先月から話題になっているヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンなどの同時接種後の乳幼児死亡の件です。
3/14付けで厚生労働省が以下の見解を発表しました;
■ 乳幼児死亡ワクチン接種の因果関係は認めず 厚労省
2011/03/14 (記事提供:医療タイムス)
厚生労働省の医薬品等安全対策部会安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同会合は8日、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの安全性について取りまとめを行った。取りまとめでは、2日以降に小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを含むワクチン同時接種を受けた乳幼児の死亡が5例報告された件について、「現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的で、明確な因果関係は認められない」との意見を明らかにした。両ワクチンの接種見合わせ措置は継続する。
厚労省は諸外国での状況や同時接種の安全性、接種者数などの情報を早急に収集し、検討することとした。
因果関係はないと判断したものの、接種見合わせは続くようです。他にどのようなデータが揃えば再開されるのでしょうか。
現在、東日本大震災の避難所でインフルエンザや胃腸炎が流行してきたとの情報があります。医療が安価でアクセスが簡単という平和な日本ではワクチン反対派も声高く訴えていましたが、一転して医療が手に入らない切迫した状況下ではワクチン接種が如何に大切か、再認識されるところです。
3/14付けで厚生労働省が以下の見解を発表しました;
■ 乳幼児死亡ワクチン接種の因果関係は認めず 厚労省
2011/03/14 (記事提供:医療タイムス)
厚生労働省の医薬品等安全対策部会安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同会合は8日、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの安全性について取りまとめを行った。取りまとめでは、2日以降に小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを含むワクチン同時接種を受けた乳幼児の死亡が5例報告された件について、「現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的で、明確な因果関係は認められない」との意見を明らかにした。両ワクチンの接種見合わせ措置は継続する。
厚労省は諸外国での状況や同時接種の安全性、接種者数などの情報を早急に収集し、検討することとした。
因果関係はないと判断したものの、接種見合わせは続くようです。他にどのようなデータが揃えば再開されるのでしょうか。
現在、東日本大震災の避難所でインフルエンザや胃腸炎が流行してきたとの情報があります。医療が安価でアクセスが簡単という平和な日本ではワクチン反対派も声高く訴えていましたが、一転して医療が手に入らない切迫した状況下ではワクチン接種が如何に大切か、再認識されるところです。
東日本大震災により被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。
発生後1週間が経ちました。
被災地の惨状をTVで見るにつけ、言葉を失ってしまいブログも書けませんでした。
余震が遠のき、原発事故の経過が悪化の一途から外れつつあり、再開させていただきます。
先月で終息と思われたインフルエンザが最近また流行し始めています。
当院周辺でもいくつか耳にしますし、全国的にも同じ傾向のようです。
■ インフル、被災地での拡大懸念 全国で患者急増
国立感染症研究所は18日、3月第2週のインフルエンザの患者報告数が全国で急増したと発表した。東日本大震災で被災した宮城、福島のデータはないが周辺は増えており、被災地でも増加しているとみられるという。
流行のメインはA香港型とのこと。
例年ですと春先はB型が流行するのですが、今年のパターンは異例です。
A香港型は症状が強く、子どもではインフルエンザ脳症、高齢者では肺炎の合併症が出やすいので、被災地で避難所生活している方々が心配です。
感染対策と云っても、手洗い様の水さえ十分でない状況では厳しいです。簡易マスクや可能な範囲の隔離をして拡大を防いでいただきたいと思います。
インフルエンザ関連では、2009年に登場した「新型インフルエンザ」から「新型」をはずして季節性インフルエンザと同様に扱うことが決まりました。
■ 新型インフルエンザ、今後は「新型」扱いはせず 厚労省
2009年に流行した新型の豚インフルエンザについて、厚生労働省は18日、今年4月以降は感染症法上の「新型」とはみなさず、例年の季節性と同じ扱いをすることを決めた。今後は「インフルエンザ(H1N1)2009」と呼び、季節性インフル対策として、全国500カ所の医療機関で入院患者の動向を調べる。
今シーズン(10~11年)のインフルは、(1)12月に流行入り、1月にピーク(2)複数のウイルス型が混在(3)各年齢層で感染(4)推計患者数は約962万人(3月10日現在)で、例年と同様の傾向を示した。このため、季節性との違いはないと結論づけられた。
これからは「インフルエンザ(H1N1)2009」と呼ぶことになります。
一方、大震災の最中、鳥インフルエンザが千葉県で発生し、これは関東地方では初となります。
■ 鳥インフル:千葉市の養鶏場で4羽感染
千葉県は13日、千葉市若葉区の養鶏場で、鶏4羽の鳥インフルエンザ感染が確認されたと発表した。採卵鶏約3万5000羽を殺処分し、半径10キロ圏内の養鶏場で鶏と卵の移動制限をする。
■ 鳥インフルエンザ:千葉・若葉区で新たに感染 6万2000羽の殺処分始める /千葉
県は17日、千葉市若葉区の養鶏場で新たに高病原性鳥インフルエンザに感染した肉用鶏が見つかり、約6万2000羽の殺処分を始めたと発表した。県内での鳥インフルエンザ発生は13日に続き2例目。
生活を脅かすいろいろな事が同時発生する時代。
対象は自然であり、人間同士がいがみ合っている場合ではありません。
私個人にできることは・・・可能な限りの節電・節約と日々の小児科診療を粛々とこなすことでしょうか。
被災地の無事を祈りながら、目の前の子ども達の笑顔をサポートできればと考えています。
発生後1週間が経ちました。
被災地の惨状をTVで見るにつけ、言葉を失ってしまいブログも書けませんでした。
余震が遠のき、原発事故の経過が悪化の一途から外れつつあり、再開させていただきます。
先月で終息と思われたインフルエンザが最近また流行し始めています。
当院周辺でもいくつか耳にしますし、全国的にも同じ傾向のようです。
■ インフル、被災地での拡大懸念 全国で患者急増
2011.3.18(朝日新聞)
国立感染症研究所は18日、3月第2週のインフルエンザの患者報告数が全国で急増したと発表した。東日本大震災で被災した宮城、福島のデータはないが周辺は増えており、被災地でも増加しているとみられるという。
流行のメインはA香港型とのこと。
例年ですと春先はB型が流行するのですが、今年のパターンは異例です。
A香港型は症状が強く、子どもではインフルエンザ脳症、高齢者では肺炎の合併症が出やすいので、被災地で避難所生活している方々が心配です。
感染対策と云っても、手洗い様の水さえ十分でない状況では厳しいです。簡易マスクや可能な範囲の隔離をして拡大を防いでいただきたいと思います。
インフルエンザ関連では、2009年に登場した「新型インフルエンザ」から「新型」をはずして季節性インフルエンザと同様に扱うことが決まりました。
■ 新型インフルエンザ、今後は「新型」扱いはせず 厚労省
2011年3月18日(朝日新聞)
2009年に流行した新型の豚インフルエンザについて、厚生労働省は18日、今年4月以降は感染症法上の「新型」とはみなさず、例年の季節性と同じ扱いをすることを決めた。今後は「インフルエンザ(H1N1)2009」と呼び、季節性インフル対策として、全国500カ所の医療機関で入院患者の動向を調べる。
今シーズン(10~11年)のインフルは、(1)12月に流行入り、1月にピーク(2)複数のウイルス型が混在(3)各年齢層で感染(4)推計患者数は約962万人(3月10日現在)で、例年と同様の傾向を示した。このため、季節性との違いはないと結論づけられた。
これからは「インフルエンザ(H1N1)2009」と呼ぶことになります。
一方、大震災の最中、鳥インフルエンザが千葉県で発生し、これは関東地方では初となります。
■ 鳥インフル:千葉市の養鶏場で4羽感染
2011.3.13(毎日新聞)
千葉県は13日、千葉市若葉区の養鶏場で、鶏4羽の鳥インフルエンザ感染が確認されたと発表した。採卵鶏約3万5000羽を殺処分し、半径10キロ圏内の養鶏場で鶏と卵の移動制限をする。
■ 鳥インフルエンザ:千葉・若葉区で新たに感染 6万2000羽の殺処分始める /千葉
2011.3.18(毎日新聞)
県は17日、千葉市若葉区の養鶏場で新たに高病原性鳥インフルエンザに感染した肉用鶏が見つかり、約6万2000羽の殺処分を始めたと発表した。県内での鳥インフルエンザ発生は13日に続き2例目。
生活を脅かすいろいろな事が同時発生する時代。
対象は自然であり、人間同士がいがみ合っている場合ではありません。
私個人にできることは・・・可能な限りの節電・節約と日々の小児科診療を粛々とこなすことでしょうか。
被災地の無事を祈りながら、目の前の子ども達の笑顔をサポートできればと考えています。
公費負担が始まった途端、ワクチン供給不足で接種ができなくなりました。毎度おなじみのお粗末なドタバタ劇ですが、始める前に(政治家の得意な)根回しはしなかったのでしょうか。
■ 子宮頸がんワクチン、新規接種を当分見合わせ
全額公費で接種を受けられる子宮頸(けい)がんワクチンが全国的に品薄になっている問題で、小宮山洋子・厚生労働副大臣は7日、▽当分の間、新規の接種を見合わせ、既に接種を始めた対象者への2、3回目の接種を優先する▽既に公費接種が始まった市町村で、初回接種を受けられない高1は、高2になってから接種を始めても公費助成の対象とする、との方針を発表した。
このワクチンは、子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を50~70%減らす効果があり、半年間に計3回接種する。厚労省は昨年11月、中1~高1を対象に、国と市区町村が接種費用を折半することを決定。全国の約半数の自治体で公費接種が始まっている。
製造元の英グラクソ・スミスクライン社によると、1学年あたりの対象者を50万人と見込んで年間400万回分を供給する計画をたてていたが、予想を上回るペースで接種が進んだため、一部の地域で在庫が底をつく事態が起きているという。
子宮頚癌ワクチンはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンです。この感染は主に性行為によりますので、セクシャルデビュー前に接種するのが一番効果的と云われています。
・・・待てよ、では性行為のパートナーである男性も感染しているはず。こちらのケアは必要ないんだろうか、と素朴な疑問が湧き出てきます。
男性でも陰茎癌とか肛門癌の原因になるらしい。「男性にも必要」論がこれから出てくると思われます。
■ 米国人男性などの半数がHPVに感染
米国やその他の地域の成人男性の半数が、性行為感染ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染している可能性が新しい研究で明らかになった。「男性の性器HPV感染率は高く、ブラジル、メキシコおよび米国で各年齢層を通して比較的一貫していた」と、米H. Lee Moffittリーモフィット癌(がん)センター(フロリダ州)のAnna R. Giuliano氏らは結論付けている。
米国立癌研究所(NCI)の支援により実施され、医学誌「Lancet(ランセット) 」オンライン版に3月1日掲載された今回の研究では、複数の女性または男性のセックスパートナーをもつ男性はHPV感染リスクが大幅に高く、毎年約6%の男性が新たにHPV16(女性の子宮頸癌のほか、男性の癌の原因にもなるウイルス)に感染していることも判明。2009年に米国人男女で発症した癌のうち約3万2,000例がHPV感染に起因するものであったという。これには、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、陰茎癌、口腔癌、肛門癌および頭頸部癌が含まれている。
研究では、米国、ブラジルおよびメキシコの18~70歳(平均32歳)の男性1,159人を対象に、平均2年間、6カ月ごとに検査を実施。被験者はいずれもHIV感染がなく、癌の既往歴もなかった。その結果、50人以上の女性と関係をもったことのある男性は、パートナーが1人またはゼロの男性に比べ、癌の原因となるHPVの感染リスクが2.4倍であり、アナルセックスをする男性パートナーが3人以上いる男性は、最近関係をもっていない男性に比べリスクが2.6倍であった。
専門家によると、ほとんどの場合、HPV感染は体内の免疫システムによって自然に除去されるが、除去までの期間はさまざまである。今回の研究では、男性のHPVの感染期間の中央値は、HPV全体では7.5カ月、癌の原因となるHPV16では12カ月であった。年齢とHPV感染率にはHPVの種類に関わらず関連はみられなかったが、HPV感染を除去する免疫システムの能力は年齢とともに増大することがわかった。
近年、少女および若い女性を対象にHPVワクチンの接種が拡大しているが、男性へのワクチン接種はまだ一般的ではない。同誌に掲載の付随論説によると、女性を保護するために男性にHPVワクチンを接種する費用便益比は明確にされていないが、男性へのワクチン接種により肛門癌など多くの疾患の予防が可能となることから、男女におけるルーチンの予防接種がコストパフォーマンスを高めると見られている。
■ 子宮頸がんワクチン、新規接種を当分見合わせ
2011/03/09(読売新聞)
全額公費で接種を受けられる子宮頸(けい)がんワクチンが全国的に品薄になっている問題で、小宮山洋子・厚生労働副大臣は7日、▽当分の間、新規の接種を見合わせ、既に接種を始めた対象者への2、3回目の接種を優先する▽既に公費接種が始まった市町村で、初回接種を受けられない高1は、高2になってから接種を始めても公費助成の対象とする、との方針を発表した。
このワクチンは、子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を50~70%減らす効果があり、半年間に計3回接種する。厚労省は昨年11月、中1~高1を対象に、国と市区町村が接種費用を折半することを決定。全国の約半数の自治体で公費接種が始まっている。
製造元の英グラクソ・スミスクライン社によると、1学年あたりの対象者を50万人と見込んで年間400万回分を供給する計画をたてていたが、予想を上回るペースで接種が進んだため、一部の地域で在庫が底をつく事態が起きているという。
子宮頚癌ワクチンはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンです。この感染は主に性行為によりますので、セクシャルデビュー前に接種するのが一番効果的と云われています。
・・・待てよ、では性行為のパートナーである男性も感染しているはず。こちらのケアは必要ないんだろうか、と素朴な疑問が湧き出てきます。
男性でも陰茎癌とか肛門癌の原因になるらしい。「男性にも必要」論がこれから出てくると思われます。
■ 米国人男性などの半数がHPVに感染
2011/03/11 CareeNet.com [2011年3月1日/HealthDayNews]
米国やその他の地域の成人男性の半数が、性行為感染ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染している可能性が新しい研究で明らかになった。「男性の性器HPV感染率は高く、ブラジル、メキシコおよび米国で各年齢層を通して比較的一貫していた」と、米H. Lee Moffittリーモフィット癌(がん)センター(フロリダ州)のAnna R. Giuliano氏らは結論付けている。
米国立癌研究所(NCI)の支援により実施され、医学誌「Lancet(ランセット) 」オンライン版に3月1日掲載された今回の研究では、複数の女性または男性のセックスパートナーをもつ男性はHPV感染リスクが大幅に高く、毎年約6%の男性が新たにHPV16(女性の子宮頸癌のほか、男性の癌の原因にもなるウイルス)に感染していることも判明。2009年に米国人男女で発症した癌のうち約3万2,000例がHPV感染に起因するものであったという。これには、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、陰茎癌、口腔癌、肛門癌および頭頸部癌が含まれている。
研究では、米国、ブラジルおよびメキシコの18~70歳(平均32歳)の男性1,159人を対象に、平均2年間、6カ月ごとに検査を実施。被験者はいずれもHIV感染がなく、癌の既往歴もなかった。その結果、50人以上の女性と関係をもったことのある男性は、パートナーが1人またはゼロの男性に比べ、癌の原因となるHPVの感染リスクが2.4倍であり、アナルセックスをする男性パートナーが3人以上いる男性は、最近関係をもっていない男性に比べリスクが2.6倍であった。
専門家によると、ほとんどの場合、HPV感染は体内の免疫システムによって自然に除去されるが、除去までの期間はさまざまである。今回の研究では、男性のHPVの感染期間の中央値は、HPV全体では7.5カ月、癌の原因となるHPV16では12カ月であった。年齢とHPV感染率にはHPVの種類に関わらず関連はみられなかったが、HPV感染を除去する免疫システムの能力は年齢とともに増大することがわかった。
近年、少女および若い女性を対象にHPVワクチンの接種が拡大しているが、男性へのワクチン接種はまだ一般的ではない。同誌に掲載の付随論説によると、女性を保護するために男性にHPVワクチンを接種する費用便益比は明確にされていないが、男性へのワクチン接種により肛門癌など多くの疾患の予防が可能となることから、男女におけるルーチンの予防接種がコストパフォーマンスを高めると見られている。
今週に入り、目を赤く腫らした子どもたちの受診が増えてきました。
みな、スギ花粉症です。
今年の症状は例年と比べてひどい傾向があり「大量飛散」を実感してます。
例年、怪しい症状が出ると「花粉症かどうか検査してください」と希望される患者さんが多いのですが、今年に限っては検査希望者が少ないので不思議に思っていました。
その理由は「症状がとにかく強いので迷う要素がない」からでしょう。
昼は鼻水が止まらず、目が痒くて腫れるほどこすり、夜は鼻づまりが苦しくて眠れず・・・もう花粉症以外の何者でもありません。
検査よりも「この症状をなんとかして!」という切羽詰まった状況です。
先日、妊婦・授乳婦さんの花粉症治療について書きましたが、今日は一般患者さんの治療について記してみます。
花粉症の薬物治療は内服薬と局所療法(点眼・点鼻)を組み合わせて行います。
内服は抗アレルギー薬。
以前は効く薬ほど眠くなるのが玉に瑕だったのですが、近年、有効かつ眠くならない薬が次々開発されてきました。なかには飛行機のパイロットにも許可されている薬もあり、かぜ薬の鼻水止めで眠くなりやすい方はご相談ください。
点眼・点鼻薬は軽症なら抗アレルギー薬、中等症以上ならステロイド薬。
点眼もしみるタイプとしみないタイプがあり、お好みで選べます。
私はしみない方が好きですが、たまに「しみないと効いた感じがしない」という患者さんがいらっしゃいます。
重症者で使うステロイド点眼薬は副作用として眼圧が上がることがありますので、眼科の先生の管理の下で使う必要があります(当院では処方していません)。
点鼻薬は液体タイプと粉タイプがあります。シュッと噴霧するのと同時に鼻をすすって奥まで薬を送り込む必要がありますが、鼻が完全に閉塞しているとすすることさえできませんから、鼻閉が強いときは粉タイプを選択します。
なお、点鼻のステロイド薬は長期間使用すると鼻出血が多くなる程度で深刻な副作用は報告されていません。
以上が小児科(あるいは内科)で行うスタンダードな薬物療法です。
これでも症状が治まらず辛い日々が続くときは、一番強い症状が出る場所の専門医(目なら眼科、鼻なら耳鼻科)へ相談してください。
当院ではスタンダードの治療法の他に、漢方薬を使用しています。
小青竜湯、越婢加朮湯、葛根湯加川芎辛夷、苓甘姜味辛夏仁湯、麦門冬湯、柴胡桂枝湯・・・などを症状・証(虚実・寒熱など漢方的診断法)に基づいて使い分けます。
概して眠気を覚ます薬が多く、西洋薬と併用すると眠気が消えて効果倍増、を期待して処方しています。評判は上々(?)かな。
なぜ漢方薬を使いようになったかと云えば、それは自分自身が飲んで効いたから。
花粉症を発症した30歳台は抗アレルギー薬を飲んでいましたが、症状を抑える程まで効かず、点眼・点鼻薬が手放せませんでした。
某漢方セミナーを聴講して花粉症は漢方薬の得意分野であることを知り、早速自分で試したところこれがよく効きました。点眼・点鼻薬が必要なくなりました。
それから患者さんにも処方するようになったのです。
※ 当院HP「花粉症」も御参照ください。
私自身の現在の治療は・・・朝はアレグラ、夜はアレロック、それに漢方薬の苓甘姜味辛夏仁湯を併用(大量飛散を見込んで最初から併用)し、点眼・点鼻薬も使って今のところ何とかなってます。
もちろん、外出時はマスクとゴーグル型サングラスを着用して完全防備(鏡を見ると怪しい中年男・・・)。
<ステロイド薬との賢いつきあい方>
重症のアレルギー疾患の治療はステロイドの力を借りる必要があります。喘息の治療は吸入ステロイド、アトピー性皮膚炎はステロイド軟膏、花粉症ではステロイドの点眼・点鼻薬などなど。
ここで注目すべきは、「アレルギー疾患に使うステロイドは内服薬(全身投与)ではない」点です。
内服薬は腸から吸収されて全身を巡るので全身性副作用が問題になります。そこで病気のある場所だけにステロイドを使う局所療法(吸入・軟膏・点眼・点鼻)が発達してきたのです。
中には注射薬(白い混濁液の「ケナコルト」)を使う先生がいらっしゃいますが、あの薬はステロイドなので全身性の副作用が心配な方は避けるべきでしょう(当院では使いません)。
また、内服でも「セレスタミン」という薬もステロイドなので、他の治療でよくならない場合に限り最後の手段として使います。
みな、スギ花粉症です。
今年の症状は例年と比べてひどい傾向があり「大量飛散」を実感してます。
例年、怪しい症状が出ると「花粉症かどうか検査してください」と希望される患者さんが多いのですが、今年に限っては検査希望者が少ないので不思議に思っていました。
その理由は「症状がとにかく強いので迷う要素がない」からでしょう。
昼は鼻水が止まらず、目が痒くて腫れるほどこすり、夜は鼻づまりが苦しくて眠れず・・・もう花粉症以外の何者でもありません。
検査よりも「この症状をなんとかして!」という切羽詰まった状況です。
先日、妊婦・授乳婦さんの花粉症治療について書きましたが、今日は一般患者さんの治療について記してみます。
花粉症の薬物治療は内服薬と局所療法(点眼・点鼻)を組み合わせて行います。
内服は抗アレルギー薬。
以前は効く薬ほど眠くなるのが玉に瑕だったのですが、近年、有効かつ眠くならない薬が次々開発されてきました。なかには飛行機のパイロットにも許可されている薬もあり、かぜ薬の鼻水止めで眠くなりやすい方はご相談ください。
点眼・点鼻薬は軽症なら抗アレルギー薬、中等症以上ならステロイド薬。
点眼もしみるタイプとしみないタイプがあり、お好みで選べます。
私はしみない方が好きですが、たまに「しみないと効いた感じがしない」という患者さんがいらっしゃいます。
重症者で使うステロイド点眼薬は副作用として眼圧が上がることがありますので、眼科の先生の管理の下で使う必要があります(当院では処方していません)。
点鼻薬は液体タイプと粉タイプがあります。シュッと噴霧するのと同時に鼻をすすって奥まで薬を送り込む必要がありますが、鼻が完全に閉塞しているとすすることさえできませんから、鼻閉が強いときは粉タイプを選択します。
なお、点鼻のステロイド薬は長期間使用すると鼻出血が多くなる程度で深刻な副作用は報告されていません。
以上が小児科(あるいは内科)で行うスタンダードな薬物療法です。
これでも症状が治まらず辛い日々が続くときは、一番強い症状が出る場所の専門医(目なら眼科、鼻なら耳鼻科)へ相談してください。
当院ではスタンダードの治療法の他に、漢方薬を使用しています。
小青竜湯、越婢加朮湯、葛根湯加川芎辛夷、苓甘姜味辛夏仁湯、麦門冬湯、柴胡桂枝湯・・・などを症状・証(虚実・寒熱など漢方的診断法)に基づいて使い分けます。
概して眠気を覚ます薬が多く、西洋薬と併用すると眠気が消えて効果倍増、を期待して処方しています。評判は上々(?)かな。
なぜ漢方薬を使いようになったかと云えば、それは自分自身が飲んで効いたから。
花粉症を発症した30歳台は抗アレルギー薬を飲んでいましたが、症状を抑える程まで効かず、点眼・点鼻薬が手放せませんでした。
某漢方セミナーを聴講して花粉症は漢方薬の得意分野であることを知り、早速自分で試したところこれがよく効きました。点眼・点鼻薬が必要なくなりました。
それから患者さんにも処方するようになったのです。
※ 当院HP「花粉症」も御参照ください。
私自身の現在の治療は・・・朝はアレグラ、夜はアレロック、それに漢方薬の苓甘姜味辛夏仁湯を併用(大量飛散を見込んで最初から併用)し、点眼・点鼻薬も使って今のところ何とかなってます。
もちろん、外出時はマスクとゴーグル型サングラスを着用して完全防備(鏡を見ると怪しい中年男・・・)。
<ステロイド薬との賢いつきあい方>
重症のアレルギー疾患の治療はステロイドの力を借りる必要があります。喘息の治療は吸入ステロイド、アトピー性皮膚炎はステロイド軟膏、花粉症ではステロイドの点眼・点鼻薬などなど。
ここで注目すべきは、「アレルギー疾患に使うステロイドは内服薬(全身投与)ではない」点です。
内服薬は腸から吸収されて全身を巡るので全身性副作用が問題になります。そこで病気のある場所だけにステロイドを使う局所療法(吸入・軟膏・点眼・点鼻)が発達してきたのです。
中には注射薬(白い混濁液の「ケナコルト」)を使う先生がいらっしゃいますが、あの薬はステロイドなので全身性の副作用が心配な方は避けるべきでしょう(当院では使いません)。
また、内服でも「セレスタミン」という薬もステロイドなので、他の治療でよくならない場合に限り最後の手段として使います。
日本の米軍基地から飛び立った軍用機による低空飛行で民家が被害を被った記事;
■ 岡山、低空飛行は米軍機2機 津山の土蔵崩壊
岡山県津山市で2日、民家の土蔵が崩壊し、同じころ低空で飛ぶ軍用機が目撃された問題で、米軍岩国基地(山口県岩国市)は8日、飛行したのは同基地所属の米軍機2機だったと発表した。
米軍側は「日米合同委員会で決められた規則(の高度)に従っていた」としている。
中国四国防衛局(広島市)によると、米軍側は2機の進路や飛行目的を明らかにしていない。同防衛局は7日に現地調査しており、崩壊との因果関係を判断する。
土蔵は津山市上田邑の農業男性(66)宅にあり、2階ぐらいの高さで、幅・奥行き約4・5メートル。2日午後3時ごろに突然崩壊した。同じころ、軍用機が低空飛行していたという複数の目撃情報が岡山県などに寄せられていた。
実はこのようなトラブルは以前からたくさん発生しています。
もう15年以上前になりますが、群馬県前橋市に住んでいた頃、赤城山の南面の民家のガラスが飛行機の振動音(波動?)で割れたというニュースをよく耳にしました。「米軍機&低空飛行&群馬県」で検索すると下記の記事がヒットしました:
・「厚木の米軍機? 群馬で騒音申告、GW配備後急増の苦情最多に」(2011.2.26:神奈川新聞)
・「厚木基地離着陸の米軍戦闘機が急増、市民活動団体がデータ発表」(2010.3.5:神奈川新聞)
・「厚木は今<2>攻撃訓練 市街上空で目撃急増」(2008.4.8:中国新聞)
その後も全然改善されていないようです。
私の住む北関東は「横田空域」に当たるので、毎日軍用機がうなりを上げて低空飛行を繰り返しうんざり。ホント、石を投げれば当たるんじゃないかと思うほど近くに感じます。
私の頭上に広がる空を日本の飛行機が通るためにはアメリカの許可が必要となります。日本の空でありながら、アメリカが支配しているのです。
この事実を知ったとき、「日本がアメリカに戦争で負けた傷跡」が未だに残っていることを思い知らされて愕然としました。ちなみに、アメリカでは超低空飛行の訓練は行われないそうです。ハッキリ云って、日本は馬鹿にされているとしか思えません。
自民党政権が民主党政権に代わっても、アメリカ軍用機超低空飛行は続いていますね(実効力・実行力のない共産党だけは反対声明を出していますが)。残念です。
■ 岡山、低空飛行は米軍機2機 津山の土蔵崩壊
2011.3.8:共同通信
岡山県津山市で2日、民家の土蔵が崩壊し、同じころ低空で飛ぶ軍用機が目撃された問題で、米軍岩国基地(山口県岩国市)は8日、飛行したのは同基地所属の米軍機2機だったと発表した。
米軍側は「日米合同委員会で決められた規則(の高度)に従っていた」としている。
中国四国防衛局(広島市)によると、米軍側は2機の進路や飛行目的を明らかにしていない。同防衛局は7日に現地調査しており、崩壊との因果関係を判断する。
土蔵は津山市上田邑の農業男性(66)宅にあり、2階ぐらいの高さで、幅・奥行き約4・5メートル。2日午後3時ごろに突然崩壊した。同じころ、軍用機が低空飛行していたという複数の目撃情報が岡山県などに寄せられていた。
実はこのようなトラブルは以前からたくさん発生しています。
もう15年以上前になりますが、群馬県前橋市に住んでいた頃、赤城山の南面の民家のガラスが飛行機の振動音(波動?)で割れたというニュースをよく耳にしました。「米軍機&低空飛行&群馬県」で検索すると下記の記事がヒットしました:
・「厚木の米軍機? 群馬で騒音申告、GW配備後急増の苦情最多に」(2011.2.26:神奈川新聞)
・「厚木基地離着陸の米軍戦闘機が急増、市民活動団体がデータ発表」(2010.3.5:神奈川新聞)
・「厚木は今<2>攻撃訓練 市街上空で目撃急増」(2008.4.8:中国新聞)
その後も全然改善されていないようです。
私の住む北関東は「横田空域」に当たるので、毎日軍用機がうなりを上げて低空飛行を繰り返しうんざり。ホント、石を投げれば当たるんじゃないかと思うほど近くに感じます。
私の頭上に広がる空を日本の飛行機が通るためにはアメリカの許可が必要となります。日本の空でありながら、アメリカが支配しているのです。
この事実を知ったとき、「日本がアメリカに戦争で負けた傷跡」が未だに残っていることを思い知らされて愕然としました。ちなみに、アメリカでは超低空飛行の訓練は行われないそうです。ハッキリ云って、日本は馬鹿にされているとしか思えません。
自民党政権が民主党政権に代わっても、アメリカ軍用機超低空飛行は続いていますね(実効力・実行力のない共産党だけは反対声明を出していますが)。残念です。
3/8に行われた厚生労働省における会議の様子がうかがい知れる記事がありました;
■ 剖検結果や同時接種の実績などの収集急ぐ 小児肺炎球菌ワクチン、Hibワクチン接種見合わせは継続
3月8日に合同開催された医薬品等安全対策部会安全対策調査会および子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の様子。
小児用7価肺炎球菌ワクチン(商品名プレベナー)やインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン(同アクトヒブ)などの接種後の死亡例が相次いで報告された件について、厚生労働省は2011年3月8日、専門家を交えた検討を行った。ワクチン接種と死亡との因果関係については究明に至らず、両ワクチンの接種見合わせは当面継続することになった。
議論を行ったのは、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会および子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会。3月2日から7日までに報告された、上記2種のワクチンのいずれかまたは両方を接種した後に死亡した乳幼児5人について検討が行われた。
5人中3人は百日咳・ジフテリア・破傷風(DPT)3種混合ワクチン、1人はBCGとの同時接種も行われていた。年齢は6カ月未満から2歳代で、呼吸器疾患や先天性心疾患を持っていた乳幼児が3人。1人は基礎疾患がなく、1人については調査中だが、現時点で既往歴などは確認されていない。また、1人は死亡後の行政解剖で誤嚥が認められたことも報告された。
同会では、考え得る死因として、感染症、心機能の低下、睡眠中に突然死亡する乳幼児突然症候群(SIDS)の可能性などが挙がったが、いずれの症例も現段階では剖検結果や基礎疾患の状態といった詳細な情報を欠いており、同会は「現時点ではワクチン接種と死亡との因果関係を否定も肯定もできない」との見解をまとめた。
なお、5人中2人で接種した肺炎球菌ワクチンのロット番号が一致していたことなどから、各ワクチンのロットについて、メーカー側が提出したエンドトキシン試験の結果を国立感染症研究所が検討した。その結果、ほかのロットとの違いは特に認められなかった。
以上の議論の結果、2種のワクチンの接種見合わせは、当面継続されることになった。
今回懸念されたのは、複数のワクチンの同時接種が死亡に関与しているのではないかという点だ。海外ではこれらのワクチンの同時接種がごく一般的に行われているが、日本での実績はまだ少ないことから、同会では、次回までにこれまでの同時接種の実績や、単剤で接種した場合との比較データなどをできる限り把握する方針。なお、同時接種に対する考え方については、今年1月に日本小児科学会が見解を示している。
厚労省は今回の議論を取りまとめ、3月8日付けで「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について」という文書をウェブサイト上に発表。死亡例に先天的心疾患を持つ小児が含まれていたことから、基礎疾患を持つ小児については、特に注意を払うよう呼びかけている。
今後、同会では、当該ワクチンの接種者数や、同時接種の実績などをできる限り把握した上で、対応策を協議する。接種見合わせを続けるかどうかについても、早くとも次回の検討を踏まえて決定される予定だ。次回の検討会の日程は未定だが、委員からは「中途半端に接種の見合わせを続けるのは望ましくない」との意見も寄せられており、同省は可及的速やかに情報収集に努めるとしている。
今後の予防接種再開に向けて問題となることは、
1.ワクチンそのものに問題はなかったか?
→ これは現時点では否定的。
2.同時接種の可否
→ 世界中で行われている(当然日系人も含まれる)接種方法が日本人に合わないという論理は成り立ちません。
3.基礎疾患のある児に対する予防接種は危険か否か
→ 感染症に罹ると重症化しやすく、本来ワクチンを最も必要とする子ども達です。
4.世界標準の筋肉注射へ変更するか、例外的な日本の皮下注射を続けるか。
→ ワクチンは同一でも、実は海外と日本では接種方法が上記のように異なります。
実際に同時接種として次々に皮下注射をしていくと、赤ちゃんの泣き方が変わってくるのを実感します。1本目は「痛くて泣いている」感じですが、2本目3本目となると尋常な泣き方ではありません。命の危険を感じ「怒って叫んでいる」かのようです。
ある医師の情報では、筋肉注射の方が皮下注射より泣き方が弱い(つまり痛みが少ない?)とのこと。激しい啼泣が体に及ぼす負担を検討する必要も出てくるかもしれません。
しかし、この件も接種数日後の死亡の理由にはなりにくそうです。
とにかく、今回の事例に関しては「接種後数日以内に死亡した」という時間関係しかありません。
例えば、「朝方ニワトリが鳴き、ほどなく太陽が昇る」という2つの現象に因果関係があるでしょうか。ニワトリは日内リズムに従って鳴いただけですし、太陽は地球の自転により見えるようになるだけです。続いて起こる現象ですが、ニワトリが鳴かなくても太陽は毎日昇ります。
私には「漠然とした不安」の他に、ワクチン接種を躊躇する材料が見あたりません。少なくとも現時点では。
■ 剖検結果や同時接種の実績などの収集急ぐ 小児肺炎球菌ワクチン、Hibワクチン接種見合わせは継続
2011. 3. 9:黒原由紀=日経メディカル
3月8日に合同開催された医薬品等安全対策部会安全対策調査会および子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の様子。
小児用7価肺炎球菌ワクチン(商品名プレベナー)やインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン(同アクトヒブ)などの接種後の死亡例が相次いで報告された件について、厚生労働省は2011年3月8日、専門家を交えた検討を行った。ワクチン接種と死亡との因果関係については究明に至らず、両ワクチンの接種見合わせは当面継続することになった。
議論を行ったのは、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会および子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会。3月2日から7日までに報告された、上記2種のワクチンのいずれかまたは両方を接種した後に死亡した乳幼児5人について検討が行われた。
5人中3人は百日咳・ジフテリア・破傷風(DPT)3種混合ワクチン、1人はBCGとの同時接種も行われていた。年齢は6カ月未満から2歳代で、呼吸器疾患や先天性心疾患を持っていた乳幼児が3人。1人は基礎疾患がなく、1人については調査中だが、現時点で既往歴などは確認されていない。また、1人は死亡後の行政解剖で誤嚥が認められたことも報告された。
同会では、考え得る死因として、感染症、心機能の低下、睡眠中に突然死亡する乳幼児突然症候群(SIDS)の可能性などが挙がったが、いずれの症例も現段階では剖検結果や基礎疾患の状態といった詳細な情報を欠いており、同会は「現時点ではワクチン接種と死亡との因果関係を否定も肯定もできない」との見解をまとめた。
なお、5人中2人で接種した肺炎球菌ワクチンのロット番号が一致していたことなどから、各ワクチンのロットについて、メーカー側が提出したエンドトキシン試験の結果を国立感染症研究所が検討した。その結果、ほかのロットとの違いは特に認められなかった。
以上の議論の結果、2種のワクチンの接種見合わせは、当面継続されることになった。
今回懸念されたのは、複数のワクチンの同時接種が死亡に関与しているのではないかという点だ。海外ではこれらのワクチンの同時接種がごく一般的に行われているが、日本での実績はまだ少ないことから、同会では、次回までにこれまでの同時接種の実績や、単剤で接種した場合との比較データなどをできる限り把握する方針。なお、同時接種に対する考え方については、今年1月に日本小児科学会が見解を示している。
厚労省は今回の議論を取りまとめ、3月8日付けで「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について」という文書をウェブサイト上に発表。死亡例に先天的心疾患を持つ小児が含まれていたことから、基礎疾患を持つ小児については、特に注意を払うよう呼びかけている。
今後、同会では、当該ワクチンの接種者数や、同時接種の実績などをできる限り把握した上で、対応策を協議する。接種見合わせを続けるかどうかについても、早くとも次回の検討を踏まえて決定される予定だ。次回の検討会の日程は未定だが、委員からは「中途半端に接種の見合わせを続けるのは望ましくない」との意見も寄せられており、同省は可及的速やかに情報収集に努めるとしている。
今後の予防接種再開に向けて問題となることは、
1.ワクチンそのものに問題はなかったか?
→ これは現時点では否定的。
2.同時接種の可否
→ 世界中で行われている(当然日系人も含まれる)接種方法が日本人に合わないという論理は成り立ちません。
3.基礎疾患のある児に対する予防接種は危険か否か
→ 感染症に罹ると重症化しやすく、本来ワクチンを最も必要とする子ども達です。
4.世界標準の筋肉注射へ変更するか、例外的な日本の皮下注射を続けるか。
→ ワクチンは同一でも、実は海外と日本では接種方法が上記のように異なります。
実際に同時接種として次々に皮下注射をしていくと、赤ちゃんの泣き方が変わってくるのを実感します。1本目は「痛くて泣いている」感じですが、2本目3本目となると尋常な泣き方ではありません。命の危険を感じ「怒って叫んでいる」かのようです。
ある医師の情報では、筋肉注射の方が皮下注射より泣き方が弱い(つまり痛みが少ない?)とのこと。激しい啼泣が体に及ぼす負担を検討する必要も出てくるかもしれません。
しかし、この件も接種数日後の死亡の理由にはなりにくそうです。
とにかく、今回の事例に関しては「接種後数日以内に死亡した」という時間関係しかありません。
例えば、「朝方ニワトリが鳴き、ほどなく太陽が昇る」という2つの現象に因果関係があるでしょうか。ニワトリは日内リズムに従って鳴いただけですし、太陽は地球の自転により見えるようになるだけです。続いて起こる現象ですが、ニワトリが鳴かなくても太陽は毎日昇ります。
私には「漠然とした不安」の他に、ワクチン接種を躊躇する材料が見あたりません。少なくとも現時点では。
先ほど会議が終わり、速報が流れました:
■ ワクチン同時接種問題、接種再開の判断は見送り
細菌性髄膜炎などを予防する小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」や、ヒブワクチン「アクトヒブ」などを同時接種した乳幼児の死亡が相次いだ問題で、専門家などで構成する厚生労働省の調査検討会は8日、死亡した5人の症例について、「現段階ではワクチン接種と死亡の間に明確な因果関係は認められない」と結論づけた。
ただ、一時見合わせている接種の再開については、複数のワクチンを同時接種した場合の影響などに関する詳しい情報が必要として判断を見送った。2週間後をめどに開催される検討会で最終結論を出す。
※ 会議の資料が厚生労働省のHPから閲覧可能です。
情報・資料を集め、2週間後に再検討するとのこと。
病死が証明できなければ「因果関係を否定」することは困難だと思います。あとは疫学的データでしょうか。
それまでは停止状態が続くことになります。
ヒブ、肺炎球菌による細菌性髄膜炎患者さんはその間も発生し続けます。
今回の会議の前に、兵庫県宝塚市の市長さんが厚生労働省に直訴したそうです。その内容の中に「接種再開の際には同時接種だけはやめてほしい」という文言があったと報道されています(3/7の産経新聞)。
この記事を読んで私は愕然としました。
科学的な根拠よりも漠然とした不安に駆られた市長さんの発言に、日本の現状を垣間見たような気がしました。
世界中で既に億の単位の数が接種されているワクチンであり、かつ同時接種は世界標準・・・安全性は既に証明されているはず。
「日本はワクチン後進国」というフレーズが有名になりましたが、その根底には「日本国民のワクチン認識力が低い」事実が存在するのです。
これには、腰の引けた日本政府のワクチン行政のみならず、それを見て見ぬ振りしてきたアカデミズム(小児科学会、ワクチン学会、感染症学会、etc.)の責任もあるはずです。
先日、日本小児科学会が重い腰を上げて「予防接種の同時接種に対する考え方」を発表しました(2011.1.19)。その中で「同時接種は問題ない」と断言しています。
今回の事例を受けて、小児科学会はどう反応するのでしょう。
■ ワクチン同時接種問題、接種再開の判断は見送り
(2011年3月8日21時32分 読売新聞)
細菌性髄膜炎などを予防する小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」や、ヒブワクチン「アクトヒブ」などを同時接種した乳幼児の死亡が相次いだ問題で、専門家などで構成する厚生労働省の調査検討会は8日、死亡した5人の症例について、「現段階ではワクチン接種と死亡の間に明確な因果関係は認められない」と結論づけた。
ただ、一時見合わせている接種の再開については、複数のワクチンを同時接種した場合の影響などに関する詳しい情報が必要として判断を見送った。2週間後をめどに開催される検討会で最終結論を出す。
※ 会議の資料が厚生労働省のHPから閲覧可能です。
情報・資料を集め、2週間後に再検討するとのこと。
病死が証明できなければ「因果関係を否定」することは困難だと思います。あとは疫学的データでしょうか。
それまでは停止状態が続くことになります。
ヒブ、肺炎球菌による細菌性髄膜炎患者さんはその間も発生し続けます。
今回の会議の前に、兵庫県宝塚市の市長さんが厚生労働省に直訴したそうです。その内容の中に「接種再開の際には同時接種だけはやめてほしい」という文言があったと報道されています(3/7の産経新聞)。
この記事を読んで私は愕然としました。
科学的な根拠よりも漠然とした不安に駆られた市長さんの発言に、日本の現状を垣間見たような気がしました。
世界中で既に億の単位の数が接種されているワクチンであり、かつ同時接種は世界標準・・・安全性は既に証明されているはず。
「日本はワクチン後進国」というフレーズが有名になりましたが、その根底には「日本国民のワクチン認識力が低い」事実が存在するのです。
これには、腰の引けた日本政府のワクチン行政のみならず、それを見て見ぬ振りしてきたアカデミズム(小児科学会、ワクチン学会、感染症学会、etc.)の責任もあるはずです。
先日、日本小児科学会が重い腰を上げて「予防接種の同時接種に対する考え方」を発表しました(2011.1.19)。その中で「同時接種は問題ない」と断言しています。
今回の事例を受けて、小児科学会はどう反応するのでしょう。
NHK-BSに「プラネットベイビーズ」という世界中の子育てを紹介する番組があります。
アン・サリーさんの優しいコットン・ボイスで唄われる主題歌「花のような人」とともに私のお気に入り。
各国のさまざまな子育てをのぞき見るたびに「フムフム」と感心したり、「ウ~ン」とうなったり、「この国に生まれなくてよかった」と胸をなで下ろしたり・・・。
その中でも、先日紹介されたバリ島の子育ては印象的でした。
赤ちゃんが生まれると105日目に「神聖なるもの」から「ヒト」になる儀式が盛大に行われます。村中の大人達がその準備のために集まります。一人の赤ちゃんのために村中総出なのです。人生の通過儀礼は民族ごとにありますが、バリ・ヒンドゥーの儀式はすごい。
それにも増して驚いたのは、生まれてからその儀式まで赤ちゃんを「家から出さない、地面に足をつけさせない」という約束事があることです。
つまり、いつも誰かが抱いているのです。当然、お母さんがいつも抱っこできるわけではありませんから、あるときはお父さんが抱き、あるときはおじいさん・おばあさん、お兄ちゃんといろんな人たちに抱っこされるわけです。
そして、赤ちゃんはめったに泣きません。だって、いつだってあやされているのですから、いつも幸せそうにニコニコしてます。
日本でも昔の大家族で育てられた赤ちゃんは、常に誰かが面倒を見ているので大きな声で泣くことはなかったと聞いたことがあります。
現代の日本で実現するのは難しそう・・・。
これまで、番組ではいろんな子育てが紹介されてきましたが、今のところ一番幸せそうなのはバリ島の赤ちゃんかな。
一番不幸せなのは「上海」の子ども達でしょうか。幼児期からの詰め込み教育に悲鳴をあげている子ども達が紹介されていました。生きていることに幸せを感じられない子どもが大人になったとき、その社会がどういう方向に進むのか、考えるだけで恐いです。
アン・サリーさんの優しいコットン・ボイスで唄われる主題歌「花のような人」とともに私のお気に入り。
各国のさまざまな子育てをのぞき見るたびに「フムフム」と感心したり、「ウ~ン」とうなったり、「この国に生まれなくてよかった」と胸をなで下ろしたり・・・。
その中でも、先日紹介されたバリ島の子育ては印象的でした。
赤ちゃんが生まれると105日目に「神聖なるもの」から「ヒト」になる儀式が盛大に行われます。村中の大人達がその準備のために集まります。一人の赤ちゃんのために村中総出なのです。人生の通過儀礼は民族ごとにありますが、バリ・ヒンドゥーの儀式はすごい。
それにも増して驚いたのは、生まれてからその儀式まで赤ちゃんを「家から出さない、地面に足をつけさせない」という約束事があることです。
つまり、いつも誰かが抱いているのです。当然、お母さんがいつも抱っこできるわけではありませんから、あるときはお父さんが抱き、あるときはおじいさん・おばあさん、お兄ちゃんといろんな人たちに抱っこされるわけです。
そして、赤ちゃんはめったに泣きません。だって、いつだってあやされているのですから、いつも幸せそうにニコニコしてます。
日本でも昔の大家族で育てられた赤ちゃんは、常に誰かが面倒を見ているので大きな声で泣くことはなかったと聞いたことがあります。
現代の日本で実現するのは難しそう・・・。
これまで、番組ではいろんな子育てが紹介されてきましたが、今のところ一番幸せそうなのはバリ島の赤ちゃんかな。
一番不幸せなのは「上海」の子ども達でしょうか。幼児期からの詰め込み教育に悲鳴をあげている子ども達が紹介されていました。生きていることに幸せを感じられない子どもが大人になったとき、その社会がどういう方向に進むのか、考えるだけで恐いです。
当院は小児科なのでお母さんの治療は基本的には行っておりませんが、時々「母乳をあげていると花粉症の薬は飲めないと云われた」と相談されることがあります。確かに、妊娠可能年齢の女性は花粉症の多い年代と重なり、切実な問題です。
その際、国立成育医療センターのHPを紹介して主治医と相談するよう説明しています。そこには「授乳中もクラリチンという抗アレルギー薬は問題なく使用できる」とありますね。
さて、妊娠と花粉症治療について、よくまとまっている記事を見つけましたので紹介(一部抜粋)します:
■ 花粉症 妊娠したいが服薬不安
【質問】20代の女性です。少し前から、目がかゆく鼻もぐすぐすしてきました。花粉症にかかったのだと思います。子どもがほしいと考えており、薬を飲むことは不安です。妊娠しても心配がない治療方法があれば教えてください。
【回答】外用薬なら悪影響少ない
赤ちゃんを希望されている妊娠準備期の女性の花粉症治療について説明しましょう。妊娠を希望されている女性は、どんな薬にも気を使われることと思います。妊娠4週から12週ごろまでは器官形成期と呼ばれ、赤ちゃんの主要な臓器が育つ時期です。花粉症に限らず、どんな病気であれ、内服薬は原則的に使用しない方が無難です。
どうしても投薬しなければならない症状がある場合には、薬の効果(有益性)が副作用(危険性)を上回る場合にのみ使用します。このような妊娠期の投与法を有益性投与といい、主治医との相談が必要です。
外用薬は、妊娠初期でも赤ちゃんに影響がほとんどないとされています。最近使われている花粉症治療の鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻の症状をしっかりと抑える作用があり、重篤な副作用も報告されていないため、知らないうちに妊娠したとしても大きな心配は必要ないと思います。
器官形成期が過ぎ、いわゆる安定期に入ったら、漢方治療も安全な治療としてお勧めできます。麻黄(まおう)といわれる生薬を含んだ漢方薬が鼻炎によく効くとされています。
妊娠経過が思わしくない場合には、安全を期して、麻黄がない漢方を使う方が安心です。妊娠中の鼻炎にはよく、桂枝湯(けいしとう)や香蘇酸(こうそさん)などが処方されます。これらに含まれる桂枝(シナモン)や蘇葉(そよう)(シソの葉)、生姜(しょうきょう)(ショウガ)などの生薬は、普段食べ慣れている食材と変わりないので、安心なのもうなずける気がしますね。
・・・局所療法中心に、飲み薬はやはり漢方薬の出番でしょうか。鼻閉の強い方にはレーザー治療も選択枝となりますので耳鼻科へご相談ください。将来解禁される「舌下免疫療法」にも期待したいですね。
※ 当院HP「スギ花粉症について」もご参照ください。
その際、国立成育医療センターのHPを紹介して主治医と相談するよう説明しています。そこには「授乳中もクラリチンという抗アレルギー薬は問題なく使用できる」とありますね。
さて、妊娠と花粉症治療について、よくまとまっている記事を見つけましたので紹介(一部抜粋)します:
■ 花粉症 妊娠したいが服薬不安
2011/3/6 10:42 徳島新聞
【質問】20代の女性です。少し前から、目がかゆく鼻もぐすぐすしてきました。花粉症にかかったのだと思います。子どもがほしいと考えており、薬を飲むことは不安です。妊娠しても心配がない治療方法があれば教えてください。
【回答】外用薬なら悪影響少ない
赤ちゃんを希望されている妊娠準備期の女性の花粉症治療について説明しましょう。妊娠を希望されている女性は、どんな薬にも気を使われることと思います。妊娠4週から12週ごろまでは器官形成期と呼ばれ、赤ちゃんの主要な臓器が育つ時期です。花粉症に限らず、どんな病気であれ、内服薬は原則的に使用しない方が無難です。
どうしても投薬しなければならない症状がある場合には、薬の効果(有益性)が副作用(危険性)を上回る場合にのみ使用します。このような妊娠期の投与法を有益性投与といい、主治医との相談が必要です。
外用薬は、妊娠初期でも赤ちゃんに影響がほとんどないとされています。最近使われている花粉症治療の鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻の症状をしっかりと抑える作用があり、重篤な副作用も報告されていないため、知らないうちに妊娠したとしても大きな心配は必要ないと思います。
器官形成期が過ぎ、いわゆる安定期に入ったら、漢方治療も安全な治療としてお勧めできます。麻黄(まおう)といわれる生薬を含んだ漢方薬が鼻炎によく効くとされています。
妊娠経過が思わしくない場合には、安全を期して、麻黄がない漢方を使う方が安心です。妊娠中の鼻炎にはよく、桂枝湯(けいしとう)や香蘇酸(こうそさん)などが処方されます。これらに含まれる桂枝(シナモン)や蘇葉(そよう)(シソの葉)、生姜(しょうきょう)(ショウガ)などの生薬は、普段食べ慣れている食材と変わりないので、安心なのもうなずける気がしますね。
阿南共栄病院耳鼻咽喉科医長 陣内自治(阿南市羽ノ浦中庄)
・・・局所療法中心に、飲み薬はやはり漢方薬の出番でしょうか。鼻閉の強い方にはレーザー治療も選択枝となりますので耳鼻科へご相談ください。将来解禁される「舌下免疫療法」にも期待したいですね。
※ 当院HP「スギ花粉症について」もご参照ください。