「先天性風疹症候群を減らすラストチャンス!」の続編です。
締め切りまであと2週間。
▢ 記者絶句…「まさか自分が」 じゅうぶんな風しん抗体無くワクチン接種対象… 風しん抗体検査とワクチン接種原則無料のクーポン券有効期限は2025年2月末
(2025/2/8:感染症・予防接種ナビ)より一部抜粋(下線は私が引きました);
◆ クーポン使用期限は2月末まで
厚生労働省は、風しんワクチンの定期接種の機会がなかった 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象に、風しんの抗体検査と予防接種を原則無料で実施しています。対象者には、お住まいの自治体からクーポン券が配布されています。風しんは、成人がかかると症状が重くなることがある他、妊娠初期の妊婦さんに感染させてしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が起きることがあります。対象年代の男性は、過去に公的なワクチン接種を受けていないため、風しんに対し、じゅうぶんな抗体を持っていない可能性があります。
◆ 風しんとは
風しんは、感染者の飛まつ(唾液のしぶき)などによって他の人にうつる、・・・風しんウイルスによって引き起こされる感染症です。感染すると、約2〜3週間後に発熱や発しん、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。子どもは比較的症状が軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、2,000〜5,000人に1人位の割合で発生することがあります。妊娠早期の妊婦が風しんに感染すると、出生児が先天性風しん症候群(眼や耳、心臓に障害が出ること)になる可能性があります。大人になって感染すると無症状~軽症のことが多いですが、まれに重篤な合併症を併発することがあります。また、無症状でも他人に風しんをうつすことがあるので、感染を拡大させないためには、社会全体が免疫を持つこと(=抗体保有率が高いこと)が重要です。
◆ “先天性風しん症候群”を防ぐために
2024年10月、本メディア記者が、大阪府済生会中津病院の安井良則医師と共に訪れた名古屋で、風疹をなくそうの会 『hand in hand』共同代表の可児佳代さんから、風しんについて、お話を伺う機会がありました。可児さんは、自身が妊娠初期に感染したことで、お子さんが“先天性風しん症候群”を発症した経験を講演会などを通じ、広く訴え続けています。 “先天性風しん症候群”は、先天性心疾患・難聴・白内障などと言った障害を引き起こす可能性があります。風しんは、新型コロナウイルス感染症の流行以後、大きな流行を見せていませんが、2012年から2013年には大きな流行を見せ、2012年10月~2014年10月に、45人の先天性風しん症候群の患者が報告されています。 可児さんは「“先天性風しん症候群”をはじめ、風しんに対し、ある程度の知識をお持ちの方は、妊娠機会のある女性が多い印象ですが、男性は、風しんに関して、知識が少ないケースも見受けられます。妊婦さんが注意していても、ワクチンを接種していなかったり、免疫の無い男性が家庭にウイルスを持ち込んでしまう恐れもあります。“先天性風しん症候群”を防ぐため、男性にも、知って頂きたい感染症です」と話します。
厚生労働省はHPで、「現在、配布中のクーポンは、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの“男性”が対象で、この年代の男性の皆様がこれから抗体検査を受け、必要な予防接種を受けると、免疫を持っている人が増え、風しんの流行はなくなると言われている」として、クーポンを使用しての検査を呼び掛けています。
◆ 記者が検査「まさか自分が…」
可児さんのお話を伺った、記者は、昭和54年1月生まれのクーポン対象者。記者自身、母親から、「“三日はしか(風しん)”の様な症状が出たことが、小さい頃にあった。医師にも、“三日はしか(風しん)”だろう」と言われて育っていたので、クーポンの存在は認識しながらも、検査は受けていませんでした。しかし、可児さんのお話を受けて、念のため、2024年の年末休みを利用し、検査を受けることに。その後、1週間ほどで出た検査結果は、“抗体価4.6”。ワクチン接種対象と言うことが判明(※6.0未満が接種対象)。
検査結果に絶句しました。現在、風しん含有ワクチンの供給が円滑とは言えない状況にあるため、クリニックにワクチンの在庫状況を確認。クリニックからは、『在庫に、ある程度の余裕がある。ワクチン自体の有効期限もあるため、接種した方が良い』との回答で、年明けの1月中旬にワクチンを接種しました。検査結果には「まさか自分が…」と驚きました。過去に感染したことがあると思い込み、検査が遅れたことに反省しています。私のように、クーポンが配布された年代の方で、私同様の方も、いらっしゃると思います。ぜひ、検査を受けて頂ければと考えています。
◆ 感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「対象年代の男性は、勤務時間の関係などから、なかなか検査ができないとの声も聴きます。しかし、医療に携わる方は、特に意識を高く持って頂きたいものです。40年以上前に、“三日はしか(風しん)”疑いの罹患歴があったとのことですが、当時は、症状で、何となく診断されてしまったケースもあったと思います。現在は、抗体検査をすれば、すぐに結果は分かります。“抗体価4.6”と言う数値は、抗体が無いことも無いと言ったラインですが、接種が必要なラインではあります。風しん含有ワクチンのMRワクチンについては、定期接種のお子さんが優先との考えは変わりませんが、対象年代の男性が、抗体検査を受け、必要なワクチン接種を受けると、免疫を持っている人が増え、風しんの流行はなくなると言われています。
間もなく、クーポン券の使用期限を迎えます。お子さんと社会を守るためにも、抗体検査と必要な方がワクチンを接種することを勧めます」としています。
◆ 国の風しん対策制度“
風しん第5期定期接種” 2019年から、国は、風しんワクチンの定期接種の機会がなかった 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの“男性”を対象に、風しんの抗体検査と予防接種を原則無料で実施しています。この事業は、“風しん第5期定期接種”と呼ばれています。対象者は、自治体から配布されたクーポン(原則無料)を使用し、医療機関で、まず抗体検査を行います。検査の結果、じゅうぶんな抗体がないと判断された場合は、無料でワクチンを接種できます。
◆ まとめ
風しんワクチンの定期接種の機会がなかった昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性には、お住いの市区町村からクーポン券が送付されています。抗体検査は、医療機関で行いますが、勤務先の健康診断や人間ドックで受けられる場合もありますので、気になる方は、勤務先や医療機関に問い合わせてみてください。
検査の結果、じゅうぶんな抗体量が無いと判断された方は、ワクチンが原則無料で接種できます。クーポンの期限は、2025年2月末となっています。分からないことがある方は、お住いの自治体に問い合わせてみてください。
引用 厚生労働省:風しんの追加的対策について 取材 大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏