The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
2020年年始ご挨拶
Ghosn had gone!
これは前年暮れの最大の話題!日産自動車の元トップ・カルロス・ゴーン氏が保釈中にもかかわらず、海外へ不法出国し、“私はレバノンに居る。”との声明を発した。“除夜の鐘が鳴る前にゴーンは去った”などの迷言が流布。
その後ゴーン氏は先週、レバノンで国際記者会見を開催した。しかし、新たな事実の明証はなく、単に従前に知られていたことの表明でしかなかった。ゴーン氏の今後の動向に注目されるが、レバノンでの居心地も不安定で、住居も日産のモノだという。放置すればジリ貧で追い詰められる様相でもある。これでは何だか行き当たりばったり、名だたる切れ者の鋭いクレバーさを感じない。
しかし一方、日本側の保釈人に関する管理体制のいい加減さが目立つ。防犯カメラを設置しても、常時監視チェックしていなければ全く無意味。外出したことが分かっていても、長時間戻って来なければ行方を捜査するのが当然だが、そうした体制にはなかったようだ。この件に関する報道は全くない。
こうした人物の保釈金が低すぎるとも言われるが後の祭り。不法に逃亡されないようにどうするかの検討が不十分だったのだ。
又、プライベート・ジェット機の出入国管理もいい加減なことがバレてしまった。プライベート・ジェット機を使えば、密輸や密出入国が容易であることも判明。このところ覚醒剤騒ぎが頻発しているが、過去に大量の密輸が無かったと言えるのか。北朝鮮の日本人拉致が明らかになった後も、これでは日本人拉致も容易であったことが分かる。要は、ここでも日本の金持ちと一般人に対する日本政府の扱いが違う体制であることが分かったのだ。金と権力さえあれば何でもできる国なのだ。そんな抜け穴がワザとあちこちに開けられ放置されているのではあるまいか。世界のルールが激しく動いているにもかかわらず、日本の仕組・制度がISO9001で言うところの完整性integrityを厳しく検証されないまま現実に引きずられて運営されているのだ。
そうは言え具体的にどのように出国したのか、日本当局は詳しく知りたいところだが、ゴーン氏は明らかにしようとはしない。恐らく手引きした元グリンベレーが今後の事もあるので口止めしているのだろう。
そして、逃亡したゴーン氏をレバノン政府に引き渡すよう要請しても、犯罪人引き渡し条約を締結しておらず、法的には強制力がない。この条約について、米国は約70カ国、英国は約120カ国、フランスは約100カ国、韓国は25カ国と締結しているが、日本は米国と韓国のみのたった2カ国だという。それは諸外国側が日本では被告人の人権が確保されないことや死刑が存在することに疑問を持っていることが大きな理由とされている。正に、ゴーン氏逃亡の正当性を証明するような事実なのだ。これでは日本は先進国とは言えず、韓国より遅れた法務制度の未開国なのだ。いくら立派な憲法を持っていても、実際は法務未開国であり、“金があれば何でもできる国”というのが実態になっているのだ。その結果、“逃げ得、逃げられ恥”の情けない日本の実態を世界に曝したのだ。
そういう分析が、日本の報道では一切報じられないが、一体どういうことだろうか。しかも、どうも日本の法務・司法当局者にも、世界からの批判への“自覚”が全くないようだ。これではいつまでたっても日本の法務制度は世界標準から取り残され、世界の田舎のまま。こんな国がSDGsを叫んでも滑稽なだけ!
検察当局は政権の腐敗は黙視して、何もしないわけには行かず存在感を示すために一私企業の内紛に首を突っ込んだは良いが、保釈人の管理不十分の間抜けさを露呈し、未開法務国家の恥を国際的に曝した結果となった。この国辱的事態をどう収拾するのか。場合によっては、法務司法当局の大幅な人事刷新を含む国家的大改革が必要だが、当事者には反省の弁は聞かれず、返って何を言っても負け犬の威嚇のような図が見える。国民の側からもそんな声も上がらないほど病膏肓に至っているのではなかろうか。
このところのイランの関係する国際的緊張で、あたかも日本がイランと米国の仲介が可能な唯一の国であるかのような喧伝がなされていたが、直近の危機的状況では米国とイランの密かな軍事情報交換にはスイスが仲介したということだ。お蔭でイランのミサイル攻撃で米軍側に死者はでなかった。一時、第3次世界大戦勃発かと世界が固唾をのんだが、そういう肝心な場面での日本の出る幕は全くなかったというのが事実だ。米国とイランの双方からも肝心な場面での日本への信頼は無かったことになる。これが“安倍外交”の実態なのだ。今更、中東3カ国に御夫婦で御訪問だが一体何しに行ったのか。何だかノー天気さが漂う。
IR(統合型リゾート)に御熱心だった政治家、ついに1匹が逮捕拘束後、疑惑の政治家が続々。1匹目と同様、皆、口をそろえて潔白を主張。犯人が自分ですとは言わない道理。そこはかとなく胡散臭さが漂うが、IRは推進すると政権は表明している。
汚職の蔓延、一体どういうことか。明治維新前後、日本では袖の下は一切通用しなかった、という。他のアジア諸国とは全く違う日本の武士・官僚に、欧米人は驚嘆したという。歴史の進展とともに、日本はアジア的に退歩したのか。ここでも先進国とは言えない状態に陥っている。やっぱり“金があれば何でもできる国”が実態なのかもしれない。
“菅義偉官房長官が記者会見で「桜を見る会」の2013~17年度の5年分の招待者名簿について、公文書管理法が義務づける行政文書の管理簿への記載を行っていなかったことを明らかにした。名簿は廃棄簿への記載がなかったことも判明しており、ルールを逸脱した管理の実態が明らかになった。”
組織活動には文書・記録の作成・管理は非常に重要な要素だ。だからこそISO活動でも重要な要求事項になっている。組織活動を記録にとどめ客観的に活動結果を評価し、その後の継続的改善を論理的に推進するために必要なことなのだ。ところが多くの組織、特に中小零細企業はこれを手間がかかって無駄だと言い、ISOを不当に非難する。従業員の“面倒臭い”という声を取上げる経営者も多い。そういう経営者に限ってリテラシーに欠け、論理思考も不十分な場合が多い。激しい競争に打ち勝つ意欲に乏しいのか、不思議なことだ。
我が“先進国?”日本の政府もそうした意欲に欠ける中小零細企業と同じレベルになったのだろうか。“面倒臭い”は“死に至る病”であるとの自覚が無いのかも知れない。否、一時の政権維持のために都合の悪い情報の抹殺意図を機会に、そうなったのであれば、それは歴史的事件なのだ。
さて遅くなったが、明けましておめでとうございます。
ところで、“2020年世界10大リスク”を米政治学者イアン・ブレマー氏が率いるユーラシア・グループが6日に発表しその内容は次の通りだという。(各項目の説明部分は筆者が短く編集改変している。)
(1)アメリカを統治するのは誰だ?
(2)米中のテクノロジー・デカップリング
米国とデカップリング(切り離)された世界で中国は国際的なテクノロジー、貿易、金融システムを再構築する努力を拡大しなければならない。(そこで関係諸国との軋轢が生じる。)
(3)米中関係
企業やその他の国の政府は米中両国の争いに巻き込まれないようにするのは難しい。
(4)多国籍企業は地政学的な溝を埋められない
民間セクターが、気候変動、貧困救済、さらには貿易、投資の自由化の分野を主導するという見方には疑問がある。企業は著しく対立的な規制や地政学的環境に直面することになる。
(5)モディ化されたインド
インドのナレンドラ・モディ首相は論争の的となっている社会政策を促進していて、2020年にその影響が現れる。強化された共同体と宗派間の不安定、外交政策、経済の後退等。
(6)欧州の地政学
アメリカや中国と不一致が生じた場合の対応に、独自路線を出す変化が出るか(ブレグジッドの影響はどうか*)。
(7)気候変動における政治と経済
パリ協定に多くの国が署名したが今までのところ、各国はその目標を達成するための政策を実行するのに失敗している。その失敗は企業の意思決定を困難にさせ、ビジネスの停滞、政治の不安定化をもたらす。
(8)イスラム教シーア派の三日月地帯
米国のイランとの致命的な紛争を含む地域の不安定、イランの影響下にあり破綻しているイラク、ロシアとイランに融合するシリアなど深刻なリスクを生み出す。
(9)南米の不満
成長の鈍化、腐敗、質の低い公共サービスに関する国民の怒りは南米全体で政治的不安定のリスクを高める。 経済政策の矛盾で、財政収支は崩壊する。
(10)トルコ
今年、エルドアン大統領の弱さは彼を暴走させるだろう。それはすでに苦しみ始めているトルコ経済をさらに損なう。
これは“「米国人の見た」世界10大リスク”だ。だから何より、北朝鮮リスクが入っていない。金正恩が今何を考えているのか、全く分からない。イランのソレイマニ司令官の米国による暗殺を見て、米軍の“斬首作戦”を思い出して恐れをなしているという説が専らだが、本当だろうか。同司令官は米軍も駐留するイラク・バクダッドで襲撃されたのであり、北朝鮮領域内に居るのと軍事的条件は全く異なることから、それは考え難い。だから、もし強気でミサイル実験を再開するようならば、日本にとってこちらのリスクは極めて大きいが、日本のマスコミは何故かこれを報じない。
日本ではオリンピックが夏に開催されるが、これに関連してテロ、自然災害(台風の来襲)等のリスクが考えられる。こうしたリスクにどのように柔軟に対応できるのか。ゴーン氏逃亡への政府の対応を見ていると、不安がよぎるが、どうだろうか。
特に、マーケットの動向は五里霧中。日本は消費税増税後の不景気は深刻と推定されているようであり、オリンピック後の落ち込みも予想されている。金融証券関係者の予測解説も十人十色。現状の布陣をどのように柔軟に手仕舞えるかが鍵だろう。欲を出せば手酷いことになるのだろう。このような時は、米国債券が最良なのかも知れない。五輪の終わる秋口までこの状態は変わらないのではないか
このお正月、私的にはほとんど外へ出ることもなく自宅に引き籠った状態だった。初詣も未だ行っていない程。専ら、何もせず見た映画は次の通り。東京から帰郷した娘がアマゾン・プライム会員なので便乗して見せてもらい、お蔭で予想以上の多数の映画が見れた。
①スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)・2015年・米[続三部作の第一作]
②アイリッシュマン・2019年・米[ネットフリックス映画・監督:マーティン・スコセッシ,主演:ロバート・デ・ニーロ,アル・パチーノ]
③ヘンリー5世1989年・英[シェイクスピアの『ヘンリー五世』監督・主演:ケネス・ブラナー]
④ヒート1995年・米[マイケル・マン監督。アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ主演]
⑤ユージュアル・サスペクツ・1995年米[謎多き事件・監督/製作:ブライアン・シンガー 脚本:クリストファー・マッカリー]
⑥スナッチ・2000年・英米合作[犯罪コメディ映画]
⑦ファウンダー/ハンバーガー帝国のヒミツ・2016年・米[レイ・クロックの伝記映画]
①ハン・ソロが息子に殺されようやく御役御免。ジェダイでもないレイがライトセバーを扱えるのには引っかかるものがある。
②ストーリーは面白いが老けたロバート・デ・ニーロでは気の毒な印象。④の頃のデ・ニーロが良い。
③英仏百年戦争の後期の頃が時代背景。現代の国家観がなかった時代の由。この戦勝後ヘンリー5世は急死。その後仏にはジャンヌダルクが登場する。
⑤ストーリーとしては始めと終わりが面白く、中だるみを感じるのが残念。途中で意識がなくなった。
⑥とにかく気分が悪くなるほどのハチャメチャ。登場人物が多いのでこんがらがる。
⑦御存知マクドナルドの創業時の話。創業兄弟のビジネスモデルを土地所有を鍵にしてチャッカリ乗っ取る話。マクドナルドの黄金のダブルアーチはシングルのまま話は終わった。
そうした映画鑑賞の合間をぬって、年末から続けて読んだ本は次の通り。
①仁木 英之(著) “我ニ救国ノ策アリ” (幻冬舎時代小説文庫)
②國分 功一郎(著) “スピノザ『エチカ』” (NHKテキスト100分 de 名著)
③奈良本 辰也,左方 郁子(著) “佐久間象山”(Century Books―人と思想)
これら本の内容・論評は別の機会にいずれ紹介するつもりだ。
個人的には今年は、仕事の様相が前年とは大きく変わる。特に4月以降は問題だ。これまでもそうだったのだが、何としても顧客を増やす確実な方策を見出さなければならない。だが、組織要員の平均年齢が高いので意欲的に取り込める態勢に入れるかが問題のような気がする。
年始早々のあれやこれやはこんなところ、今年も何かとよろしくお願いします。

これは前年暮れの最大の話題!日産自動車の元トップ・カルロス・ゴーン氏が保釈中にもかかわらず、海外へ不法出国し、“私はレバノンに居る。”との声明を発した。“除夜の鐘が鳴る前にゴーンは去った”などの迷言が流布。
その後ゴーン氏は先週、レバノンで国際記者会見を開催した。しかし、新たな事実の明証はなく、単に従前に知られていたことの表明でしかなかった。ゴーン氏の今後の動向に注目されるが、レバノンでの居心地も不安定で、住居も日産のモノだという。放置すればジリ貧で追い詰められる様相でもある。これでは何だか行き当たりばったり、名だたる切れ者の鋭いクレバーさを感じない。
しかし一方、日本側の保釈人に関する管理体制のいい加減さが目立つ。防犯カメラを設置しても、常時監視チェックしていなければ全く無意味。外出したことが分かっていても、長時間戻って来なければ行方を捜査するのが当然だが、そうした体制にはなかったようだ。この件に関する報道は全くない。
こうした人物の保釈金が低すぎるとも言われるが後の祭り。不法に逃亡されないようにどうするかの検討が不十分だったのだ。
又、プライベート・ジェット機の出入国管理もいい加減なことがバレてしまった。プライベート・ジェット機を使えば、密輸や密出入国が容易であることも判明。このところ覚醒剤騒ぎが頻発しているが、過去に大量の密輸が無かったと言えるのか。北朝鮮の日本人拉致が明らかになった後も、これでは日本人拉致も容易であったことが分かる。要は、ここでも日本の金持ちと一般人に対する日本政府の扱いが違う体制であることが分かったのだ。金と権力さえあれば何でもできる国なのだ。そんな抜け穴がワザとあちこちに開けられ放置されているのではあるまいか。世界のルールが激しく動いているにもかかわらず、日本の仕組・制度がISO9001で言うところの完整性integrityを厳しく検証されないまま現実に引きずられて運営されているのだ。
そうは言え具体的にどのように出国したのか、日本当局は詳しく知りたいところだが、ゴーン氏は明らかにしようとはしない。恐らく手引きした元グリンベレーが今後の事もあるので口止めしているのだろう。
そして、逃亡したゴーン氏をレバノン政府に引き渡すよう要請しても、犯罪人引き渡し条約を締結しておらず、法的には強制力がない。この条約について、米国は約70カ国、英国は約120カ国、フランスは約100カ国、韓国は25カ国と締結しているが、日本は米国と韓国のみのたった2カ国だという。それは諸外国側が日本では被告人の人権が確保されないことや死刑が存在することに疑問を持っていることが大きな理由とされている。正に、ゴーン氏逃亡の正当性を証明するような事実なのだ。これでは日本は先進国とは言えず、韓国より遅れた法務制度の未開国なのだ。いくら立派な憲法を持っていても、実際は法務未開国であり、“金があれば何でもできる国”というのが実態になっているのだ。その結果、“逃げ得、逃げられ恥”の情けない日本の実態を世界に曝したのだ。
そういう分析が、日本の報道では一切報じられないが、一体どういうことだろうか。しかも、どうも日本の法務・司法当局者にも、世界からの批判への“自覚”が全くないようだ。これではいつまでたっても日本の法務制度は世界標準から取り残され、世界の田舎のまま。こんな国がSDGsを叫んでも滑稽なだけ!
検察当局は政権の腐敗は黙視して、何もしないわけには行かず存在感を示すために一私企業の内紛に首を突っ込んだは良いが、保釈人の管理不十分の間抜けさを露呈し、未開法務国家の恥を国際的に曝した結果となった。この国辱的事態をどう収拾するのか。場合によっては、法務司法当局の大幅な人事刷新を含む国家的大改革が必要だが、当事者には反省の弁は聞かれず、返って何を言っても負け犬の威嚇のような図が見える。国民の側からもそんな声も上がらないほど病膏肓に至っているのではなかろうか。
このところのイランの関係する国際的緊張で、あたかも日本がイランと米国の仲介が可能な唯一の国であるかのような喧伝がなされていたが、直近の危機的状況では米国とイランの密かな軍事情報交換にはスイスが仲介したということだ。お蔭でイランのミサイル攻撃で米軍側に死者はでなかった。一時、第3次世界大戦勃発かと世界が固唾をのんだが、そういう肝心な場面での日本の出る幕は全くなかったというのが事実だ。米国とイランの双方からも肝心な場面での日本への信頼は無かったことになる。これが“安倍外交”の実態なのだ。今更、中東3カ国に御夫婦で御訪問だが一体何しに行ったのか。何だかノー天気さが漂う。
IR(統合型リゾート)に御熱心だった政治家、ついに1匹が逮捕拘束後、疑惑の政治家が続々。1匹目と同様、皆、口をそろえて潔白を主張。犯人が自分ですとは言わない道理。そこはかとなく胡散臭さが漂うが、IRは推進すると政権は表明している。
汚職の蔓延、一体どういうことか。明治維新前後、日本では袖の下は一切通用しなかった、という。他のアジア諸国とは全く違う日本の武士・官僚に、欧米人は驚嘆したという。歴史の進展とともに、日本はアジア的に退歩したのか。ここでも先進国とは言えない状態に陥っている。やっぱり“金があれば何でもできる国”が実態なのかもしれない。
“菅義偉官房長官が記者会見で「桜を見る会」の2013~17年度の5年分の招待者名簿について、公文書管理法が義務づける行政文書の管理簿への記載を行っていなかったことを明らかにした。名簿は廃棄簿への記載がなかったことも判明しており、ルールを逸脱した管理の実態が明らかになった。”
組織活動には文書・記録の作成・管理は非常に重要な要素だ。だからこそISO活動でも重要な要求事項になっている。組織活動を記録にとどめ客観的に活動結果を評価し、その後の継続的改善を論理的に推進するために必要なことなのだ。ところが多くの組織、特に中小零細企業はこれを手間がかかって無駄だと言い、ISOを不当に非難する。従業員の“面倒臭い”という声を取上げる経営者も多い。そういう経営者に限ってリテラシーに欠け、論理思考も不十分な場合が多い。激しい競争に打ち勝つ意欲に乏しいのか、不思議なことだ。
我が“先進国?”日本の政府もそうした意欲に欠ける中小零細企業と同じレベルになったのだろうか。“面倒臭い”は“死に至る病”であるとの自覚が無いのかも知れない。否、一時の政権維持のために都合の悪い情報の抹殺意図を機会に、そうなったのであれば、それは歴史的事件なのだ。
さて遅くなったが、明けましておめでとうございます。
ところで、“2020年世界10大リスク”を米政治学者イアン・ブレマー氏が率いるユーラシア・グループが6日に発表しその内容は次の通りだという。(各項目の説明部分は筆者が短く編集改変している。)
(1)アメリカを統治するのは誰だ?
(2)米中のテクノロジー・デカップリング
米国とデカップリング(切り離)された世界で中国は国際的なテクノロジー、貿易、金融システムを再構築する努力を拡大しなければならない。(そこで関係諸国との軋轢が生じる。)
(3)米中関係
企業やその他の国の政府は米中両国の争いに巻き込まれないようにするのは難しい。
(4)多国籍企業は地政学的な溝を埋められない
民間セクターが、気候変動、貧困救済、さらには貿易、投資の自由化の分野を主導するという見方には疑問がある。企業は著しく対立的な規制や地政学的環境に直面することになる。
(5)モディ化されたインド
インドのナレンドラ・モディ首相は論争の的となっている社会政策を促進していて、2020年にその影響が現れる。強化された共同体と宗派間の不安定、外交政策、経済の後退等。
(6)欧州の地政学
アメリカや中国と不一致が生じた場合の対応に、独自路線を出す変化が出るか(ブレグジッドの影響はどうか*)。
(7)気候変動における政治と経済
パリ協定に多くの国が署名したが今までのところ、各国はその目標を達成するための政策を実行するのに失敗している。その失敗は企業の意思決定を困難にさせ、ビジネスの停滞、政治の不安定化をもたらす。
(8)イスラム教シーア派の三日月地帯
米国のイランとの致命的な紛争を含む地域の不安定、イランの影響下にあり破綻しているイラク、ロシアとイランに融合するシリアなど深刻なリスクを生み出す。
(9)南米の不満
成長の鈍化、腐敗、質の低い公共サービスに関する国民の怒りは南米全体で政治的不安定のリスクを高める。 経済政策の矛盾で、財政収支は崩壊する。
(10)トルコ
今年、エルドアン大統領の弱さは彼を暴走させるだろう。それはすでに苦しみ始めているトルコ経済をさらに損なう。
これは“「米国人の見た」世界10大リスク”だ。だから何より、北朝鮮リスクが入っていない。金正恩が今何を考えているのか、全く分からない。イランのソレイマニ司令官の米国による暗殺を見て、米軍の“斬首作戦”を思い出して恐れをなしているという説が専らだが、本当だろうか。同司令官は米軍も駐留するイラク・バクダッドで襲撃されたのであり、北朝鮮領域内に居るのと軍事的条件は全く異なることから、それは考え難い。だから、もし強気でミサイル実験を再開するようならば、日本にとってこちらのリスクは極めて大きいが、日本のマスコミは何故かこれを報じない。
日本ではオリンピックが夏に開催されるが、これに関連してテロ、自然災害(台風の来襲)等のリスクが考えられる。こうしたリスクにどのように柔軟に対応できるのか。ゴーン氏逃亡への政府の対応を見ていると、不安がよぎるが、どうだろうか。
特に、マーケットの動向は五里霧中。日本は消費税増税後の不景気は深刻と推定されているようであり、オリンピック後の落ち込みも予想されている。金融証券関係者の予測解説も十人十色。現状の布陣をどのように柔軟に手仕舞えるかが鍵だろう。欲を出せば手酷いことになるのだろう。このような時は、米国債券が最良なのかも知れない。五輪の終わる秋口までこの状態は変わらないのではないか
このお正月、私的にはほとんど外へ出ることもなく自宅に引き籠った状態だった。初詣も未だ行っていない程。専ら、何もせず見た映画は次の通り。東京から帰郷した娘がアマゾン・プライム会員なので便乗して見せてもらい、お蔭で予想以上の多数の映画が見れた。
①スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)・2015年・米[続三部作の第一作]
②アイリッシュマン・2019年・米[ネットフリックス映画・監督:マーティン・スコセッシ,主演:ロバート・デ・ニーロ,アル・パチーノ]
③ヘンリー5世1989年・英[シェイクスピアの『ヘンリー五世』監督・主演:ケネス・ブラナー]
④ヒート1995年・米[マイケル・マン監督。アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ主演]
⑤ユージュアル・サスペクツ・1995年米[謎多き事件・監督/製作:ブライアン・シンガー 脚本:クリストファー・マッカリー]
⑥スナッチ・2000年・英米合作[犯罪コメディ映画]
⑦ファウンダー/ハンバーガー帝国のヒミツ・2016年・米[レイ・クロックの伝記映画]
①ハン・ソロが息子に殺されようやく御役御免。ジェダイでもないレイがライトセバーを扱えるのには引っかかるものがある。
②ストーリーは面白いが老けたロバート・デ・ニーロでは気の毒な印象。④の頃のデ・ニーロが良い。
③英仏百年戦争の後期の頃が時代背景。現代の国家観がなかった時代の由。この戦勝後ヘンリー5世は急死。その後仏にはジャンヌダルクが登場する。
⑤ストーリーとしては始めと終わりが面白く、中だるみを感じるのが残念。途中で意識がなくなった。
⑥とにかく気分が悪くなるほどのハチャメチャ。登場人物が多いのでこんがらがる。
⑦御存知マクドナルドの創業時の話。創業兄弟のビジネスモデルを土地所有を鍵にしてチャッカリ乗っ取る話。マクドナルドの黄金のダブルアーチはシングルのまま話は終わった。
そうした映画鑑賞の合間をぬって、年末から続けて読んだ本は次の通り。
①仁木 英之(著) “我ニ救国ノ策アリ” (幻冬舎時代小説文庫)
②國分 功一郎(著) “スピノザ『エチカ』” (NHKテキスト100分 de 名著)
③奈良本 辰也,左方 郁子(著) “佐久間象山”(Century Books―人と思想)
これら本の内容・論評は別の機会にいずれ紹介するつもりだ。
個人的には今年は、仕事の様相が前年とは大きく変わる。特に4月以降は問題だ。これまでもそうだったのだが、何としても顧客を増やす確実な方策を見出さなければならない。だが、組織要員の平均年齢が高いので意欲的に取り込める態勢に入れるかが問題のような気がする。
年始早々のあれやこれやはこんなところ、今年も何かとよろしくお願いします。

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