歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

世界文化遺産“黄山宏村”で油売りのオジサンは今日も納得のいかない表情で常連客の女性を見送ります

2009年06月26日 | 世界の風景

昨日の続きです。

竹細工屋さんの工場を後に路地を進みます。

この辺りの壁はケッコウ白いです。

それで、この、路面から壁の立ち上がりの隅、雑草と苔、アジアです、中国です。路地には湿った苔の匂いが漂っています。


この真っ赤に塗られた消火栓は路地で良く見かけます。世界文化遺産ですから、防火対策が重要なのです。


はげ落ち、朽ち果てつつあるこれらの文字は、落書きではなさそうです。


掲示板ですか? いゃ、何かのお店のようですから、看板ですか? 商品の説明とか、宣伝広告とか、そんなことが書かれているのでしょうか。


油屋さんのようです。


店の中は、とても、とても、暗~いのです。


何か、明治、大正の匂いがします。建物自体は、もっと、もっと古く、数百年の時を経ているのでしょう。


分銅を使った秤です。外観と云い、内装と云い、秤と云い、こういう店で、商売をして、暮らしを立てているのです。


このご婦人、眉を八の字にして、かなりの早口でまくし立てています。油を買いに来たのです。500㍉リットルのペットボトル1本で充分に入る量の油を、2本に分けて入れるように要求しています。


油屋のおじさん、ご婦人の要求に従い2本に分けて入れます。現金取引ではなく、掛け売りで、それも、原料の菜種で支払っているようです。

菜種1.5㎏で油は500㌘の交換比率だそうです。どの程度の儲けになるのでしょうか、店の様子からは、まぁ、食べていくのが・・・・・・。


未だに、貨幣経済の枠の外での暮らしが残っています。これぞ、まさに、世界文化遺産の暮らしです。ご婦人が最後にキャップをしっかりとしめます。


常連さんのようですが、人の良さそうなご主人は、いつも、いつも、押されっぱなしのようで、“何か? どうも? いつも、納得? いかないんだョなァ~”と言った表情で、ご婦人を見送っています。


黄山宏村は、街並みも、暮らしも、村人も、ぜ~んぶ含めて、世界文化遺産のようです。

黄山宏村、まだ、まだ、ウロキョロと彷徨います。


それでは、また明日。


コメント
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