The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
板野博行・著 “眠れないほどおもしろい吾妻鏡”を読んで
今回は今年のNHK大河ドラマ“鎌倉殿の13人”の内容を先取りするべく書かれたネタバレ本を紹介する。それは板野博行・著“眠れないほどおもしろい吾妻鏡”だ。表紙がまるで、大河ドラマの頼朝役の大泉洋を彷彿とさせるイラストで、おもわずクスッとなる、いかにも滑稽本の印象だった。
NHK大河ドラマやこの本は『吾妻鏡』がベースになっているのだが、『吾妻鏡』は北条氏にとって都合よく書かれているところが多々あり、慈円の『愚管抄』の記述を参照して是正することにしたとある。この本の後半の第5章に“「鎌倉殿」を支えた十三人”というところがあって、大河ドラマはここから来ていると思われる。
内容に言及すると命を懸けた権力闘争が凄い。源氏血統の将軍は闇討ちや暗殺となり、“鎌倉殿の13人”の内、3人は明らかに因縁を付けられて、酷い場合は騒乱となり、殺されている。登場者たちが皆、実力者集団であることから、血で血を洗う闘争となっていて、確かにこれでは大河ドラマに仕立てるのは困難と思われる内容だ。これはヤクザ映画の筋立てそのものを想起させるものだ。だからこそ、脚本を三谷幸喜とし、頼朝を大泉洋に配役して、脇に西田敏行を置いて、若干コミカルに味付けしようとしていると了解した。 . . . 本文を読む
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宮城谷昌光・著 “華栄の丘”を読んで
このところネット映画で“孫子の兵法”を見て、久しぶりに中国古代へイメージを飛ばすべく、息抜きも兼ねて宮城谷昌光氏の中国古代の小説 “華栄の丘”を読んだので、紹介したい。春秋戦国時代 の宋の宰相・華元を描いた小説である。
華元は古代中国社会での宋という日本のような弱小国にあって、晋と楚という大国間の和平を実現させた。古代社会での政治活動は、失敗すれば直ちに命を失う酷薄な中で行われる。この動じない政治家・華元の業績は大いに賞賛すべきものであろう。日本の政治家にこのような胆力と見通す力のある人物がいるとは思えないのは、何故なのか。
とにかく“歴史に学ぶ”と言っても、その“学び方”が重要なのではないか。 . . . 本文を読む
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笠原 嘉・著“退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服”を読んで
今週は笠原 嘉・著“退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服” (講談社現代新書)の紹介をしたい。2月末に鑪 幹八郎・著“アイデンティティの心理学”を紹介したが、そこでこの本が紹介されていたのだ。その際、“身近の若者が妙に気になっている”と書いたが、その若者が、“退却神経症”に該当するのではないかと思われるので読んでみた次第だ。
それは、この本“アイデンティティの心理学”の中で、“スチューデント・アパシー(学生無気力症候群)”と呼ばれる症例に該当するように思ったからだ。このアパシー(Apathy)という言葉の“語源はギリシャ語にあり、一般的には「感情や興味の欠如」と定義される。学生でありながら、本業であるはずの学業等への意欲のなさ、無気力な状態を特徴とする学生特有の障害”と説明されている。
この本は、1988年発行の古い本で、一般書店では既に取り扱ってはおらず、BOOK OFFか図書館でしか入手できない。内容は古くない印象だが、それだけに日本の心理学の進展が進んでいないのではないかとの疑念も湧いてしまう。だが一方、精神の正常化へのプロセスはいろいろな道があるのかもしれない。そんな気もするのだ。 . . . 本文を読む
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3月鑑賞の映画の紹介
今週はまた月初につき、3月に見た映画の総括としたい。今回は総計44本と多い。
3月は前半は仕事があったが後半はぱったりと無くなると言う例年の傾向なので、特に後半は確定申告に時間を使おうと思っていた。ところが今年は申告時期の4月延期はないと、14日にようやく気付いて、大慌てで申告書を書き上げて、15日に相談会に持ち込んだ。そこで間違いを大幅に修正されて、逆に御蔭様で思わず還付額が増えて大喜びだった。そんなことがあって、月の後半は読書もせず、一層の怠惰な生活で映画を見ることに地道を上げていた。いつもより見た映画が多いのは、そのためだ。
44本の内訳はNHK・BSプレミアムのBSシネマ10本、ネットからの無料映画34本。ネットからの映画では、TV放映のシリーズもので流れたものも1回見たのを1本とカウントしている。
“孫子兵法 兵聖”23本を見た。これで宮城谷昌光の古代中国の小説がより具体的にイメージできるようになると思えた。また昔読んだ海音寺潮五郎の“孫子”でのエピソードが重なっていて、それも思い出した。第38話まであるようだが、何とか最後まで完結させたい。
“首領への道”シリーズはこの1月に第11回から最後まで見ていたた。前月はその第1回と第2回の2本を見た。これも今月で第10回まで完結させたい。 . . . 本文を読む
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