートルズが解散した以上、ビートルズ・サウンドの、文字通り最終形、集大成は『アビイ・ロード』といえるだろう。
 もちろん、一番好きというだけで、それが最高傑作、ベストアルバムと言うつもりはないけどね。
 ベストは唯一なので、すべてのアルバムはグッドということにしている。

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古代遺跡ビートルズ

2024年12月18日 22時37分41秒 | ビートルズ
 世界の七不思議のひとつピラミッド。
 その古代文明の遺跡は、今も考古学者のロマンを掻き立てずにはいられないようだ。
 ピラミッドにまつわる謎の多くは、発掘調査により解明されてきたけれど、まだまだ未解明の謎は少なくない。
 
 1973年に解散したビートルズも、ある意味、音楽シーンにおける古代遺跡のようなものだ。
 その謎ともいうべき、数々のエピソードや写真、映像は、現在に至るまで、考古学者ともいうべき、ビートルマニアによって発掘されてきた。
 ピラミッドと異なるのは、その謎がほとんど解明され尽くした感があることだ。
 
 現在も発表されるそれらは、すでに誰かが過去に発掘、発表したものがほとんどで、その補足、補完的なものだろう。
 それでも、我々ファンにとっては、届いていなかった情報も多々あり、それはそれで喜ばしいことだ。
 
 そんなビートルズ遺跡の発掘調査と並行して、コレクターは遺物である音源集めに奔走し、プレイヤーは遺物の復元ともいうべき、コピー演奏に余念がない。遺跡巡りのツアーを敢行するファンも少なくない。
 アプローチの仕方はそれぞれだけど、私にとっては、その情熱たるや羨ましい限りだ。

 ビートルズ解散後、ポールはウイングスを結成し、ジョンやジョージ、リンゴもソロで活動して、アルバムも発表していたが、私にしてみたら、" 元ビートルズ・メンバー " という位置づけで、" ビートルズ " という認識はなかった。

 それぞれのアルバムも聴いたけれど、4人の化学反応によって作り出された、ビートルズという化合物ではなく、それぞれ、オレンジやグレープ、レモンジュースといった感じで、ミックスジュースたるビートルズとは別物だ。 

 もちろん、曲の良し悪しとは別問題で、それぞれの曲にはそれぞれの素晴らしさがある。

 後年、ジョージとポールそれぞれのコンサートにも行って、彼らが歌うビートルズ・ナンバーを聴いて、それなりに興奮したが、それはビートルズサウンドとは明らかに異なっていた。

 昔聴いたレコードのビートルズが、やっぱり私にとってのビートルズだ。
 純然たるリスナーの私は、今もそんな遺物を聴きながら、悠久のロマンでもないが、過去のノスタルジーに浸っている。


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ジョージ&クラプトン

2024年12月13日 08時35分49秒 | ビートルズ
 今を遡ること33年前の12月の今頃、私は大阪城ホールにいた。
 ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトン、今では考えられない、2人のビッグ・ネームの大阪公演だ。

 発案者がどちらだったのか、今でも定かではないが、そんなことはどうでもよかった。
 ビートルズの武道館公演以来、4半世紀ぶりのジョージの来日、それもギターの神様クラプトンを引き連れてのコンサートだ。
 ビートルズを生で見ることは叶わなかったけど、そのメンバーのひとりを見られるということに心は踊った。
 
 会社の後輩の知り合いが「チケットぴあ」にいて、そのツテでステージ正面2列目の席を確保できた。
 目と鼻の先に、写真でしか見ることがなかった、ジョージとクラプトンがいることに、興奮を通り越して不思議な感覚になったものだ。

 ジョージはビートルズ時代の自作曲も惜しげもなく披露した。
 メンバー構成も違うし、レコードには及ばないものの、生の臨場感はやはり鳥肌モノだった。

 惜しむらくは、クラプトンが格の違いなのか、ジョージを立てたのか、あまり目立つことなく、遠慮気味に演奏していたことだ。 
 唯一『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィーブス』で、ギターソロを聴かせてくれたのが救いだ。
 もちろん、レコードとはだいぶ違うアレンジで、すすり泣きというより、噓泣きみたいだったけどね。

 ジョージには、ビートルズ時代の全盛期を求めるべくもなかったけど、クラプトンと一緒に目の前のステージで演奏しているだけで、十分、チケット代の元は取れた。

 その後、クラプトンのコンサートには今まで3回行ったけど、ビートルズ・メンバーのコンサートは、それから22年の時を経た、ポールの京セラドーム大阪でのコンサートだ。
 その時には、興奮よりも、中学時代に知ったビートルズだけど、還暦一歩手前で、またそのメンバーのひとりに出会うことができた、という感慨に浸ったものだ。

 ジョージ、ポールどちらのコンサートも、それなりに素晴らしかったけど、4人が揃ったビートルズを観たかったなあ、というのが正直な感想だった。


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Now And Then (ナウ・アンド・ゼン)

2024年12月06日 09時03分24秒 | ビートルズ
 昨年、鳴り物入りでリリースされた、ビートルズ最後の曲『ナウ・アンド・ゼン』。

 タイトルを見た時には、「時々」という意味より、文字通り「今とあの時」という意味かと思った。
 あの時とは、ジョンやジョージが存命の時だ。

 歌詞の中の "I" はジョンで、 "you"はヨーコのことを言っているらしいけど、ポールは"I" を自分に、 "you"をジョンとジョージに置き換えているような気がした。

 この曲を聴いて感涙にむせぶ、イギリスの往年のビートルズ・ファンのニュースを見た。
 おいおい、嘘でしょう。

 ポールとリンゴの真意はわからないけど、AIを使って、録音技術的に無理やり作った感満載の、ビートルズらしからぬモッサリ感だ。
 時々感はあっても、ドキドキ感はないかな。
 ましてや、涙腺を緩くするほどの感動もないように思われる。

 我々の世代だと、カーペンターズのアルバム『ナウ・アンド・ゼン』を思い出す。
 そちらに入っていてもおかしくない雰囲気の曲だ。

 ほかのビートルズ・ナンバーだと、容易に口ずさむことができたけど、この曲はメロディがすんなりと頭に入ってこない。
 耳慣れてくると、いい曲に思えてくるかも知らんけど、第一印象はサッパリだった。
 ビートルズの名前や曲の背景を知らずに聴くと、ほとんどの人が聴き流してしまいそうだ。
 
 ビートルズ・ファンの間でも評価は二分しているようだ。
 
 リリース直後は、制作過程のいろんな逸話が紹介され、話題性を狙ったのなら、それはそれでよかったのかもしれない。
 しかし、一連のビートルズ・ナンバーとは、別物と考えるべきだろう。

 今後AIの進化によって、ビートルズメンバーの声をもとに、新たなビートルズ・ナンバーと称する曲が、出て来ないとも限らない。
『ナウ・アンド・ゼン』はそんな将来を、ある意味、暗示しているかもしれない。


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ビートルズ武道館公演前座

2024年11月29日 08時02分13秒 | ビートルズ
 1966年のビートルズの武道館公演。
 小学6年生だった私は、ビートルズ自体、まだ知る由もなかった。
 その映像をYouTubeで視聴できたのは、それから何十年もあとだ。

 当時はアイドルグループ、もしくはイギリスの不良グループというフレコミで、映像からもその雰囲気は窺えた。
 主役のビートルズの演奏は、世界各地のコンサート映像を見ていたので、目新しさはそれほどなかった。

 目を引いたのは、ビートルズを前座で迎えた、GS隆盛前のブルー・コメッツとブルージーンズ、ロカビリーの内田裕也と尾藤イサオ、コミックバンドのザ・ドリフターズだ。
 若かりし頃の彼らの映像には、懐かしさが溢れていた。
 演奏技術もビートルズに劣ることはないように思われた。

 特筆すべきは、内田裕也と尾藤イサオのデュエットだ。
 今のファッションとは大違いの、アイビールックの内田裕也と、今とほとんど変わらない、Tシャツに革ジャンの尾藤イサオ。

 ブルー・コメッツとブルージーンズを従えて歌うは『ウェルカム・ビートルズ』。
 安井かずみ作詞、井上忠夫作曲のブルー・コメッツのナンバーだ。

 ビートルズを讃えるその歌詞が、どうにも、こそばゆいというか、こっ恥ずかしい、赤面ものの内容なのだ。
 その歌詞を一部引用する。

  Welcome Beatles
  今日のこの時
  若い僕らは待っていたのさ

  Welcome Beatles
  東京にひびきわたるよ
  その歌声

  世界中の人
  みんなのアイドル
  かがやく栄光
  四人の若者

  ビバ!Beatles いつまでも
  かぎりない前進 僕らはいのる
  Welcome Beatles

 今聴いても、アッケラカンとした幼稚さに、むず痒いゾクゾク感が脊筋に走る。
 それを今の内田裕也と尾藤イサオからは考えられないような、ノリノリで歌っているのだ。

 まあ、逆に当時の空気感を色濃く醸し出す映像で、それはそれでいいんだろうけどね。


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ゲット・バック

2024年11月22日 08時00分39秒 | ビートルズ
 ビートルズ後期の名曲『ゲット・バック』。

 巷では原点回帰の曲ともっぱらの評価だ。
 歌詞の内容についても、ポールの、ジョンやヨーコに向けたメッセージとも言われている。

 中学三年で、初めて聴いた時は、そんな先入観は一切なかった。
 前年の大作『ヘイ・ジュード』から8ヵ月、満を持してレコードに針を落とした。

 そのサウンドは、初期のキャッチーで弾けた感じとも、中期の難解なイメージとも異なっていた。
 ビートルズ・ナンバーにしては珍しく、変に音がこもっているというか、サウンドを抑えているような印象だった。 

 今思うと、原点回帰と言われるけれど、どの時点へ回帰したのだろう。
 それでも、他の曲と同様、聴き込むうちに、やっぱり名曲というに相応しいと思えてきた。

 ともすれば、アマチュアのような、控えめなジョンのリードギターの間奏は、当時のハードロックを聴き慣れた耳には新鮮だった。
 馬のトロットのようなリンゴのドラミングにも、クリームのジンジャー・ベイカーやレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムの爆音ドラミングを、大人が子供をあざ笑うような余裕さえ感じられた。

 そこはやはりビートルズ、意図してそうしたに違いない。
 同じアップテンポの曲でも、ハードロックとは対極のシンプルさだ。
 一見、簡単なようだが、あの独特なサウンド・テイストは、ビートルズにしか出せないだろう。
 サポートのビリー・プレストンのエレピは、余計な気がしないでもなかったけどね。
 
 歌詞カードを見ながら、ボールの歌う歌詞が聴き取れるのが、高校生の私には嬉しかった。
 シングル盤B面の『ドント・レット・ミー・ダウン』とともに、コードも少なくて、キーを下げてギターで弾き語りもできた。

 最終的には、私の好きなビートルズ・ナンバーのトップテンに入る曲となり、ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ : Get Back』のタイトルになったのも頷ける。


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IF I FELL (恋におちたら)

2024年11月15日 07時54分29秒 | ビートルズ
 ビートルズ・ナンバーには、例によって転調がつきものだ。
 その中でも『イフ・アイ・フェル (恋におちたら)』は代表的な曲だろう。

 歌い出しからまさかの転調だ。
 途中も変幻自在というか、気の向くままに転調や転調もどきをしている。

 中学時代、最初に聴いた時は、音程が外れているのかというくらい、違和感てんこ盛りの、微妙な気分になったものだ。
 それが何度も聴いているうちに、予定調和とは対極の、甘い背徳感にも似た、不思議な気分になってくる。

 それが転調だと知ったのは、あとになってからだ。
 中学の音楽の授業で習うはずだけど、音楽の授業なんて真剣に聞いてなかったしね。
 ビートルズに出会ってから、英語の授業は真面目に取り組むようになったけど、音楽の授業はやっぱり退屈だったな。

 まあ、転調を知っていたら、逆にありえない転調だと思ったに違いない。
 平行調や同主調、あるいは半音上への転調がほとんどだった時代に、全く調性の異なる調への展開だ。
 プロの音楽家でさえ、そう感じたようだ。
 
 ギターで弾き語ると、まるで無重力空間を浮遊するような、スリルさえ感じる。
 経過すべき、あるいは帰着すべき和音に向かうと思わせて、あらぬ方向へ導いていくジレンマの快感だ。
 
 ジョンがこの曲を作るにあたっては、たぶん歌詞が先で、それを調性は無視して、感性のままに歌い、あとからコードを付けたのだろう。
 そのコードも、従来の音楽理論では考えられないものが散りばめられている。

 今やそういうコードやコード進行が、普通になった感がある。
 従来の音楽理論に縛られない、斬新で広がりのある曲作りが可能になったのだ。
 それもビートルズの数ある功績の中のひとつだろう。


ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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平凡パンチと週刊プレイボーイ

2024年11月08日 07時42分42秒 | ビートルズ
 中学、高校で勉強するにあたって、基本は教科書だったが、当然、それだけでは足りない。
 そこで、参考書の出番だ。
 教科書だけではわからなかった事柄が、参考書によって、なるほどと納得できたケースは少なくない。
 教科書の補足的、補完的な役割を担う、参考書のおかげで、私たちは受験勉強をなんとか乗り切った。

 ビートルズのレコードを教科書としたら、参考書は音楽雑誌だ。
 しかし、如何せん、当時は音楽専門誌、それもポピュラー音楽を扱う雑誌がほとんどなかった。
 
 かろうじて、『月刊平凡』や『月刊明星』なとが、青春歌謡やグループサウンズを扱うオマケみたいに、ビートルズや洋楽の話題も取り上げていた。
 そんな中にあって、『平凡パンチ』と『週刊プレイボーイ』は、若者文化や流行、ファッション情報と並んで、ビートルズを取り上げていた。
 
 田舎のマセた中学生は、当初、グラビア目当てで買っていたが、時を経ずして、その若者に特化した情報発信に興味をそそられていった。
 ビートルズや三島由紀夫を知ったのもその2誌からだ。

 その2誌はビートルズに関する参考書というより、私の青春のバイブルみたいなものだった。
 それに影響された高校時代の私は、休日はVANジャケットに身を包み、丸めた『平凡パンチ』を片手に、レコード店でビートルズを聴いていた。

 インターネットなどない時代、私にとって、ビートルズを知る上で、『平凡パンチ』と『週刊プレイボーイ』の果たした役割は大きかった。
 中学、高校時代の私は、レコードから得られるより多くの、ビートルズに関する情報を、その2誌から得ていたと言っても過言ではない。
 その情報も、時代背景や流行に即して、時には特集を組み、熱く、かつ、わかりやすく解説していた。

 日本でビートルズ人気が末永く定着した一因は、『平凡パンチ』と『週刊プレイボーイ』によるところも少なくないように思われる。


ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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いくつになってもビートルズ

2024年11月01日 09時12分53秒 | ビートルズ
 大学時代を京都で過ごした。
 1973年、九州の辺境の田舎町から出てきた私にとって、京都は十分すぎるほど都会だった。

 当時の京都の街には、ビートルズを聴かせてくれる喫茶店やバーが結構あったし、ビアガーデンや大学の音楽サークルでは、コピーバンドの演奏も聴けた。
 解散から3年も経っているのに、その人気は衰えるどころか、半ば伝説となって定着していた。

 人生を大まかに区切ると、中学の終わりから高校時代が多感な青春の始まりで、大学時代は青春ど真ん中だ。
 中学2年の頃にビートルズに出会い、それにハマった私の青春時代は、ビートルズの音楽と共にあったと言えるだろう。

 楽しいことがあればビートルズ、嫌なことがあってもビートルズ、暇があればビートルズ、なにはなくともビートルズ・・・。
 ユーミンは、悲しいことがあると、卒業アルバムを見てたけど、私はビートルズのアルバムを聴いていた。

 そして人生の黄昏に突入した現在も、純然たるリスナーとして断続的に聴き続けている。
 いくつになってもビートルズというところか。

 もちろん、その間にはハードロックやブルース、ジャズも聴いたし、今は昭和歌謡も聴く。
 ボブ・ディランやクラプトンのライブにも行ったし、石破総理と同じくキャンディーズのコンサートにも行った。

 グラムロックからパンク、ガレージ、オルタナ等、キワモノもとりあえず聴きまくった。
 それらの曲の中には、ビートルズのメロディラインやコード進行を、真似たというか、参考にしたものを随所に見かけた。

 いろんな音楽を聴いたけど、結局はビートルズに戻るんだよね。
 ビートルズよりあとのバンドの曲が、むやみに複雑怪奇になるのに対して、ビートルズナンバーは至ってシンプルなのが、その理由かもしれない。

 同じ曲を青春時代に聴くのと、歳をとってから聴くのでは、印象が違ってくると言われるが、ビートルズに関してはそれがない。
 今聴いても、ほとんど同じ印象というか、当時の気分に戻ってしまうんだよね。
 私の青春が、朱夏、白秋と変遷したのに対して、ビートルズ・ナンバーは青春のままだ。


ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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ルーフ・トップ・コンサート

2024年10月25日 07時44分12秒 | ビートルズ
 ビートルズ最後の生演奏と言われ、音楽史に残る『ルーフトップ・コンサート』。
 今で言うところのゲリラライブだけど、当時はまだその名称はなかった。

 今では『ルーフトップ・コンサート』と言えば、ビートルズ・ファンでなくても、コアな音楽ファンなら誰しも、ビートルズとピンとくる。
 しかし、いつの頃から『ルーフトップ・コンサート』と呼ばれるようになったのだろう。
 "オープン・エア・コンサート" とか "アンダー・スカイ・コンサート" のほうか、しっくりくるのではないだろうか。

 ネットで調べても、それにまつわるエピソードやトリビアはいろいろあるけど、その呼称の起源については見当たらない。
 まさか、初期のビートルズ・ナンバーのトンデモ邦題を担当していた、東芝の高嶋のオヤジではないだろうな。

 高校時代に『レット・イット・ビー』の映画の終盤で観た時には、まだ件の呼称はなかった。
 アップル本社の屋上の生演奏と言っていたはずだ。
『ルーフトップ・コンサート』と呼ばれる以前に、あのコンサートを映画で見たんだもんね、と自慢できるかな。

 寒空の下、ジョンは一丁やったろうか、ジョージは不貞腐れているような、リンゴはしゃあないな、といった雰囲気だった。
 ポールはといえば、さながら、屋根の上のバイオリン・ベース弾きだ。

 いずれにしても、映画の中だけど、初めて観るビートルズの生演奏に心躍ったものだ。
 その反面、もうビートルズは解散していて、生演奏はもちろん、新曲も聴けないのだという一抹の寂しさがあった。

 実際に現場であの演奏を聴いた人間は、なんと幸運だっただろう。
 きっと人生の語り草になったに違いない。
 映画の中で、制止に入った警官も、当初は、ビートルズの生演奏が聴けてラッキー、みたいな表情を垣間見せた。

 今改めて、『ルーフトップ・コンサート』を聴くと、いろんな情報が頭に入っているので、高校時代に映画で観た時とはだいぶ印象が変わった。
 しかし、そこで演奏しているのは紛れもなく20代のビートルズだ。


ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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