★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

カミ家珈琲店

2014年10月27日 20時04分21秒 | 徒然(つれづれ)
 またまた昔の話。
 大学2回生から下宿を京福沿線の八幡前に移した。下宿から大学までは30分ほどで、以前の下宿と比べると半分以下の時間に短縮された。

 下宿を早く出すぎた時や、試験前の時間調整などに時々利用したのが、京福の出町柳駅前のカミ家珈琲店だった。
 駅前に並ぶ、さびれた商店群に同化したその佇まいは、下手をすると見落としてしまうくらいの、喫茶店らしからぬ風情だった。

 小洒落た外観の喫茶店が多い京都の町には、似つかわしくない、昭和30年代の雰囲気を醸し出すその店は、白い日除けのテントに書かれたカミ家珈琲の赤い文字で、やっとそれが喫茶店だとわかった。
 店内も同じように、仄暗く雑然として変な気取りもなく、古き良き時代を色濃く残した調度品も、軋みが聞こえるほどの昭和テイストだった。
 京都を代表するイノダコーヒ店とは、ある意味、対極をなす庶民的な喫茶店だった。

 コーヒーが苦手で、喫茶店でもコーラやレスカ専門だった私も、カミ家のコーヒーだけは美味しいと思った。
 大きめのコーヒーカップにたっぷりと入れられたコーヒーは、苦味や酸味、渋味を極力押さえ、マイルドでまったりとした、他の喫茶店では味わえないない独特の味だった。
 その芳香は鼻腔をくすぐり、熱く芳醇な味は舌に染み渡り、胃の腑をやさしく刺激して、朝の脳を覚醒させた。
 根強いファンが多いというのも頷ける。

 大学を卒業してからも、6年ほど京都に住んでいたので、年に3、4回程度、思いついたら行ったりしていた。
 大阪に居を移してからは、何かの用事でもない限り、京都に行くこともなかったので、長らくご無沙汰していた。
 2008年にネットの情報で閉店になったというのを知って、またひとつ、青春時代の思い出の場所が消えて、すごく残念な気がしたのを覚えている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【競馬】第75回菊花賞予想

2014年10月25日 19時32分50秒 | 競馬
 秋のGⅠシリーズ第二戦は菊花賞。
 先週の秋華賞は穴予想で大ハズレ。今週こその意気込みで予想してみよう。

 出馬表を見て感じたのは、秋華賞とあまりにも共通点が多すぎるということだ。

 まずは牡馬二冠を目指す、前売り1番人気のダービー馬ワンアンドオンリーは、トライアルを制した点でもオークス馬ヌーヴォレコルトとダブる。
 2番人気のトーホウジャッカルは、遅いデビューながらトライアルの神戸新聞杯3着で、同じく遅いデビューで、トライアルのローズステークス2着のタガノエトワールに該当する。
 3番人気のトゥザワールドは神戸新聞杯を回避し、東のトライアルのセントライト記念2着で、ローズステークスを回避して、紫苑ステークス2着のショウナンパンドラと同じだ。
 4番人気のトーセンスターダムは早熟な点が、二歳女王のレッドリヴェールにダブる。
 ダービー3着のマイネルフロスト、4着のタガノグランパは、オークス3着のバウンスシャッセ、5着のブランネージュに、それぞれ当てはまる。

 過去10年の結果を見ると、1~3着30頭のうち関東馬はたったの2頭、ここ6年は1頭も絡んでいない。今年も関西馬優勢と見て間違いないだろう。
 
 こうなると秋華賞の再現で、1着⑭トゥザワールド、2着⑮ワンアンドオンリー、3着②トーホウジャッカルの三連単一点買いだが、倍率76倍ほどでは面白くない。
 それも抑えつつ、ここはやはり穴馬狙いで、神戸新聞杯4、5着の⑯サトノアラジン(浜中)、⑰ヴォルシェーブ(岩田)を、鞍上にも期待して1、2着の軸で、①②④⑥⑦⑧⑨⑩⑫⑬⑭⑮へ流す三連単24点買いで勝負だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とんがりぼうし

2014年10月21日 19時59分31秒 | 徒然(つれづれ)
 18歳で大学に入学して上洛した私は、「とんがりぼうし」というフォークソング同好会に入会した。
 当時はまだギターを弾けるというだけで、女子にモテた時代だ。
 ギターケースを片手にキャンパスを歩くのは、ギター青年にだけ与えられた特権だったにもかかわららず、中には弾けもしないのに持ち歩く輩もいた。
 極めつけは、ギターケースの中にギターではなく、教科書や筆記具、はては宿泊セットや生活用品を入れて持ち歩く猛者もいた。

「とんがりぼうし」で私は同期のN本とデュオを組み、サイモン&ガーファンクルのコピーをやっていた。新歓コンサートにも出演して、「アイ・アム・ア・ロック」や「ホームワード・バウンド」を演奏して、万雷の喝采を浴びたものだ。
 今もその音楽性は変わっても、「とんがりぼうし」が健在なのをネットで見て、喜ばしい限りだ。

 その当時の「とんがりぼうし」の同期のメンバーも、今年(浪人は去年)めでたく還暦を迎える(た)はずだ。
 K林とは今もふた月に一度のペースで飲んでいるが、他の奴等は元気でやっているのだろうか。

 後にK林と共にバンドを組んだS谷、J宮、同期のリーダー格のM原、同郷のY田、理屈屋のT川、二浪のM崎。
 女性軍では同じクラスだったW田、タヌキ顔のK村、大阪のオバハンO、京都の味噌屋の娘I野、毛糸屋の娘M井、ブリッ子A田、同郷のK田、色っぽかったS、うるさかったH。
 同期ではないが先輩のビートルズバンドのM崎、T中、K城、T野さん、トラディショナル・フォークのO合、I本、W菜、A部さん、CSN&YバンドのT田、G張、M田さん、あと、N添、O森、T井、F田、M中さん・・・みんな元気ですか~!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【競馬】第19回秋華賞予想

2014年10月19日 10時01分12秒 | 競馬
 競馬好きには待ちに待った秋のGⅠシリーズの開幕だ。
 
 初戦は三歳牝馬三冠の最後の一冠を争う秋華賞だ。
 このレースを獲るか外すかで、秋のGⅠ予想の明暗がある程度占える。
 何事も先制パンチが重要だ。

 さて、予想の前に、まず出馬表の馬名を実績は無視して見てみよう。
 何か心の琴線に触れるものがないかの確認だ。

 頭文字がハ(バ、パ)の馬が3頭、レの馬、マの馬が2頭ずつ。
 エトワール(デトワール)という馬が2頭。
 ゼンノロブロイ産駒が5頭、ディープインパクト産駒が2頭。
 フランス語入りの馬名が6頭、イタリア語が2頭。色名が入っている馬が3頭。
 ここでは頭文字ハとゼンノロブロイ産駒、フランス語馬名が引っかかる。
 その三つを満たすのが③バウンスシャッセ。

 次にデータを私なりのフィルターにかけてみる。

 オークス馬④ヌーヴォレコルトが群を抜いてトップ。
 二番手が①ブランネージュ⑫タガノエトワール。
 三番手が⑥ショウナンパンドラ⑮ハピネスダンサー⑱セウアズール。
 穴候補が②レーヴデトワール⑧レッドリヴェール。
 
 過去18回の傾向はどうか。

 優勝回数2回以上馬番が④⑩⑫⑭⑮⑯
 連対回数4回以上馬番が①④⑩⑫⑭⑮⑯

 過去十年での傾向はどうか。
 
 優勝回数2回馬番が④
 連対回数4回馬番が①⑤⑯
 2番人気馬が優勝6回、2着2回、3着1回と抜群の相性。

 JRAの前売り人気。
 
 ④ヌーヴォレコルトが1.7倍の断トツ1番人気。
 ⑧レッドリヴェールが近走不調も二歳女王の貫禄で6.6倍の2番人気。
 紫苑ステークス2着の⑥ショウナンパンドラが12.4倍で3番人気。
 トライアル2着の⑫タガノエトワールが16.0倍で4番人気。
 あと、16.7倍で①ブランネージュ、20.0倍で②レーヴデトワールが続く。

 <予想>

 一本かぶりの④ヌーヴォレコルト軸では、紐に余程人気薄馬が来ないと配当的妙味がないので、ここは単勝25.6倍の7番人気③バウンスシャッセの復活を軸に、2着に①ブランネージュ④ヌーヴォレコルト⑥ショウナンパンドラ⑧レッドリヴェールの実績馬、⑭サングレアル⑰リラヴァティの穴馬、3着に同じく⑭サングレアル⑰リラヴァティという三連単フォーメーション10点で勝負。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画館通い

2014年10月13日 22時54分13秒 | 徒然(つれづれ)
 中学三年から高校一年の二年間は、人生で一番多くの映画を観た期間だ。

 九州の辺境の田舎町にも、当時、映画館は3、4軒あったように思う。家からはバスでしか行けない距離だった。親父が小学校の映画担当で、業者からもらうタダ券を拝借して月に2、3回は観に行っていた。
 
 中学三年の時は若大将シリーズやクレージー、ドリフなどの邦画がメインで、高校一年になると洋画専門だった。
 洋画はロードショークラスの話題作から、B級、C級クラスまで暇があれば観ていた。話題作はそこそこの入りだったが、B級、C級になると客も疎らだった。
 田舎の映画館だったので、ほとんどが二本立てだった。

 別に洋画が好きだった訳ではなく、スクリーンから放たれる都会の雰囲気とか先端に触れるのが目的だった。B級、C級映画はほとんどがハズレだったが、何本かは当たりもあった。たとえば、ルノー・ベルレーの「さらば夏の日」やレイモンド・ラブロックの「火の森」、アントニオーニ監督の「砂丘」などが当たりだった。

 しかし、当たりの映画であっても、今ではほとんど筋も忘れている、というか前二者は大した筋立てではなく、後者に至っては筋書きのない不条理物だったからだ。

 映画を観る時は、パン屋でフランスパンを一本買って、朝一番から3時か4時くらいまで、ひとりで暗い席に座っていた。映画館を出た後は、近くの喫茶店でカレーを食べて帰るのが習慣だった。映画の筋は忘れても、フランスパンとカレーが旨かったということだけは記憶の底に残っている。

 今ではあのパン屋も喫茶店もなくなってしまっている。
 もちろん映画館も。
 そして、それらが存在していた昭和という時代も。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タバコのおまけ

2014年10月12日 14時28分56秒 | 徒然(つれづれ)
 タバコの値上げに伴い、常喫タバコをショートホープからゴールデンバットに変えて1年ほどが経つ。価格にして倍と半分以上の違いがある。
 フィルターなしの両切りだが、シガレットホルダーを使えば、葉っぱのクズが口に入ることもない。

 悩みはほとんどの自販機やタバコ屋で売っていないという事だ。
 なるほどバットを吸う人はごく少数派だし、利益の額も少ないので仕方ないが、自販機はまだしも、タバコ屋の看板を掲げているなら、1カートンでも在庫を置いておくべきではないだろうか。
 幸い近所の天神橋筋商店街には2店、在庫を置いている所があり、毎週そこでカートン買いしている。

 どこでもそうだが、タバコをカートン買いすると、おまけを付けてくれる。ほとんどが使い捨てライターだ。
 初めのうちは何も気にせずもらっていたが、気がつくと机の引き出しの中が、使い捨てライターで溢れかえるようになってしまった。
 安価で便利な使い捨てライターも、両手で持ちきれないほどあると、それこそ宝の持ち腐れである。
 ネットで検索しても、これといった使い途がないのである。
 捨てるのももったいないし、行きつけの飲み屋に寄付するにしても迷惑だろう。
 使用用途を特化されたものほど、汎用性がなく捨てるに捨てられず、引き出しの中の混沌を招いてしまう。

 タバコ屋はポイントスタンプ制にして、ポイントの数により景品を決める、というようにしたらどうだろう。最近はおまけのライターは断るようにしているが、油断をしていると袋の中に入れられている。
 今日もゴールデンバットを1カートン買ったのだが、小銭を取り出そうと気をとられている隙に、入れられてしまった。
 家に帰って袋から出してみると、何と5個も入っていた。

 なんじゃ、こりゃあ~!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「やさしく歌って」と「うつろな愛」

2014年10月11日 23時58分12秒 | 音楽
 1973年4月、18年間の九州の田舎生活にピリオドを打ち、私は青雲の志を胸に京都の地を踏んだ。
 青春のモラトリアム、大学生活の始まりだ。

 下宿探しに出遅れたため、京都での最初の居住地は、通学に1時間以上もかかる、滋賀県との県境の新興住宅地の中だった。京都市内の茶舗が投資目的で買った一軒家を、遊ばせて置くのももったいないとの理由で、学生下宿として貸し出していたものだ。
 その一軒家の4部屋あるうちの、二階の六畳間が私の部屋だった。床の間、バルコニー付きで家賃は6,000円だった。バス、トイレ、台所は共用だった。

 私の大学生活はその下宿からスタートした。同じ下宿の和歌山出身のFや、大学で入ったフォークソング同好会を通じて、友達の輪が広がっていった。
 親や先生や先輩の目を気にすることもなく、自分の意志のままに生活できる喜びに、心は浮かれまくっていた。

 大学生活は予想通りに楽しく、京都の街は見るものすべてが刺激的だった。
 そんな時にトランジスタ・ラジオから流れていたのが、ロバータ・フラックの「やさしく歌って」だった。春の柔らかな日差しのようなメロディが、私の大学生活を祝福するように心に染み渡った。

 新歓コンパや友達に誘われて覚えた酒は、私に大人の世界への片道切符を与えてくれた。 昼の世界しか知らなかったそれまでの私は、居酒屋やパブに出入りするようになり、人生のもうひとつの側面を垣間見たような気がした。おぼろげな未来に思いを馳せ、ひとまわり成長したような錯覚に陥ったものだ。
  
 そんな時にジュークボックスから流れていたのが、カーリー・サイモンの「うつろな愛」だった。カーリーが力強く歌う哀愁を帯びたメロディが、ほどよくアルコールの回った私に、これから先の大人の試練を予感させるようにガンガン迫ってきた。
 
 今でもこの2曲を聴くたびに、懐かしいあの頃の思い出が、甘酸っぱい感覚と共に脳裏に浮かんでくる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中華食堂十八番

2014年10月10日 22時53分58秒 | 徒然(つれづれ)
 天神橋筋五丁目の十八番は、餃子の王将と並び、マイフェイバリット中華屋だ。
 とにかく料理の種類がべらぼうに多く、値段もリーズナブルだ。

 料理は番号での注文制で、1桁番台は海老、10番台は豚肉、20番台は鶏肉、30番台は牛肉、40番台はレバー、50番台は焼そば、60番台は野菜・豆腐料理だ。
 欠番も多々あるが種類は豊富だ。
 その他に麺類、焼飯、丼類、餃子、はては麺と丼の組み合わせ等、100種類は下らない。

 通い始めの頃は、黒ひげ危機一髪みたいな感じで、当てずっぽうに注文していたが、当然すべてが口に合うとは限らない。
 今のところ回鍋肉、ニラ炒め、麻婆茄子は当たりで、十宝菜(八宝菜)、牛肉炒め系、野菜炒めはハズレだ。
 
 当たりの料理がわかると、一定期間そのローテーションになり、新規料理挑戦が億劫になる。大切な昼食代で、ハズレ料理に当たったら目も当てられないからだ。
 飲み代や馬券代は惜しみなく使うのに、昼食代はケチってしまう自分が情けない。
 
 明日の昼飯は思い切って新しい料理にチャレンジだ。

 今までの経験から、牛肉系や海老系は止めておこう。価格がリーズナブルだけに、いい肉や海老は使っていないはずだ。麺類も専門店より旨いとは思われない。

 回鍋肉のバリエーションの味噌味系、麻婆茄子のバリエーションの麻婆豆腐、ニラ炒めのバリエーションのニラ入り系あたりが無難だが、ここは一発、豚肉系か鶏肉系で攻めてみよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

故郷(ふるさと)

2014年10月10日 20時43分55秒 | 徒然(つれづれ)
 九州の西の辺境、焼物の町、伊万里が私の故郷だ。
 その昔には伊万里焼は、伊万里の港から長崎の出島経由で、ヨーロッパの列強に輸出されていたらしい。らしいというのは、教科書に書かれていたのを読んだだけで、その歴史や製法など全く知らなかったからだ。
 もちろん日常使いの食器は全て伊万里焼だったが、茶碗や皿など、子供心には何の興味も関心もなかった。

 本家の祖父が漁師だったこともあり、生家は波止場まで歩いて2、3分の距離で、夏休みなどは家から海パン一丁で海水浴に行っていたものだ。
 魚は漁船が網で大量に獲るものだと思っていたので、一匹ずつ釣るなんてやった事もなかった。ましてや、毎日のおかずが魚介系だったので、魚は見るのも嫌だった。

 海が近いだけでなく、反対側へ2、3分も歩けば、もうそこは山の麓だった。
 要するに、海と山に挟まれた細長い土地に、私たちの村落はつつましく存在していた。
 山には段々畑があり、いろんな作物が実っていた。子供の頃はガキ大将に連れられて山登りをしたものだ。

 家の近くには楠久炭鉱というそこそこ大きな炭鉱があった。
 毎日石炭船が入出港していて、たまに外国船も入港していた。
 炭鉱の敷地内には炭住とよばれる、炭鉱従事者の住宅が立ち並び、最盛期には小学校のクラスが各学年2、3クラス増えたりしていた。
 炭鉱の閉山と共に、炭住は消え、多くの同級生が転校していった。
 一時的に広大な更地になった場所には、時を経ずしてベニヤ板工場群が建設された。

 そんな田舎でも、テレビや雑誌から都会の情報は入る。
 その情報と周りの現実とのギャップに苛まされながら、大学は絶対に東京か大阪に行くぞという思いを胸に、私は高校三年までを伊万里で過ごした。

 結局、京都で大学生活を送ることになったが、伊万里の田舎者にとっては京都も充分に都会であった。大阪へも小一時間ほどで行けるし、私の都会願望は完全に満たされた。
 大学生の頃は、夏や冬の休みの度に帰省していたが、社会人になってからは、年に一度、二年に一度と間遠になり、田舎を出て40年ほどが経つ最近では、5、6年に一度ほどになってしまった。

 「木綿のハンカチーフ」の彼のように、私は身も心も都会の絵の具に染まってしまったようだ。
 
 故郷は遠きにありて思うものだね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザ・ビートルズ「ゲット・バック」

2014年10月09日 19時25分11秒 | 音楽
 1969年秋、当時中学三年だった私は、翌年の高校受験を控えて、受験勉強に明け暮れていた。
 というのは嘘で、競争率1.0何倍台の田舎の普通高校に、中学のトップクラスの私が落ちるはずもないので、勉強はそっちのけで、ギターの練習に精を出し、洋楽のレコードを聴きまくっていた。
 
 ギターは、当時創刊間もない「ヤングセンス」や「guts」を教則本として、独学でシコシコ弾いていた。
 洋楽のレコードを聴き出したのもその頃で、ちょうどGSブームが終焉近くなり、それを凌駕する勢いの英米ロックやポップスにシフトして行ったのだ。
 曲はラジオから流れるヒットナンバー中心で、お気に入りのアーティストはおらず、曲が気に入ったら音楽雑誌等でアーティストを調べて、その新譜を追いかけるという具合だった。
 
 ビートルズの「ゲット・バック」を初めて聴いたのもラジオ番組でだった。
 ビートルズの名前や、数年前に日本に来たのは知っていたが、曲は、あの「イエスタデイ」さえも知らなかった。
 ベンチャーズのほうが、当時の私にはポピュラリティが高かった。

 そんな私だったが、「ゲット・バック」は、他のアーティストのヒット曲とは明らかに違っているのがわかった。シンプルで軽快なロックンロールナンバーだが、完成されているという表現がぴったりの曲だった。聴いた翌日にはシングル盤を買いに行った。

 後になってわかったことだが、その年でデビュー7年目の円熟期、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で頂点を極め、それを一度スクラップして「アビイ・ロード」で完成の域に達する、その一歩手前の曲だったのだ。
 私の直感というか、選曲眼も大したものだったのだ。

 ビートルズに関しては「ゲット・バック」を聴いて以来、雑誌や書籍で過去へ遡って調べたり、友達の兄貴が持っていた数枚のアルバムを聴いたり、有名な曲の歌詞を訳したりしてのめり込んでいった。
 「アビイ・ロード」は町のレコード屋で売っているにもかかわらず、わざわざ輸入盤を音楽雑誌の通販で購入した。日本盤と違い、シワシワのビニールカバーで、紙質の悪いLPジャケットだったが、ナショナルのテクニクスで聴くサウンドは、グレート・ブリテンの息吹が感じられた(ような気がした)。
 
 「アビイ・ロード」の内容や評価については、星の数ほどの論評が存在するので割愛することにする。
 何回目かに聴いた時に、隠しトラックの「ハー・マジェスティ」を見つけた驚きは今でも覚えている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私的「王将」あるある

2014年10月08日 22時33分34秒 | 徒然(つれづれ)
 18歳の大学入学から還暦の今年まで、40年以上の長きに渡り、ほぼ週1のペースで通っている餃子の王将。
 貧相でジャンクな食生活が垣間見えるが、好きなものは好き、値段や店の格じゃないんだよね。
 
 これだけ長く通っていると、私的「王将」あるあるもあまただ。
 思いつくままに列記してみよう。

  1.餃子だけ、それも1人前で頼むことはない。また3人前以上頼むことはない。
  2.ラーメンは味噌ラーメン以外は食べない。専門店のラーメンが当然旨いから。
  3.ビールを飲む時は餃子も必ずセット。ビールはもちろん大瓶。
  4.料理にライスは付けない。飯が欲しい時は中華丼か天津飯か炒飯。
  5.料理はニラレバ、モヤシ炒め、野菜炒め、カニ玉しか食べない。他は旨い店がある。
  6.期間限定、店舗限定料理は食べない。
  7.持ち帰りはしない。冷めたら不味いから。
  8.餃子のタレ皿は使わず、タレは直接かける。
  9.全ての料理にラー油をかける。
  10.必ずひとりで行く。それも昼飯時。
  11.事前に食べるものを決めて行く。
  12.連チャンでは行かない。
 
 料理は一応ほとんど食べたことはあるが、口に合わないものや、他に旨くてリーズナブルな店があるので、上記5の4品以外は他の店で食べる。

 基本的に、王将イコール餃子と考えているので、ほとんど餃子とビールはマストアイテムで、腹の空き具合により1品追加というパターンだ。
 昔は3、4人前は平気だった餃子も、最近では2人前が限度だ。丼物の飯も半分は残している。
 それでも王将通いをやめる気はない。足腰が衰えるまで、果ては最後の晩餐もきっと王将で食べていることだろう。


 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

酒席の誘い

2014年10月01日 18時05分59秒 | 徒然(つれづれ)
 酒を飲む日は毎週土曜日と決めている。
 ここ数カ月は、ほぼそのペースを守ってきたが、9月19日の同期飲み会が入って以降、急なお誘いが増え、こちらも嫌いなほうではないので、ついつい付き合ってしまう。

 酒の誘いというのは、不思議と短期間に集中するものだ。
 それも報奨金とか競馬で思わぬ配当があった時など、別に口外したわけでもないのに、懐具合が潤っている時ほど多くなる。
 悪銭身につかずということなのか。
 
 しかし、ここ10日間で10万円ほどの散財は痛い。
 このあと週末にも音楽祭の前夜祭と、初孫を囲む小宴が控えている。
 
 先月に定年で高齢者再雇用契約社員の身となり、今月から給料が半減するのに飲んだくれていていいものだろうか。
 とりあえず来週からは、24日の膵臓MRI検査を理由に、酒席の誘いは断ることにしよう。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする