徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

ヒブ&肺炎球菌ワクチン接種停止:その後-1

2011年03月07日 06時49分17秒 | 小児科診療
 3/5に接種停止の連絡が当院にも届き、とりあえず今週の接種予定者には電話でその旨を伝えました。

 その後はニュースで取り上げられることなく、新聞もヒートアップせず静観している印象です。中国新聞が社説で取り上げていました;

ワクチン接種の中断 欠かせない冷静な対応
'11/3/6 中国新聞

 乳幼児の細菌性髄膜炎などを予防する小児用肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチン。接種した4人が相次いで亡くなった。
 いずれも世界100カ国以上で使われている。国内でも多くの自治体が接種の無料化に踏み切ったばかりだけに衝撃は大きい。
 厚生労働省はおととい、これらの接種を一時的に見合わせる措置を決めた。接種と死亡の関連が明らかでない以上、ここでいったん立ち止まるのは当然といえる。
 週明けにも専門家による調査会を開き、因果関係の評価を進めるという。科学的な根拠に基づく判断とともに、十分な情報の開示が求められる。
 4人は川崎、兵庫県の宝塚、西宮、京都市の生後3カ月~2歳。全員が肺炎球菌ワクチンを接種。同時にヒブワクチンと混合ワクチン(ジフテリア、百日ぜき、破傷風)を接種したのは2人で、残る2人はヒブか混合のいずれかを受けていた。接種翌日から3日後までに亡くなった。
 接種との関連について担当医は「評価不能」2人、「不明」2人と厚労省に報告しているようだ。
 一番の気掛かりは今回の死亡がワクチンの副作用によるものかどうかだろう。
 厚労省によると、昨年10月までに肺炎球菌ワクチンの接種を受けた推定70万人のうち副作用が報告されたのは42人。ヒブワクチンを受けた140万人中では44人だった。頻度は他のワクチンに比べて高くないものの、けいれんなど重い副作用も少数ながらあった。
 先月末にあった厚労省の調査会では共に「安全性に重大な懸念はない」とされたものの、今回のケースについて詳細な検討が急がれる。その際、明らかにしてほしい幾つかの疑問点がある。
 まず、製造段階で何らかの問題がなかったのかという点。肺炎球菌ワクチンは全員が同じメーカーで、2人はロット番号も同じだった。ヒブワクチンを受けた3人も同じメーカーだった。
 さらには複数のワクチンを一度に打つ同時接種との関係を気にする向きもあろう。海外では広く普及している方法で、副作用が強まる恐れはないとされてはいる。
 亡くなった子のうち2人に持病もあったという。死亡との関連について精査が必要だろう。
 親の不安に応えると同時に、動き始めたワクチン接種の態勢を後退させないためにも、しっかりした検証作業が不可欠だ。
 日本では1990年代、新三種混合(MMR)ワクチンの副作用の多発によって接種が中止された経緯がある。健康被害に対する訴訟も相次いだ。その後のワクチン行政が欧米に比べて大きく後れを取ったことは否めない。
 年間千人の子どもが細菌性髄膜炎を発症し、死亡率は2~5%とされる。重い後遺症となるケースもある。副作用のリスクがゼロというワクチンはない。いたずらに動揺せず、正しい情報に基づいた冷静な対応を心掛けたい。


 3/8には専門者会議が開催され、今回の問題を検討する予定とのこと。
 実はこの専門者会議、3/4に「新型インフルエンザワクチン、子宮頚癌ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンに問題はない」と発表したばかり。

【ワクチン評価の専門家委員会】インフルなど4ワクチン‐重大な懸念認められず
2011.3.4:薬事日報

 厚生労働省の「インフルエンザワクチンおよび子宮頸がんワクチン等の安全性に関する専門家委員会」は、昨年10月から接種を開始したインフルエンザワクチンの安全性について、1月末時点で「重大な懸念は認められない」との評価をまとめた。
 今シーズンのインフルワクチンは、季節性(A/H3N2およびB型)と、新型(A/H1N1)の3株混合の3価ワクチン。1月末現在、5110万回分が医療機関に納入された。接種との因果関係にかかわらず、医療機関が報告した副反応は661人で、頻度は10万回に1回程度だった。
 副反応のうち、入院などに相当する重篤なものは、医療機関から123人、製造販売業者から81人の報告があった(医療機関の報告と重複の可能性あり)。死亡例は22例(医療機関報告16人、企業報告6人)で、ワクチン接種との明確な因果関係がある症例は認められなかった。副反応の報告は、昨シーズン(09年10月~10年6月)の約10分の1に減少しているが、明確な理由は分かっていないという。
 この日の会合では、子宮頸癌とインフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌の3ワクチンについても審議し、安全性に重大な懸念は認められないと評価した。
 この中で、子宮頸癌ワクチン(09年12月から今年1月末までに延べ101万回の接種回数)については、128例の副反応のうち、失神が25例と目立ったため、委員から、年代別に失神発生頻度を調査、比較するよう求める意見が出た。


 これを踏まえて、どのような判断が下されるのか注目したいと思います。
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B型インフルエンザ微増

2011年03月06日 06時48分29秒 | 小児科診療
 当院の患者さんはインフルエンザが減り、代わって花粉症患者さんが増えてきています。
 例年、3月になるとB型インフルが出てきますが、今年も同様のようです。

B型インフルエンザが増加の兆し 熱下がりにくく長引く
2011年3月4日20時24分(朝日新聞)

 熱が長引きやすいのが特徴のB型インフルエンザによる患者が増えている。A香港型や新型の豚インフルといったほかのタイプの流行はピークを越えたが、専門家は手洗いの徹底など予防に気を抜かないよう呼びかけている。
 国立感染症研究所の分析では、B型は、インフル全体の流行期に入った昨年12月から1月半ばまで全体の3%にしか過ぎなかった。ところがここ約1カ月では1割を超えた。B型が新型インフルやA香港型をしのいだ県もある。
 インフルに詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師(小児科)によると、B型は重い肺炎を起こすことは少ないが、熱が下がりにくい。抗ウイルス薬のタミフルがA型に比べて効きにくいという。過去の調査では、患者の熱が37.5度以下になるまでの日数が、A香港型で平均1.31日だったのに対し、B型は同2.18日と差が出た。菅谷さんは「治るには3日近くかかる。かかったら十分な休養を」という。


 B型の特徴は、
① 症状は重くなりにくい。
② A型と比べて胃腸症状が多い。
③ ワクチンが効きにくい。
④ タミフルが効きにくい。
 などなど。

①について。
 ”高熱でグッタリ”という患者さんは少なく、診察室でも一見元気そうですが、検査すると陽性に出る、という印象があります。しかし、過去に問題となった「ライ症候群」という名のインフルエンザ脳症はA型よりB型に多いとされ、また歩けなくなるほど筋肉が痛くなる「インフルエンザ筋炎」もB型に多いと云われ、希な合併症ながら重篤になることもゼロではありません。

②について。
 今シーズンはA型でも胃腸症状がよくみられますので、この症状のあるなしで方の判別は不可能です。

③④について。
 ワクチンも薬も効かず、でも重症にもなりにくいという中途半端な印象のB型インフル。
 シーズン前に「ワクチンを早い時期に接種すると3月の流行までに免疫が弱くなって効かないのでは?」と心配される方が多いのですが、残念ながらB型にはもともと効果が弱いので心配には及びません。12~2月に流行し重症化しやすいA型を狙って早期に接種してください、と答えています。
 
 インフルエンザに罹った方に「来年はワクチンを打ちますか?」と尋ねると、A型の場合は「絶対打ちます」との答えが多く、一方B型では「このくらいで済むならやりません」という答えが多いですね。

 
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リンゴ病流行中

2011年03月05日 20時58分53秒 | 小児科診療
 最近、リンゴ病の患者さんをよく見かけるなあ・・・と思っていたらこんな記事を見つけました。全国的な傾向なんですね。

リンゴ病、全国で増加 妊婦は特にご用心
2011年3月4日:共同通信社

 両頬が赤くなるのが特徴で、「リンゴ病」と呼ばれる感染症「伝染性紅斑」の患者が全国で増え、1月からの累計は2000年以降では07年に次いで多いことが国立感染症研究所のまとめで4日、分かった。
 4~6年周期で流行しており、専門家は「今年は流行する可能性がある」と指摘している。
 せきやくしゃみのほか接触によって感染し、感染自体を防ぐことは難しい。患者は子どもが多いが、妊婦が感染すると、胎児の組織などに液体がたまる「胎児水腫」や流産の恐れもある。同研究所は「保育園や幼稚園、小学校で流行している場合は、妊婦は施設に立ち入らないようにするなど、注意が必要だ」と呼び掛けている。
 例年は夏ごろがピークで、多い年では1週間に1機関当たりの患者が1人を超えることもある。
 原因ウイルスは「ヒトパルボウイルスB19」。頬や腕、脚などが赤くなるほか、かぜのような症状を示すが、症状が出ない不顕性感染も多い。成人の場合は頬が赤くなることは少ないが、関節痛や関節炎が起きる。


 この病気のポイントは3つあります;
① 症状が出たときにはほとんど感染力がなくなっているので、学校・園を休む必要がない。
② 大人が罹ると関節痛が強くリウマチと間違えられることがある。
③ 妊婦さんが罹るとお腹の赤ちゃんに影響が出ることがある。

①について;
 ほっぺたが赤いのが気にならなければ「人にうつすから」という理由で欠席する必要はありません(小児科学会の見解)。ではいつうつるのかというと・・・症状が出る約1週間くらい前に軽い風邪症状が出ます。このときにウイルスをばらまいているのです。つまり、感染を防ぐのは難しい、ということになります。

②について;
 実際に内科でリウマチの検査をされたお母さんがいました。
 ほんとにつらいそうです。

③について;
 妊婦さんが罹っても典型的な症状が出ないことがあるので「ほっぺが赤くならないから大丈夫」とは言えません。リンゴ病患者と日常的に接触している妊婦さんは産科の主治医に相談してください。エコー検査の回数を増やすとか、対応してくれると思います。

<参考HP>
国立感染症研究所の「伝染性紅斑」
当院HP内の「伝染性紅斑」
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肺炎球菌ワクチン(プレベナー)接種後死亡4例

2011年03月05日 06時30分54秒 | 小児科診療
昨日、ワクチンを同時接種した乳児が翌日死亡したというニュースが入りました。今朝のNHKニュースでは「4例発生」として報道されました;

接種と死亡の因果関係 調査へ
3月5日 4時42分 NHK

 幼い子どもの細菌性の髄膜炎を予防する小児用肺炎球菌ワクチンを別のワクチンなどと同時に接種した乳幼児あわせて4人が相次いで死亡したことが分かり、厚生労働省は、接種と死亡の因果関係を詳しく調べるとともに、念のためワクチンの接種を一時的に見合わせることを自治体や医療機関などに連絡しました。
 厚生労働省によりますと、幼い子どもの細菌性の髄膜炎を予防する小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンと、別のワクチンなどを同時に接種した乳幼児4人が、先月から今月にかけて相次いで死亡しました。
 この4人は、兵庫県宝塚市の2歳の男の子と西宮市の1歳7か月の女の子、それに京都市の生後6か月の女の子、川崎市の生後3か月の女の子で、いずれも接種の翌日から3日後までに死亡したということです。
 4人のうち少なくとも2人は肺や心臓などに持病があったものの、これまでに寄せられた情報では、ワクチンの接種と死亡との因果関係はいずれも分からないということです。
 また、ヒブワクチンは平成20年12月に発売が始まってから110万人が、小児用肺炎球菌ワクチンは去年2月の発売開始から155万人が、それぞれ接種したとみられていますが、今回のケース以前に、接種後に死亡したケースはヒブワクチンで1例あったものの、死亡との因果関係は分からなかったということです。
 このため、厚生労働省は週明けにも専門家による検討会を開いて、今回の4人の接種と死亡との因果関係を詳しく調べるとともに、念のため、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンについては、因果関係がはっきりするまで一時的に接種を見合わせることを決め、自治体や医療機関などに連絡しました。


厚生労働省の発表記事

 亡くなられた子ども達のご冥福をお祈りします。

 今回問題視されている肺炎球菌ワクチンは世界中で接種されてきたワクチンであり、日本だけで副反応が問題になることは元々のワクチンの責任とは考えにくく、しかし製造過程で有害物質が混入したという過去の事例(別のワクチン)もあり、真相解明が待たれます。

 ワクチン接種後に発生した健康障害を「有害事象」と呼びます。これは時間関係のみが必要条件で、ワクチンと無関係なものも混じってきます。例えば、接種後待合室で様子観察しているときに転んで頭をぶつけて怪我をした、ということも含まれます。
 ワクチンが原因で発生した健康障害を「副反応」と呼びます。時間関係のみならず、いわゆる因果関係が証明されたものです。例えば、ポリオワクチン接種後に麻痺が発生した例がこれに当たります。

 日本人、とくにマスコミはこの二つを混同し「有害事象」=「副反応」と捉えがちです。「ワクチンは毒だ」と云わんばかりに報道して恐怖心を煽り、厚生労働省はワクチン接種を見合わさざるを得ず、その空白期間にワクチンで防げたであろう感染症による子どもの死亡例が発生する悲しい歴史を繰り返してきました。

 日本の裁判所は予防接種と因果関係が認められていない「有害事象」でも、被害者を救済するためにワクチンを悪者にしてきました。「因果関係が否定できないから」と。
 これには日本のワクチン行政の問題点が裏に潜んでいます。
 日本のワクチン被害者は、裁判で勝つことが唯一の救済方法です。そのため、「被害者がかわいそうだ」という感情論のレベルで「因果関係は証明されないけど、関係を否定する証拠もない」という理由をつけて救済せざるを得なかったのです。
 
 一方、欧米では「無過失補償制度」というシステムを作ってワクチンによる予防医療の停止を避けてきました。これは、ワクチンによる有害事象・副反応が発生した際、裁判に持ち込まなくても「ワクチンは医薬品であり副反応は一定の確率で発生するもの」と捉え、無条件で救済されるシステムです。この基金はワクチン1本に数ポンド入っているお金で賄っていると聞いています。

 たくさんワクチンが接種されれば、紛れ込み事故も当然増えてきます。
 欧米でも一時「ワクチンが原因で自閉症になる」という論文が発表され問題視されたことがありました。
 しかし、当該ワクチンを接種した子ども達と、接種しなかった子ども達の間に自閉症発生率の差がないことが証明され、この問題は解決しました。自閉症の症状が明らかになる年齢とワクチン接種年齢が重なっていたため、家族が「ワクチンのせいでこうなった」と錯覚したのです。さらに問題を提起した論文のデータがねつ造されていることが判明し、報告した医師は医師免許を剥奪されています。

 日本では肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンで命が救われる子どもが毎年何十人も発生しています。
 是非とも早急に真相を解明し、正しい判断をしていただくことを切に希望します。
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麻疹ゼロ作戦

2011年03月03日 22時05分55秒 | 小児科診療
本日のニュースをひとつ;

はしか流行ゼロ、道遠く 「ワクチン接種は月内に」
2011年3月3日 提供:共同通信社

 2010年度のはしかワクチンの接種率は昨年末時点で、費用が公費で賄われる定期接種の対象年齢により、全国平均で58・8~70・9%だったと厚生労働省が2日、発表した。
 国内流行をなくすための予防接種率の目標95%には程遠い状況で、厚労省は「対象者の定期接種は3月末までなので、早めに接種してほしい」と呼び掛けている。
 はしかの予防には、ワクチンの2回接種が有効とされる。国は12年度までに、はしかの国内流行ゼロを目指しており、予防接種率95%を目標としているが、これまで達成できた年はない。


 近年「日本は麻疹の輸出国」と欧米から批判されてきましたが、2回定期接種が導入されてから減少し、日本国内では逆に輸入例が増えてきた、というニュースも流れたばかり。

 接種率が上がらない最大の理由は「麻疹という病気の怖さ」が実感としてないからだと思います。
 江戸時代までは「天然痘の器量定め、はしかの命定め」として、はしかは子どもの命を奪う病気として恐れられていました。

 私の小児科医生活20数年の中で、今から10年ほど前にはしかの流行を経験しました。患者さんの1/3は合併症で入院しました。呼吸器系の合併症(肺炎や喉頭炎)で入院した患者さん達の咳が一晩中続き、医学・医療の無力さに切なくなりました。

 はしかに効く薬は残念ながら現代医療にも無いのです。

 3種混合に含まれている百日咳も乳児が罹ると無呼吸発作を起こして悲惨です。
 動画が見つかりましたのでご覧ください。
<百日咳に罹った赤ちゃんの無呼吸発作>
 息ができなくて顔色が悪くなる赤ちゃん・・・かわいそうで見ていられません。

 ワクチン反対派の意見も一理あるとは思いますが、副反応を強調しすぎていると感じます。まずは病気の重さを知り、特効薬がないことを知ってから副反応の程度・頻度と比べて判断するのが筋だと思います。

 ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは「細菌性髄膜炎(=化膿性髄膜炎)」を予防するワクチンです。
 病名になじみがないかもしれませんが、子どもが高熱で意識がおかしくなったとき「菌が脳に入ったんじゃないだろうか?」と心配になる、その病気の名前です。
 総合病院小児科に勤務しているときは1年間に1~2人の患者さんを診療しました。
 意識がもうろうとし、けいれんが何回も起こる子どもを見ているのは家族も医師も看護師もつらいものです。治療を尽くしても5%は死亡、10~20%には後遺症が残る恐い病気です。
 その病気がワクチンで予防できるなんて夢のよう。
 アメリカではこの2つのワクチンを導入後、細菌性髄膜炎が1/100に減ったという実績があります。

 こういう事実を知る機会がもっとあればいいのに。

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