11月に入ってから、
「花粉症症状が悪化した」
と受診する患者さんが多くなりました。
「はて、ブタクサの季節は終わったはずだけど…」
と不思議に思っていたところに、以下の記事が目に留まりました。
夏が長引いて暖かい日が続いたため、
秋の花粉飛散が遅れたらしい。
「ピーク(本格飛散)はこれから」
という文言がありますが、
そこは週刊誌という特徴を差し引いて読む必要があるかもしれません。
<ポイント>
- 秋の花粉症は、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの草の花粉が原因で、咳やくしゃみ、鼻詰まりなどの症状が出る。スギやヒノキの花粉症とは異なり、ブタクサの花粉は小さいため気道に侵入しやすく、咳の症状が特徴的である。
- 例年9~10月がピークだが、今年は猛暑の影響で夏に草木が生い茂り、花粉量が増加している。また、残暑の影響で遅れてピークを迎えている。市販のかぜ薬では改善せず、専門医による抗ヒスタミン薬の処方が必要。
- さらに、寒暖差の激しい時期には寒暖差アレルギーの発症も懸念されるため、咳や喉の痛みがある場合は専門医に相談することが重要。マイコプラズマ肺炎、秋の花粉症、寒暖差アレルギーと、秋は呼吸器系の症状が複雑に絡む季節である。
▢ 身近な草が原因で咳や気管支症状の恐れが これから本格化する「秋の花粉症」にご用心
(2024年11月19日 週刊実話Web)より一部抜粋(下線は私が引きました);
・・・花粉が飛ぶのは春だけではない。秋も要注意だ。
「春の花粉症の原因はスギやヒノキの樹木ですが、秋の花粉症はブタクサ、ヨモギ、カナムグラが代表格で、公園や空き地などに生息する草なんです。ヨモギとカナムグラの花粉の大きさはスギとヒノキとほぼ変わらない。問題は花粉が小さいブタクサ。この花粉を空気と一緒に吸い込むと、喉を通過して気道に侵入しやすい。それが原因でアレルギー反応を起こし、咳の症状に繋がる。草の花粉症は咳が出やすいのが特徴です。喘息は花粉症でも増悪(悪化)を起こしますよ」(医療ジャーナリスト)
例年、秋の花粉症は全国的に9〜10月がピークとされるが、昨年同様、今年も猛暑の影響で夏に草木が生い茂った。
そのため秋の花粉の量は多くなる傾向にあったところに残暑が続いた。最高気温がやっと25度を下回るようになってから花粉が飛び始めたため、秋の花粉症は遅れてピークを迎えているのだ。
▶ 市販薬での治療は困難
「春の花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどです。秋の草の花粉症は咳も出るため、かぜと間違われやすいので、市販のかぜ薬を飲む人が多いんです。しかし、市販のかぜ薬では治りません。喉に痛みが出たら専門医に診てもらうことです。秋の花粉症も春のそれと同じく、治療の柱は抗原となる花粉を回避しながら、抗ヒスタミン薬などの服用です。また、症状が出ているのに秋花粉のアレルギー反応がなかったら、寒暖差アレルギーを疑うべきです」(『藤巻耳鼻咽喉科医院』の藤巻豊院長)
日々の気温が乱高下すると、自律神経が乱れ、寒暖差アレルギーを発症しやすくなるという。
マイコプラズマ肺炎、秋の花粉症、寒暖差アレルギー…とは実にやっかいだ。
「週刊実話」11月28日号より
日々の気温が乱高下すると、自律神経が乱れ、寒暖差アレルギーを発症しやすくなるという。
マイコプラズマ肺炎、秋の花粉症、寒暖差アレルギー…とは実にやっかいだ。
「週刊実話」11月28日号より
・・・ちなみに「寒暖差アレルギー」という医学用語はありません。
慢性のアレルギー性鼻炎患者さんは鼻粘膜が敏感になっており、
それが冷たい空気に反応して鼻症状が出やすいため、
“寒暖差アレルギー”というわかりやすい言葉で表現しているモノと思われます。
そして慢性のアレルギー性鼻炎患者さんの原因の多くはダニアレルギーです。