The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
並木伸一郎・著“眠れないほどおもしろい「密教」の謎”を読んで
“眠れないほどおもしろい「密教」の謎”という文庫本を紹介したい。副題は“驚くべき「秘密の世界」がそこに!”とある。
思えば昨年の今頃、丁度今と同じように緊急事態が叫ばれていたが、マイ・ブームは“密教”だった。巣ごもり読書で密教について、自分としては結構な本を読んだつもりだったが、その本質まで踏み込むことは出来なかった。空海や最澄の行動、歴史的な背景等々は分かって、何となくそんなものかと知識を得ることで、“密教”を分かったような気になってはいた。しかし果たして、密教とは何か、加持祈祷とは何かまで理解できなかった、とはたと、気付いたのである。
この本の冒頭に“この本では、密教の基礎知識を非常にわかりやすく説明するとともに、一般入門書どころか、かなりの専門書でもまず書いていないようなことを、隠し味のように加えてある。”“密教が分からなければ、日本の歴史を真に理解したとは言えない”とあるキャッチ・コピーに乗って、読むことにした。
読み終えて確かに、結構率直に分かり易く“密教”を語っている印象だった。これで、改めてまた密教にまつわる知識は増加した。 . . . 本文を読む
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話題のオムニバス―この1週間で感じたこと210418
実は確定申告を終えてホッとしている。申告書のチェックで昔は金太郎飴でどの税務署員も同じ見解を示していたように思うが、最近は必ずしも同じではなく、違う見解を示すため、申告書も複数回見てもらわなければならなくなっている。ここに人材の劣化を感じる。厚労省が新型コロナウイルス対策の接触確認アプリCOCOAの不具合の要因や再発防止策に関する報告書をまとめた。発注したモノの点検・検査もせず検収していたようで、ここにも中央官庁の官僚の劣化を感じる。東芝の社長が辞任に追い込まれた。これにも人選のあり方や人材の劣化を感じざるを得ない。
中国が人権問題を無視して非人道的なことをやっているようだが、日本のSDGsを実行している大企業はこれを見過ごして、収益を上げ続けている。このこと自体が反SDGs的行為ではないのか。今後特に日米首脳会談後、そうしたことの批判が強くなると思うが、どのように対応するのであろうか。特に、中国との経済的つながりが中小零細企業に及んでいる現状で、政治家は熟慮しなければならないはずだが、今のところ反応はない。しかし、どう考えてもそのナチス(国家社会主義)的行為に同調することは不可能なのは明らかだ。そのためのしっかりした覚悟が必要な段階なのだ。
また新型コロナウイルス対策が医療関係者の総力戦になっているとは思えず、遂に政権内部からも東京オリパラ開催に疑念の声が出たが、当局者からは明確な施策は語られていない。 . . . 本文を読む
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“NHK 100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』”番組を見て、テキストを読んで
ヘーゲルに引き続き今回マルクスに軽く触れてみたい。ようやくと言うか、いよいよと言うか、日本人の斎藤幸平氏という若い国際的一流マルクス研究者が出て来たという。今回は、この斎藤氏を講師として、“NHK 100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』”がテレビ放映されたので紹介したい。
この斎藤氏は2018年、マルクス研究界最高峰の賞ドイッチャー記念賞を受賞。当時31歳で歴代最年少、日本人初受賞となる。又、現下世界各国の研究者がマルクスの著作を発掘・再整理して、新しい「マルクス・エンゲルス全集」を刊行するプロジェクトが進行していて、勿論この斎藤氏も参加しているという。
この講座の肝は“〈コモンcommon〉の再生”にある。コモンとは“水、食料、エネルギー、土地、住居、知識など、人類にとっての共有財産”のこと。ところが、近代の“暴走し続ける資本主義は、コモンをことごとく私物化し「商品化」してしまった。この流れを逆にして、市民の手に取り戻し、「コモン」の領域を再び拡大していくこと”がマルクスの思い描いた将来社会の軸になっている。これこそがイエス・キリストも思い描いたコモンの社会、つまり、コミュニズムcommunismではないか。社会のコモンをみんなでシェアして、自治管理していく、平等で持続可能な定常型経済社会実現により、地球を持続可能として行くというのだ。 . . . 本文を読む
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長谷川宏・著“新しいヘーゲル”の読後感想
日本の近代を考えてみれば、戦前戦後を通じて、閉塞感を打破する理性に基づく夢を語る政治家が居た例がないことに最近気付いた。日本の高等教育で思想・哲学をおろそかにした結果であろうか。やっぱり思想・哲学が大切だとそう思った時、私自身は哲学の“お勉強”をして行こうと一層思うようになった。
私の“お勉強”はヘーゲルで立ち止まっている。西研先生の“ヘーゲル・大人のなり方”を読んだが、まだまだ消化不良なので、引き続きヘーゲルにもう一歩突っ込んで、今度は長谷川宏氏の著書“新しいヘーゲル”に取り掛かった。
この本によれば、“人類の精神史は理性の進展とその徹底にある”というのがヘーゲル哲学の結論である、と理解した。そしてそれは“美学、芸術論にも及ぶ”。また弁証法はそれを証明するための厳しいせめぎ合いの方法論であると。このように長谷川宏氏は“難解とされるヘーゲル”を分かり易く説明してくれている。やはりこの段階で一歩進むには一旦原典に当たるべきか。それほど分かり易い本であった。著者の長谷川宏氏について、改めて他の著作も私のような者にも読むに値するのだろう。 . . . 本文を読む
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