The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
西研・著“カント『純粋理性批判』”(NHK100分de名著)を読んで・Eテレ視聴して
今回は西研・著“カント『純粋理性批判』”の紹介だ。どうして本格哲学書の紹介かというと、実はテレビ欄を見ていて、その時、Eテレ“NHK100分de名著”で同名の番組を放映していることを知って、思わず見ることにした。又テキストも購入し、事前に読んで“予習”した。これについて、NHK出版の紹介文が次のようだ。
“近代哲学の最高峰が、手に取るようにわかる!カントの主著『純粋理性批判』は、哲学のあり方を根底からひっくり返すインパクトを持つものの、専門家ですら読み進めることに困難を極める一冊。・・・しかし晦渋な言い回しを西研流に解きほぐしてみれば、カント哲学の核心は思いのほか明快だった!私たち人間は何を認識し得るのか?・・・人間に備わる悟性とは?・・・”
西研氏の解説が分かり易いので、今後は著書を中心に“哲学のお勉強”をして行こうと思っている。とにかく、“分かり易いこと”は良いことだ。
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山田詠美・著“無銭優雅”を読んで
今回は少々ガラッと目先を変更、精神の潤いを求めて、ネットで知った恋愛小説。山田詠美・著“無銭優雅”の紹介。
文庫本の紹介文は次のようだ。“友人と花屋を経営する斎藤慈雨と、古い日本家屋にひとり棲みの予備校講師・北村栄。お金をかけなくとも、二人で共有する時間は、“世にも簡素な天国”になる。・・・”
この小説には、“本歌取り”をはじめとした大小様々の仕掛けがある。浅学の私も気付くような隠れたアフォリズムも随所にある。文庫本の最後の解説でも“古びた日本家屋である北村家のディテールや、四季の花や食べ物、それから慈雨の繰り出すアフォリズムと、味わってほしいものは作中に山ほどある。―「気の利いたアフォリズムのない恋愛小説なんてつまらない」と山田詠美さんは刊行時インタビューで語っていた。”と指摘している。
非常に良く計算された、仕掛けが随所に緻密に配置されているが、普通の恋愛小説を装っている。何も知らなければ、普通に読んで感動して済ませることも読者の勝手だ。その点では、宮崎駿のアニメ“風立ちぬ”の上を行くように思う。作家の頭の良さと、深い教養に感嘆するばかりだ。どうしてこのような良質の小説が市中在庫からフェードアウトしようとしているのだろうか。私の心を潤す一滴の良質の清涼剤にはなったような気がする。山田氏の小説をもっと読んでみたい。その多面性にも興味がある。
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加谷珪一・著“お金は歴史で儲けなさい”を読んで
今回は少々目先を変えて相場観醸成のための本・加谷珪一・著“お金は歴史で儲けなさい”の紹介である。
アマゾンに載っていた“出版社からのコメント”要約は次の通り。“2020年1月半ばに始まったコロナショック・・・。新型コロナウイルスによる、先の見えない不安から市場が揺れています。バブル、戦争、世界恐慌、大災害…。歴史上の問題を鑑み、投資における「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を知ることは重要です。”これを読めば、株をかじっている者には何かが学べると思わざるを得ない。
この本を読んで得た結論は次の通り。①米国は(移民によって)人口も増加するので旺盛な消費が見込まれ、これまでのように世界経済を牽引する。②米中貿易戦争など不確定要素はあるが、基本的にはドル高傾向が続く③日本は緩やかに経常赤字へ推移する④供給余力の減少や円安から日本がインフレになる可能性は高い
こうした前夜の状況にもかかわらず安倍政権は無駄に時間と金を浪費し、ご自分とお仲間の小さな御利益に執着して来た。それにもかかわらず、不思議にも多くの国民がこの政権を支持している。 . . . 本文を読む
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的場昭弘・著“マルクスだったらこう考える”を読んで
今回も読後感想への投稿とした。的場昭弘・著“マルクスだったらこう考える”についてである。久しぶりのマルクス主義文献、と言いたいところだが、実は昨秋、同じ著者の“マルクスを再読する―主要著作の現代的意義”を読んでいて、今回はその読み直し版と言えるのか。若い頃、読んだマルクス文献では、マルクス主義は、フォイエルバッハの唯物論とヘーゲルの弁証法を合体させた弁証法的唯物論が哲学的な根幹となっている、とどの本にも書かれていたものだったが、的場氏の著書ではスピノザが核心的思想になっているとしている。若いころとは様変わりでマルクス学の進歩を大いに感じ衝撃でもあった。
著者は“マルクスは古くなったのでなく、今やっとマルクスが「読める」時代になったのかもしれません。”と序章で言っている。最新のネグリの〈帝国〉論や実存主義と構造主義から、サバルタン論、ポストコロニアル論、クイア理論からフェミニズム論までと、マルクス主義と関連する思想が、“ヒューマニズム”の観点から多く紹介されている。また、その中でマルクスを神格化することなく、時代に生きる人物の限界を率直に解説してくれている。こうしたことから、逆に著者・的場氏の暖かさも伝わってくるような気がした。
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野村克也・著“超二流―天才に勝つ一芸の究め方”を読んで
今回は故野村克也氏の本“超二流―天才に勝つ一芸の究め方”の紹介。ゴールデン・ウィークで“密教”本を読む合間に、気分転換に読んだ。現役選手の評価も結構書かれていて、知らなかったその選手の背景が分かって面白い。
この本のカバーの裏には次の記述がある。“人は誰しも「強み」や「一芸」を持っている。その‘才能’を眠らせたままにすることなく解放させることができた「超二流」は、時に天才、一流にさえも勝つことができる。まだ見ぬ潜在能力を秘めた‘凡人’だからこそ発揮できる最強の「洞察力」とは。ノムさんの原点、「選択と集中」の極意!”思わず、この本の装丁と表題が私の琴線に触れて、買ってしまった。
“超一流”という言葉があるが、“超二流”とは面白い。何だか自分でも手が届きそうなポジションではないか。今からでも間に合いそうだと誰しもが思うのではないか。自分のことを一流だと勘違いしてしまえばそこで成長はせず、頭を使って努力もしなくなるだろう。頭を使って努力をすれば“やはり、二流は最後に勝つ。一流をも負かすことができる。”とも言っている。実績を挙げた人の言葉、勇気が湧いてくるではないか。
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