歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

黄山宏村で中国2~3年の細工を見る

2009年06月29日 | 世界の風景
先週の続きです。

狭い路地に、間口半間ほどの小店、観光客相手のおみやげ屋さんです。竹細工のようです。


店内では、男性が盛んにノミと金槌で、竹に細工を施しています。加工場も兼ねているようです。

男性の作業服を見て、直ぐに頭に浮かんだのは、“人民解放軍”の制服です。たぶん、こんな色をしていました。下に着ている赤いシャツの襟が、階級章に見えたのです。


どうも、私の中国に抱くイメージは、人民服に、人民解放軍なのです、20~30年前でとまっているのです。

今や、改革開放で、中国共産党の指導者もスーツにネクタイの時代になったのです。軍人の制服は今でもこんな色だと思います。

朝鮮民主主義人民共和国の将軍様も、いつかは、きっと、スーツにネクタイの時代がくるのでしょう。

話を戻します、おみやげ屋のおじさんです。

経営者兼、加工職人兼、販売員の男性が、竹製の“急須”と云うよりも、“土瓶”に近い急須を手に、熱心に効能を説明します。

茶葉を茶筒に入れると、茶葉が散らばらず便利と強調しています。普通のことだと思うのですが、あたかも、このおじさんが、世界ではじめて、考案したような話しぶりで、とても、可笑しいと云うか、のどかです。


竹製の急須で入れたお茶は、身体の火照りをとり、そして、一番の効能は茶葉が腐らない事だそうです。

中国の、この地方の、黄山市の、この宏村では、一度急須に入れた茶葉が腐るほど、何日も、何日も、長期間に渡り入れっぱなしで、お茶を飲むのでしょうか?

確かに、竹には殺菌作用があると思いますが、いくら中国でも、茶葉が急須の中で腐るほど入れて置くことは無いと思うのですが、もしかして、そんなこと・・・・・・あったりして?


まぁ、それにしても、中国4千年の緻密な伝統工芸と云うよりも、中国2~3年のお土産品と云った、かなり、大雑把な観光客相手の竹細工です。


購買意欲は、まったく刺激を受けず外に出ます。路地の向かいもおみやげ屋さん。陽当たりの悪い、狭い路地、昔は白かっただろうと思われる壁は、石畳に近い処が青く苔むし、それなりの趣。


こちらは親子?のようで、お婆ちゃんが、背中に髪の毛でも入ったのか、娘に見て貰っているのです。

我が母も、時折、こんな格好をして、“痒いんだけど、何か入ってないかい?”何て事があるのです。どこでも同じなのです。


娘の手には、竹の皮が、盛んに細く引き裂いています。藁を束ねる紐として、加工の真っ最中なのです。


竹の皮を裂いた紐を使って、藁を束ねる? 藁とは、稲藁の事だと思うのですが、稲刈り後に稲を束ねるのに使用する?

我が日本の米栽培農家では、その昔、コンバインを導入する以前、稲を手で刈ったあと、稲藁は稲藁で束ねていたのですが、ここでは、収穫した稲は竹皮の紐で束ねるのでしょうか?

いろいろあるのです。世界は広いのです。

それにしても、狭い路地で、竹の皮を裂きつつ、痒そうにしている、母親の背中を覗き込む風景、とても、いいです。これも、世界文化遺産です。


まだ、まだ、宏村の路地を歩きます。


それでは、また明日。


コメント
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