昨日の続きです。
それでは、いよいよ内部の見学です。変わった屋根の新館から覗くことにしました。
室内に入って先ず眼に付くのはこの写真です。左側が“堅固さん”で、右側が息子の“堅太郎さん”です。
親子2代、東大教授をしていたのです。息子の堅太郎さんですが、この顔、誰かに似ている気がします。こんな顔の役者を見た覚えがあります。
堅太郎さんはホントに“先生顔”をしています。
玄関から入った直ぐの、この部屋に写真が立てかけてありました。部屋に入った第一印象は、アレ?築後80年ってこんな感じ?
何か新しいのです。床、壁、天井、ドア、どれもが歳月を経た変化を感じさせないのです。
“これで? 80年ねぇ~? ふぅ~ん? だったのです”
床の「寄せ木斜め張り」とか、照明器具とか、ドアとか、それなりに“最近風”のデザインのせいなのか。
それと、各材料の表面状態なのですが、それほどの経年変化を感じさせないのです。特にドアですが、数年前に取り付けた様に見えます。
そんな思いで部屋を眺めていると“何処からともなく”60代後半の男性が現れました。
「今日は!ご案内致しますよ」と、笑顔で話かけてきました。ボランテイアガイドの方です。
「どちらからですか?はじめてですか?」と聞かれ、つくば方面からと答えると、アンケート用紙を渡されました。
住所と、氏名と、見学回数を、嘘偽り無く、正直に記入しました。記入した用紙を手渡すと、変わりにガイドパンフをくれました。
先ずは、第一印象の“古くない感じ”に関連した質問をしました。
「全体に古さを感じないのですが、特にあのドアは、かなり新しい様に見えますが、あれも建築当時のままですか?」
「はい。そうです」
私はドアに近づき、眼で眺め回し、手で撫で回しながら、「これって、材質は“ラワン”ですよねェ」と、ラワンの処を強調して云うと、
「ラワンは当時、高級な素材だったのです。それにこの模様は手で彫ったもので・・・」と云いながら、隣の部屋に置いてあったバックの処に行き、手帳を取りだし戻ってきました。
手帳を身ながら「このドアの彫刻は“○○○彫り”と云うそうです」と、丁寧に教えてくれたのですが、残念ながら“何彫り”だったか忘れてしまいました。
説明を聞きながらドアノブを持ってドアを閉めると、手が柱とドアの間に挟まれてしまうのです。
このドアは、指先だけでドアノブを持ち、閉め終わる際には相当な注意が必要です。
たぶん、襖や障子の“引き戸方式”の建築経験しか無い、そんな大工さんの仕事と思われます。やはりここら辺に築80年を感じました。
玄関を入った直ぐ脇にある“腰掛け”です。あの“バーナード・リーチ”のデザインと云われているそうです。陶芸だけではないのです。
ガイドパンフには“椅子”とありますが、これは明らかに「腰掛け」であって、「椅子」ではないと思います。
椅子は、全体重を預け“ゆったり”と“くつろぐ”ものです。この背もたれに体重を預けると、そのまま後方に転倒しそうです。
造りも華奢で、安定感に欠け、かなり座り難い感じがします。これは、ほんの一時“腰だけを休める”為だけの、“腰掛”けだと思うのです。
ふつうの民衆の、ふつう生活の中で使われる、ふつうの職人の造った、ふつうの道具類に、それなりの価値を見いだしていった白樺派としては、何か変な気がするのです。
デザイン優先で実用無視。これでは、単に芸術品を造る目的で、椅子の様に見えるオブジェを造ったと、見える、思える、そんな気がする・・・・・・、のです。
やっと、白樺派が登場しました。建物の見学は、これから沢山見る処があります。
それでは、また明日。
それでは、いよいよ内部の見学です。変わった屋根の新館から覗くことにしました。
室内に入って先ず眼に付くのはこの写真です。左側が“堅固さん”で、右側が息子の“堅太郎さん”です。
親子2代、東大教授をしていたのです。息子の堅太郎さんですが、この顔、誰かに似ている気がします。こんな顔の役者を見た覚えがあります。
堅太郎さんはホントに“先生顔”をしています。
玄関から入った直ぐの、この部屋に写真が立てかけてありました。部屋に入った第一印象は、アレ?築後80年ってこんな感じ?
何か新しいのです。床、壁、天井、ドア、どれもが歳月を経た変化を感じさせないのです。
“これで? 80年ねぇ~? ふぅ~ん? だったのです”
床の「寄せ木斜め張り」とか、照明器具とか、ドアとか、それなりに“最近風”のデザインのせいなのか。
それと、各材料の表面状態なのですが、それほどの経年変化を感じさせないのです。特にドアですが、数年前に取り付けた様に見えます。
そんな思いで部屋を眺めていると“何処からともなく”60代後半の男性が現れました。
「今日は!ご案内致しますよ」と、笑顔で話かけてきました。ボランテイアガイドの方です。
「どちらからですか?はじめてですか?」と聞かれ、つくば方面からと答えると、アンケート用紙を渡されました。
住所と、氏名と、見学回数を、嘘偽り無く、正直に記入しました。記入した用紙を手渡すと、変わりにガイドパンフをくれました。
先ずは、第一印象の“古くない感じ”に関連した質問をしました。
「全体に古さを感じないのですが、特にあのドアは、かなり新しい様に見えますが、あれも建築当時のままですか?」
「はい。そうです」
私はドアに近づき、眼で眺め回し、手で撫で回しながら、「これって、材質は“ラワン”ですよねェ」と、ラワンの処を強調して云うと、
「ラワンは当時、高級な素材だったのです。それにこの模様は手で彫ったもので・・・」と云いながら、隣の部屋に置いてあったバックの処に行き、手帳を取りだし戻ってきました。
手帳を身ながら「このドアの彫刻は“○○○彫り”と云うそうです」と、丁寧に教えてくれたのですが、残念ながら“何彫り”だったか忘れてしまいました。
説明を聞きながらドアノブを持ってドアを閉めると、手が柱とドアの間に挟まれてしまうのです。
このドアは、指先だけでドアノブを持ち、閉め終わる際には相当な注意が必要です。
たぶん、襖や障子の“引き戸方式”の建築経験しか無い、そんな大工さんの仕事と思われます。やはりここら辺に築80年を感じました。
玄関を入った直ぐ脇にある“腰掛け”です。あの“バーナード・リーチ”のデザインと云われているそうです。陶芸だけではないのです。
ガイドパンフには“椅子”とありますが、これは明らかに「腰掛け」であって、「椅子」ではないと思います。
椅子は、全体重を預け“ゆったり”と“くつろぐ”ものです。この背もたれに体重を預けると、そのまま後方に転倒しそうです。
造りも華奢で、安定感に欠け、かなり座り難い感じがします。これは、ほんの一時“腰だけを休める”為だけの、“腰掛”けだと思うのです。
ふつうの民衆の、ふつう生活の中で使われる、ふつうの職人の造った、ふつうの道具類に、それなりの価値を見いだしていった白樺派としては、何か変な気がするのです。
デザイン優先で実用無視。これでは、単に芸術品を造る目的で、椅子の様に見えるオブジェを造ったと、見える、思える、そんな気がする・・・・・・、のです。
やっと、白樺派が登場しました。建物の見学は、これから沢山見る処があります。
それでは、また明日。