The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
安倍首相の政治SHOW
先週は政治SHOWに終始した印象だった。そのSHOWのプログラムは概ね下記のようだった。
25日夜;日米首脳会談
26日、27日;伊勢志摩サミット
27日夕;オバマ大統領広島訪問
しかし、安倍首相は25日夜の日米首脳会談では地位協定改訂に言及せず、伊勢志摩サミットでは、米国がさらに金利を上げるタイミングを慎重に計っている時期に、唐突に“リーマンショック前に似た世界的危機的状況”を騒いだ。飛びぬけた財政赤字の国の首相が、さらに“財政出動するべきだ”と言い立てるのには、世界の首脳から呆れられたに違いない。しかも、“構造改革”をせず、財政赤字を縮小する気も全くない姿勢は、信頼に足る政治家とはとても思われなかっただろう。
この政治SHOWのフィナーレはオバマ大統領の広島訪問だった。これは日米和解のスタートに過ぎないが、安倍首相には対米従属の象徴たる地位協定の改訂を何故か実行する気はない。これで、将来の日本は立ち行くのだろうか。 . . . 本文を読む
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志賀桜・著“タックス・ヘイブン”、“タックス・イーター”を読んで
先月の中頃、書店店頭で岩波新書の書棚で“タックス・ヘイブン―逃げていく税金”と書かれた本を見つけて、こんなテーマの本が岩波新書で出ていたのだと、思わず買ってしまった。その後、朝日新聞の書評に次のような紹介文が載った。“著者は大蔵省(当時)国際租税課長などを務めた元官僚で、昨年末に亡くなった。本書には、国際租税の専門家だからこそ書けるリアリティーと凄みが詰まっている。”
またその朝日の書評にはこの続編として『タックス・イーター―消えていく税金』も紹介していた。この本には“日本国内では、無駄な公共事業や租税特別措置によって莫大(ばくだい)な税金が消えていっていることが、克明に描かれる。これが巨額の財政赤字を生みだした。”と書いている。続けて“まさに「内憂外患」そのものの状況を、日本は乗り越えられるのか。かなり暗澹(あんたん)となる内容だが、まずはこの現実を正確に認識することが重要だ。その意味で本書がベストセラーとなったことは第一歩といえるだろう。”と書いていた。
しかし、近代法学の常識をベースに現状の日本の政治、財政、経済を語る正義漢が、既に亡くなっているのは、日本の大きな不幸のような気がする。 . . . 本文を読む
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先週号の週刊誌アエラを読んで―特集“憲法の「危機」”?
週刊誌アエラの先週号は、“大特集・憲法の「危機」”を組んでいた。今更の感があるが、“あなたは日本国憲法が好きですか”や“いま「改憲」を語るリスクと語らないリスク”の文字が躍っていて思わず気になって買った。不十分な思考の整理の手掛かりになるのではないかと思ったのだ。
特集の対談で、姜尚中氏は“戦後の憲法体制”つまり“戦後レジーム”は、“憲法”、“日米安保条約”そして“沖縄”の三位一体により成り立っていると指摘する。“沖縄”は、絶対的平和を規定する“憲法”と現実的国防を規定する“日米安保条約”の両者の矛盾を体現している存在である。それを議論の対象とせず“かすんだ存在”として意識外にすることで、面倒を避けるという思考の怠慢を 戦後ずーっと繰り返して来たのだ。こうした“本土平和主義”と呼ぶべき“心地よいユートピア”は、昨今先鋭化した左右内外の現実勢力によって、崩壊の淵に追いやられている。
この特集では、その現実を繰り返し確認する議論に終始している。そこには、日本の核兵器保有・使用の是非と言う極め付きの議論も当然含まれる。その問題に言及しているドナルド・トランプ氏の登場も議論の先鋭化に寄与している。
“われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。”は、御題目にして思うだけではだめなのだ。今や、平和を絵空事でなくどうやって体現するか徹底的に考え、身を持って示す覚悟が必要なのだ。 . . . 本文を読む
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兵庫県立美術館の富岡鉄斎展―近代への架け橋(生誕180年記念)―を見て
今年のGWは、世間では10連休とのことであったが、私も世間並みにボーッと過ごしていたのでは実も蓋もない。そこで、世間の休みではない連休の谷間で兵庫県立美術館の“生誕180年記念・富岡鉄斎―近代への架け橋”に出かけた。
主催者側によれば“近代文人画の巨匠、富岡鉄斎(1836―1924)の生誕180年を記念した回顧展。京都に生まれ、幼いころから国学、儒学、仏教等の学問を広く修め、書画にも親しんだ富岡鉄斎は、幕末の動乱気には勤皇学者として国事に奔走し、明治維新後は神官の公職を経て、89歳で亡くなるまで、文人画家として多くの書画をものした。清荒神清澄寺・鉄斎美術館所蔵の名品を中心に、約200点の作品、資料により鉄斎の世界観を探り、近年では最大規模の回顧展とした。”とある。鉄斎の絵は彼自身の自賛を理解する必要があった。 . . . 本文を読む
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講演“マツダのブランド価値経営―イノベーションの現場から”を聴いて
先週、神戸商工会議所主催の“マツダのブランド価値経営”という講演会があった。講演会場はポート・アイランドの神商ホールで、講演者は何と代表取締役会長の金井誠太氏であった。私のファースト・カーは80年代に爆発的に売れたファミリアで、当時は小型車にしてはスタイリッシュな超人気車種だった。実車しても乗り心地が良く、その後もカペラ、プレマシーとマツダ車ばかり乗って不満はない。そんな私は、最近のマツダの経営革新とその結果の躍進について聞けるものと思って、思わず出先でスマホから聴講を申し込んだ。
マツダの経営革新の第一歩は良い製品なら売れるハズという姿勢でプッシュ型販売ではなくて、ブランドを大事にする需要プル型販売を体質化した企業文化の変更からだった。そしてその後、企業コンセプトを明確にして それを愚直に徹底的に忠実に実行して行った。そのことにより外部環境の激変にも動揺せず、戦略を練って自らの決めた道に企業資源を分散させず集中して、コンセプトを製品に実現させて行った。正にPDCAのPDを重視することにより、効率的・効果的に巨大な競合他社の中で生き抜く姿勢であった。問題を起こした三菱自動車の研究開発費が、スズキより下位であると指摘されているが、マツダも贅沢に開発費を使っているようではない。しかし、こうした姿勢により経営は現在見事に成功しているし、その企業文化が持続する限り継続的な改善と成功が期待できるものと確信した。またブランドは重視するが、“手頃な価格” へのこだわりを捨てていないのがありがたい。 . . . 本文を読む
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