グループサウンズの絶頂期で、エアギターやホウキのギターでは物足りなくなり、親にねだって本物を買ってもらったんだよね。
もちろん、エレキギターやフォークギターじゃなくて、クラシックギターだ。
当然、なんの知識もなかったので、最初は楽器店がサービスでつけてくれた教則本で、童謡や唱歌などを弾いていた。
グループサウンズとはほど遠いな、と思いながら、なんでなのか、その原因がわからなかったんだよね。
それがわかったのは、集英社から出た『ヤングセンス』という、ギターに特化した音楽雑誌に出会った時だ。
その雑誌で、コードというものを初めて知り、ギターが伴奏楽器というのを理解した。
まさに、目からウロコだった。
メジャーとマイナーの3コードを覚えて、それに合わせて歌うと、アラアラ不思議、なんとなく様になっているんだよね。
練習にも熱が入り、ギターの腕前も急速に上がった。
上がったといっても、ド素人から初級までの進歩程度だけどね。
高校に入る頃には、リズムパターンやアルペジオなどをマスターして、一応、コードネーム付きの歌詞を見ながら、弾き語りできるようになった。
ギターもフォークギターに替えて、いっぱしのアマチュア・ミュージシャン気取りになったもんさ。
当時は田舎の高校でギターを弾けるヤツなど、SACHIKOじゃないけど、片手にさえ余ったんだよね。
ちなみに、今でいうアコギ、正確にはアコースティックギターは、当時はフォークギターと言っていた。
いつの頃から、アコースティックギターと言うようになったんだろう。
そのギターも、かれこれ半世紀以上弾いているけど、腕前のほうは、あの高校時代からほとんど進歩していないんだよね。
学力が高校時代がピークだったのに似ているね。
その原因は、もちろん、練習時間の問題もそうだけど、もっと根本的なところで、やり方を間違っていたんだろうな。
それがなんなのかは、今でもわからないけどね。
ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだよね。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もするしね。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
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