かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

スギ花粉予報にとんでもない濃度の農薬汚染と、どうも楽しいニュースはなかなかありませんね。

2008-10-15 23:29:31 | Weblog
 今朝は割りと暖かで、天気も晴れ、となっていましたので、予定通りバイクで出勤しましたが、帰りは朝よりも寒く感じ、バイクならそろそろ服装も一段防寒を意識したものにしないといけないな、と痛感させられました。アメダスのデータによると、出勤時と帰宅時の気温差は1℃ほど帰りのほうが低い、という数字になっていましたが、出勤時緩やかながら気温が上がっていったのに対し、帰りはかなり急速に下がっていくさなかの走りだったことも、余計寒さを意識させられた原因だったのでしょう。予報では、我が奈良県の明日朝の最低気温は11℃と言うことですが、アメダスデータに出ている気温の下がり方を見ていると、局地的には10℃を割り込むようなところも出てくるんじゃないかと感じさせられます。明日は余程厚着するか、最初から車で行くかしないと、小康状態な風邪がまた悪化してしまいそうです。

 さて、早くも来年春のスギ花粉予報が出ましたが、どうやら来春は例年より多くなり、今年よりも増えるところも多数出てくるんだそうです。何とも憂鬱な予報ですが、出来れば量だけじゃなく、飛散時期まで予想してもらえたらありがたく思います。なんとなれば、普通花粉飛散が確認されない1月末とか2月から発症することがあり、飛散量よりも、飛散時期の方が花粉症持ちには重大事じゃないか、と思うのです。医者に行くタイミングもありますし、なるべく早めに予測を出してもらえると助かると言うものです。
 ところで、中国の新たな農薬禍発覚でまた世情騒然としておりますが、今回の場合、濃度が、%オーダーと言うちょっと考えられない高さで出ている点が異常で、本当に一体何があったのか、訳がわからないところが不気味です。何を言っても無責任な物言いにしかならぬのですが、畑で撒いたのが残った、と言うものでは到底ありえず、やはり、製造のどこかの時点で混ぜられたか、あるいは可能性だけを論ずるならば、被害者の自作自演だったということさえ疑われない位、それは荒唐無稽な検出量じゃないかと思います。これで中国産の食料品に対する風当たりが非常に強くなって、またスーパーの棚から冷凍食品が消えたりするようなことが起こるんじゃないか、と思いますが、まことに残念なことに中国産食品を抜きにして今の我が国の食卓はまかなえない状況であることを考えると、リスクはリスクとして腹をくくっているよりないような気がします。

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アルコールを飲むと脳が縮むそうですが、それって神経細胞が一時に大量死する、と言うことなのでしょうか?

2008-10-14 22:44:00 | Weblog
 今日は朝から雨で、帰りは暗くなってから雷でも鳴るんじゃないか? と疑われるほど、更に強い雨が降ってきました。雨の日は、帰り暗くなると危なくてしょうがないし、乗る前の準備がまた大変で荷物にも制限を受けるので、基本的にもうバイクには乗らないことにしており、今日も車で通勤したのですが、そんな折、合羽に身を固め、苦労して雨の中を走っているヒトを見ると、その艱難辛苦振りは重々知っているというのに、何だかうらやましさがこみ上げてしまいました。夜の雨は視界が全く閉ざされるのでさすがに願い下げですが、昼間、合羽越しに全身へ雨を浴びながら走る、と言うのは、俗に自然との一体感、とでも言えばいいんでしょうか、ちょっと言葉では表現するのが難しい、ある種の気持ちよさがあるのです。今日見かけたヒト達は、当然四苦八苦しながら乗っていたに違いありませんが、何故かにこやかに走っているように見えてしょうがありませんでした。今は時間もお金も全く余裕がないのでハナから考えないようにしているのですが、いずれそういうのがもう少し自由になったときには、本気で二輪車に回帰するかもしれません。そんなことをつらつら感じるような、秋の大雨でした。

 さて、アメリカの研究チームが、アルコールを飲むほど脳が縮んでしまう、と言う研究結果を発表したそうです。なんでも研究者らは、適度なアルコール摂取することで、加齢に伴う脳の縮小を抑制できるのではないか、と言う仮説を立て、その検証を進めてきたのですが、実際に調査してみると、全くお酒を飲まないヒトがもっとも縮小が少なく、以前飲んでいたけど今は飲まないヒト、今も適度にお酒をたしなんでいるヒト、今もかなりたくさん御酒を口にするヒト、の順で脳が縮んでいることが確かめられたとのことです。
 アルコールが人体には有害なことは確かなのでしょうが、一応過去の疫学調査では、適量のお酒を飲むと飲まない場合よりも寿命が長くなる傾向がある、と言うデータもあったりして、一般には飲み過ぎはよくないけど適量なら身体、特に心臓などにはかえっていい、という話が巷間流布しております。それが、この新しい研究では、やっぱりアルコールは人体にダメージがある、と言うことを示唆する内容になっており、今後また色々と追試なり別の調査なりで議論がされていくのでしょう。ただ、このアルコールで脳が縮小する、という現象が、たとえば痴呆とか、健康とか、寿命とか、に何らかの相関のある現象なのか、あるいは、その脳の縮小が影響あるとして、どれくらい縮んだら人生の終盤に何らかの悪影響を及ぼしうるのか、と言うような点は、この研究結果についての報道にはなんら触れられておりません。確かに脳は縮んでしまうけど、年を取ったらそれは誰でもなる現象で実はそれ程気にしなくてもよい、と言うことなのかもしれませんし、逆にやっぱり早死にするとか早く痴呆になるとかいう可能性が高まるのかもしれませんし、その辺のものさしをはっきり提示してくれないと、アルコールの善悪はなかなか判断つかない気がします。
 まあ今の段階でどうなるかいちいち気にしても結果が出るわけではないので、当面仲間内での飲み会やもうじきシーズンになる忘年会、新年会といった催しにおいては、とりあえず楽しく適度に嗜むようにするという、今までどおりでいくのが一番なのでしょう。

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あと今年も80日を切ったということに気づき、少しだけ時の速さに愕然といたしました。

2008-10-13 22:04:18 | Weblog
 今日、上天気に乗じてベランダで布団を干したのですが、そのついでに、これもベランダに設置してあるサボテンの温室を久々にじっくりのぞいて見ましたら、この6月に大輪の黄色い花を開いて楽しませてくれた「青王丸」http://blog.goo.ne.jp/cuckoo_01/e/df778c84165c8d05b0a8e8629f68af73に実った種が鉢にこぼれていたらしく、2つほど、芽が出ているのに気がつきました。まだゴマ粒大の、本当に小さなものなのですが、この後もう少し育って、無事冬を越せたなら、うちのサボテンに新たなファミリーが増えることになります。一昨年だったと思いますが、やはり種がこぼれて知らぬ間に芽を吹いたやつは、今はもう立派にサボテンの形になって、このまま順調に行けば恐らく再来年には花を咲かせてくれるもの、と期待されるところまで育ちました。今回発見の新たな命も、何とか無事このまますくすくと育ってくれれば、ゆくゆくは青王丸の黄色い大輪で一杯になる一角を、ベランダに作ることができそうです。

 さて、気がつくと今年もあと80日を切っているんですね。まだまだ10月半ば、などと思っていたのですが、そういえば先週は朝の通勤でところどころのカーブミラーが見事に結露して見えなくなっていましたし、道端の銀杏並木も、なんとなく色が抜けつつあるような気配。いよいよ秋も深まって、もうすぐそこに冬の足音が聞こえつつある今日この頃、などと考えると、本当に年末まであっという間という気がしてきます。でもこれは、やっぱり年がいって時間の流れが速く感じるようになって来ているからでなのかもしれません。それでも、ぼちぼち年賀状のことも考えないと、とか、そういえばここんところ全然絵を描いてないな、とか、2年越しの新作構想、そろそろ形にしていかなくちゃ、とか、色々とそぞろに頭に浮かぶことだけを並べてみても、やりたいことややらなくちゃいけないことなどが結構上がってきて、さて、あと80日あまりでまずは何が出来るだろう、と考えてしまいます。まあなによりもまず体調を回復させること、が一番なのですが、おととしだったかの絶不調が余程印象深かったのか、今の不調程度なら、少しマシになるとそれ程大したこともないように感じたりしてしまうのが厄介です。本当は、それを理由にサボる、と言うだけでも生産性低下の一大要因に違いなく、実際に頭痛がしたりしたら間違いなく何もする気がなくなるという、困ったものなのですから。

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新作短編 その19

2008-10-12 19:46:50 | 麗夢小説 短編集
 新作短編、と銘打って始めた連載も、気がついてみるとこれで19回。一回平均2000字として、既に4万字、原稿用紙にして100枚分に達そうかという量になってきてました。これはもう、短編小説と言う枠を超えていますね。本気で題名考え直して、早急に「短編集」カテゴリーから独立させる必要を感じて参りました。
 それにしても、かつて、コミケ用小説では、大体書き始めの段階でどれくらいの量になりそうだ、という予測が立つようになっていました。その感覚からしたら、これは大体50枚、2万字位で10回も連載したらケリが付けられるかな? と読んでいたのですが。うーん、想像以上に伸び伸びになって、まるでいつまで書いても終わりそうにない、と途方にくれていた、小説書き始めた頃の自分を省みているみたいです。まあ書きつなぎながらの連載は確かに初の試みですから、初心者っていうところは確かなんですけどね。
 とまあそう言うわけで、先週大ピンチに陥った(というか、陥ってもらった(笑))麗夢ちゃんを助けるべく、外側に取り残された面々が動き始めます。大団円まで、あと一息です!

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『もう、手遅れみたい・・・』
 ぼそっとその呟きが届いた途端に、 一旦は繋がった麗夢との連絡が切れた時、榊、鬼童、円光、アルファ、ベータの面々は、ほんの一時ではあったが完全なパニック状態に陥った。普段は冷静沈着な鬼童や榊が、「麗夢さん! 返事をしてくれ! 麗夢さん!」とあたりはばかることなく叫び続け、アルファ、ベータもニャンワンと小さな身体で精一杯鳴く一方で、円光は力を出し切ったせいもあって、難しい顔のまま地面にこぶしを突き立て、なすすべなく荒い呼吸に肩を揺らす。それでも円光は今一度気を凝らそうと両手の指を組み直すが、疲弊した精神力は容易に戻ってくるものではない。
「くそっ! 円光さん、鬼童君、なんとかならんのか!」
 全く麗夢からの返事がないことを悟ると、榊は焦慮もあらわに年少の二人に声をかけた。人外の者に対する能力としては、今目の前にいる二人の若者以上に優れた力をもつ者を、榊はただ一人しか知らない。その唯一無二の大切な存在が、恐らくは想像を絶する窮地に陥っていることは想像に難くないのだ。榊ならずとも、円光、鬼童の二人に期待をかけるのはやむをえないところだった。
「駄目だ、結界の力が強すぎる」
 しばらく般若心教を唱えて意識を集中していた円光は、やがて額に玉の汗を浮かべながら、再びその場に手をついた。
「こんなものしかないのでは・・・せめて実験室に帰ることが出来たら!」
 我に返った鬼童も、背広のポケットやショルダーバックからいくつかの機械類を取り出して並べ始めたが、その焦りに満ちた言葉を聴いては、今すぐここで役立つものは得られそうにないらしい。
「アルファ、ベータ、君達ならどうだ、何とか麗夢さんと連絡がつかないか?」
 榊のすがるような目を向けられて、子猫と子犬は顔を見合わせた。だが、程なく同時にがっくりと頭を下げて、打つ手のなさを榊に悟らせるばかりである。
「ええい、すぐそこにいる事が判っているのに、まるで手を出せないなんて!」
 榊は憤懣やるかたなくやにわに河原の石を拾い上げると、力任せに駒込川の流れに投げ込んだ。円光によるとその辺りから強力な結界が張られているというが、石は何の抵抗もなく川面まで飛び、水音と飛沫だけを散らしてすぐに見えなくなった。その手ごたえのなさに、結局自分は何も出来ない凡人だ、と言う厳然たる事実を突きつけられたように感じ、榊はがっくりとその場に腰を下ろしてしまった。
「しっかりしてください警部! 何か、何か方法があるはずです」
「左様。麗夢殿がまだがんばっておられる以上、我らも根を上げるわけには参らぬ」
 鬼童と円光が、顔面を蒼白に変えつつも気丈に榊に話しかけた。アルファ、ベータもまだあきらめていないとばかりに榊の足元までかけてきて、その髭面を見上げて鳴いた。榊も、もちろんその言葉に否やはない。ただ、では実際にどうしたらよいのだろうか。
「せめてその結界の内側に入ることが出来れば・・・」
 榊は、眼に見えない結界を、そうすれば見えてくる、とでも言うように睨み付けた。円光も榊と並んで結界と思しき河原を凝視したが、円光の力をもってしても気の流れがおかしくなっていること以上のことは感知できない。もちろん、アルファ、ベータの超感覚も、この結界に対しては何の効力も発揮できなかった。
 一方鬼童は、せめてこれまでのデータからだけでも何とか突破口が見出せないか、と、朝倉にくっつけた発信機の電波を受けていた、携帯ゲーム機のような受信装置を再び動かした。八甲田山の周辺の地図と、朝倉が出現した時に点いた光点が液晶画面に浮かび上がる。鬼童はそれを小さなスティックと装置のボタンを操作しながら調べ始めたが、程なく、おや? と声を漏らして、一段と熱心に装置にかじりついた。
「どうしたんだ、鬼童君、何か判ったのか?」
「・・・ええ、ひょっとしたらひょっとして・・・」
「何が判ったのだ! 鬼童殿!」
 榊、円光に加え、アルファベータも鬼童の元に駆け寄り、期待に一杯の目で真剣な鬼童の顔を見上げて待つ。そんな周囲の様子をあえて無視して機械の操作に集中していた鬼童は、やがてはっきりと一人ごちた。
「そうか、そうに違いない」
「何がそうなんだ?」
「にゃーん!」
「わん! ワンワンワン!」
 焦って答えをせがむ榊達に、ようやく鬼童は思わずほころんだ笑顔を見せた。
「うまくいけば、我々も結界の中に飛び込めそうですよ!」
「何だって?」
 期待していた答えとはいえ、さすがにこうもいきなり言われては、榊や円光と言えども判断に躊躇するのはやむをえない所だろう。何せ相手は、円光、アルファ、ベータという当代切っての能力者たちの束ねた力すらあっさりひしぐ力の持ち主である。その者が作った結界を破って中に侵入しようなど、およそ正気の沙汰とは思えない。だが、鬼童は喜び勇んで榊に言った。
「さあ、急ぎましょう! 早くしないと、間に合わなくなる!」
「ど、どこに行くんだね」
「朝倉さんの辿った道、すなわち青森第五連隊の通った道を、我々もそっくりなぞるんですよ!」
「第五連隊の辿った道?」
「そうです。それが多分、結界を抜ける唯一の通り道なんですよ。さあ早く!」
 鬼童は率先して苦労の末降りてきた山道をまた登り始めた。アルファ、ベータがあわててその長い足を追いかけて斜面を駆け上がる。榊、円光も、こうなっては鬼童の後を追うしかない。
「鬼童君! もう少し詳しく説明してくれ!」
 きびすを返す榊の背中を尻目に、円光は結界の方角へ振り向いた。
「麗夢殿、しばしの辛抱だ。拙僧、必ず助けに参る!」
 円光は軽く一礼を残すと、やにわに鬼童の後を追った。
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ちょっと過去を漁ってみたら、もう2ヶ月も風邪気味抱えていたんですね

2008-10-11 22:17:58 | Weblog
 このところ、治りきらない風邪みたいな症状が、時にましになり、時にひどくなり、と波打ちながらずっと続いていたのですが、ここにきて症状が花粉症の様に変わってきました。とにかく鼻水が止まらず、くしゃみを連発し、鼻が詰まる、というものです。ただ、花粉症と違うのは、目が痒くならないことと、身体に妙な発疹が生じないことです。この秋も深まりつつある今、そうそう花粉も飛び交っているわけでもありませんし、症状こそ似ているものの、これは花粉症とは違い、恐らくは風邪の一症状なのであろうと理解しています。いっそさっさと耳鼻科でも受診して、診断をつけてもらったらよさそうなものなのですが、折悪しく予算申請時期のやたらと忙しい時期で、なかなか時間を割いて医者に行くこともできません。鼻水やくしゃみだけならまあ我慢も出来る話ですが、放置していると往々にして蓄膿症状が現れてひどい頭痛を招いたり、ひどくなると熱を出したりもします。そんな状況がこの連休初日に現れて、うう、やっぱり早めに医者に行くんだった、と先に立つことのけしてない後悔に苛まれつつ、今はビッ○ス・ヴェポラ○プでも首筋辺りに塗りたくってとっとと寝るよりないか、とあきらめているところです。
 それにしても、幾らなんでも長引くな、と思い、ブログを検索してみたら、どうも8月10日頃から、「夏風邪が・・・」なんて記事を書いておりました。なんとまあ、もう2ヶ月あまり、だらだらと不調を抱え込んでいたんですね。いい加減医者に行けよな、自分、と、過去記事読みながら突っ込んでしまいました(苦笑)。
 たとえばこの3連休にゆっくり休養してたら治ってくれたり、なんて淡い期待を抱いてるんですが、もし駄目なら、来週、医者に行く時間を捻出できるでしょうか? 未来の自分は。

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公式サイト公開から10日。音無しの構えはあとあとの大きな打ち上げを控えてのこと?

2008-10-10 22:53:39 | ビットバレット
 昨日の朝まで、今日は昼過ぎから雨、と言う予報だったので車で出勤するつもりでいたのですが、今朝改めて天気予報を見ますと、雨は夜になってから、という風に時間がずれておりました。雨が近いと気温は比較的高めになりますし、帰るまでもってくれれば、と、思い切ってバイクで出る事に急遽変更、昼過ぎまでは青空も広がり、賭けは成功した、と思っていたのですが、夕方になって天候が悪化、そろそろ帰ろうか、と言う時には、アスファルトが真っ黒に濡れそぼつほどの雨が降っておりました。ありゃ、見通しが甘かったか、とその時は観念したのですが、帰り支度をするうちに雨が上がり、西の空には明るい夕焼けも見えています。天候が下り坂なのは確かなのですが、予報の通りまだ雨は序の口で、通り雨で済んだようでした。それでも念のため合羽を着て走ったのですが、結局、約1時間の間雨に遭うこともなく、無事帰宅できました。濡れるのは別にかまわないのですが、夜の雨は前が見えなくなるので、止んでくれて本当によかったです。

 さて、10月1日に公式サイトがオープンした『ビットバレット』、いよいよ色々展開が始まるのか、と期待してたのですが、10日たった現在のところ、残念ながら新たな動きがありません。ぐぐってみても140ほどヒットしますが、Amazon他のネット通販サイトで予約が始まったことが新たに判明しただけで、内容や今後の展開について記されたサイトは特に見つけることが出来ませんでした。私の過去記事が検索結果の上位に出てくると言うのもちと寂しいもので、何とか公式関係から新たな情報が出てくれればありがたいのですが、多分編集も佳境に入り、スタッフの方々もなかなかその余裕が得られないのでしょう。それは重々承知の上であえて申し上げるなら、ほんの2言3言でもいいので何かコメントだけでもぽつぽつと出てくれば、展開に期待するファンは満足して更に期待を高めるんじゃないか、と思うのです。まあ焦らされた上で「あっ!」と驚くような急展開を目の当たりにするのも気分が盛り上がるものですが、中にはせっかちな方が焦れた末に離れていってしまいはしないか、と危惧しないでもありません。そうあせらなくても、年内には何らかの動きが必ずあるはず、とは信じているのですが、不気味な静まり具合に思わずやきもきしてしまうファンの性、というものでしょうか。


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ノーベル賞おめでとう! ですが、我が国が彼らに活躍の場を与えられなかったことを、考えるべきでは?

2008-10-09 22:42:21 | Weblog
 ノーベル賞ラッシュ! という感のある昨日今日ですが、物理学賞の方は、正直に言って「自発的対称性の破れ」という理論はあまりに内容が難しすぎて、多分1%も理解できていないと思うのですが、陽子や中性子の基となるクォークが6つある、と言う話は、なんとなく直感的な理解が出来そうな感じがいたしました。それでも、それらの話が、重力を除く3つの力を統一して説明できるのが何故か、いまだに判りません。マスコミもまるでお手上げなのか、決して詳しい解説に及ぼうとはしませんし、私を含めて日本人のほぼ全員といってもいいくらいのヒトが、一体どうしてこのお三方が受賞することになったのかを理解できないまま、ただめでたいめでたいと喜んでいるのでしょう。こういうときこそ、マスコミが少しでも判りやすくなるよう噛み砕いて業績を解説して欲しいと思うのですが、残念ながら期待薄のようで、少しでも理解したいと望むなら、月刊の科学雑誌の特集にでも期待するよりなさそうです。
 化学賞のほうはその点まだ理解しやすい話です。まあたんぱく質の発光現象そのものを完全に理解するのは難しいには違いありませんが、どうしてそれがノーベル賞に値する研究だったのか、と言う点は、大体把握できそうに思います。

 それにしても、物理学賞のお三方のうち、南部博士(なんて呼ぶと科学忍者隊でも組織してそうな感じがしますが(笑))は国籍がアメリカ合衆国なので、諸外国のマスコミでは、アメリカ人1名と日本人2名の受賞、と言うように報道されているそうです。日本人はその点国籍よりも血というか魂と言うか、なんとなく野連帯意識みたいなもので同類を認識しているためか、特に違和感なく3人とも日本人、と言うことになっていますが、その情緒的反応には若干の齟齬も感じないではないです。また、化学賞の下村博士も、住んでいるのはアメリカで、日本にいたとしたらこの研究成果はなかったとおっしゃっている。ノーベル賞をとるような優秀な頭脳を初め、多くの研究者が日本を捨ててアメリカに渡る現状を見ると、日本と言う国がいかに実力ある科学者にとって住みにくい国なのか、という点を思わずにはいられません。それに、今回の方々の研究成果はいずれも半世紀近く前の仕事。その後の我が国で、果たしてこの成果に続くだけの仕事をなした科学者が何人いるか、そして今、理科離れが叫ばれて久しいこの国の若い世代に、彼らの業績に続こうと言うものが何人現れるか。いずれも私には大変に暗澹とした未来しか見えないように思えるのです。
 同じ日本人として喜ばしいことだ、というのは確かにそうなのですが、我々が彼らの存在を許容できない国を作り上げていることを、もっとまじめに自覚した方がよいように思えてなりません。

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車を新調しました。

2008-10-08 22:59:20 | Weblog
 今日は気持ちのよい秋の日和でしたが、日中は少し気温が上がりすぎたみたいで、結構暑く感じました。昼夜の温度差が大きくなってくると紅葉など秋の変化もまた進むはずなのですが、さすがにこれだけ暖かくなるとそれも少し難しいかもしれません。まあ、うちのサボテン達は元気に夏の消耗から回復し、冬に備えて旺盛に生長を再開しましたので、今しばらく暖かめの天気が続いてくれれば、来春には見事な花をまた咲かせてくれるだろう、と期待もしているのです。

 それはそうと、普段乗り回しているバイク、まだまだどうにかこうにか走ってくれているのですが、信号で止まったりしてアイドリング状態に入りますと、勝手にエンジン停止する現象が目立ってきました。止まらない時のアイドリング時も息つきしているような不機嫌そうな状態で、いかにも年がいってちょっとしたことでぜいぜい息を切らせているかのように、エンジン音が聞こえます。これはもう長くないな、と素人でも判断がつくくらいな状況なため、思い切って後継を導入することにいたしました。夏ごろから色々検討を重ねてきたのですが、残念ながら今はスクーター全盛で、二輪車は相当排気量の大きなものでないとマニュアルミッションが入手しにくい状況になっています。はっきりいってスクーターには乗りたくないので、考えに考えた末に、結局四輪に乗ることにいたしました。



 富士重工のPLEOという軽自動車です。とにかくバイクの延長線上としか考えておりませんので、当然マニュアル変速。他、予算の都合上極力安くしたかったこともあって、余分な装備は一切排除しました。たとえば、窓はもう絶滅した、と思っていた、クランクでくるくる回して開閉する手動方式ですし、後部座席はもう座る気になれないオマケ同然の出来、シガーライターも付いていません。ただ、発注当初、ラジオもクーラーも時計もいらない、とディーラーには言ってたのですが、どうもこれらは標準装備だそうで、仕方なくAMラジオとマニュアルクーラーと時計は装備されました。そんなわけで購入してから100キロほど乗りましたが、まあ慣らし中もあってあんまり吹かしていないせいもあってあんまりパワーありませんし、新しいせいかクラッチが硬くて、初め2,3回クラッチあわせに失敗してエンストしたりもいたしました。
 ただ思いのほかよかったのは、このところ続いていた雨の中を走るのが、バイクに比べて大変楽だということに気づいたことです。まあ、当たり前なのですが、特に夜の雨で、前がちゃんと見えるというのが実にありがたく感じました。
 正直言ってバイクにはまだ未練がありますし、1日天気が予報された今日、何日かぶりにバイクで通勤してみて、やっぱり単車はいいな、と再認識したのですが、しばらく暖かいうちは、晴れの日はバイク、雨は車、寒く暗い冬の間は、車主体、そしてまた春が来て暖かくなった時、まだバイクが生きていましたら、その寿命の続く限り併用していくことになるでしょう。
 車は慣らしが終わったら、ちょっと遠くまで行ってみたいですね。今まで乗っていたバイクと違って、今度はとりあえず高速にも乗れますし。

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あんこが食べられなくなるんでしょうか。そんな悲劇的な未来は見たくありません!

2008-10-07 22:42:20 | Weblog
 また中国製食品で健康被害が発生したみたいです。名古屋のスーパーで中国産の粒あん袋詰め1kgを購入して食べた男性がめまいを起こし、気分が悪くなったと保険所に訴え出たとのことで、その同じ商品と思しきものを調査してみたら、トルエンや酢酸エチルが検出されたのだとか。ただ、濃度はトルエン0.008ppm、酢酸エチル0.16ppmという極々微量のもので、普通に考えて健康被害が発生することはちょっとありえないレベルです。ただ、それ以外に何か通常食品に使うとは到底想像も出来ないような「なにか」が入っていた可能性はあるでしょうし、そういうのをちゃんと検査しようと思うと、とんでもなく大変なことになります。一応農薬などの可能性や、流通ルートについても調査しているそうですし、その結果がきっちり出ることを期待したいものですが、残念ながら調査は難航するかもしれませんし、調べてみてもこれという何かはでないかもしれません。気分が悪くなった、と言う程度なら、最近の中国製食品の報道等で神経過敏になり、不安に駆られただけでもなりそうなものですし、全く別に食べた違う食べ物や飲み物が原因だったりするのかもしれません。ようするに、今のところ報道されている話だけでは、男性の気分悪化の原因が中国にある、とは断定が難しいんじゃないか、と私は思うのです。ただ、だからといってトルエンなどが食品から検出されること自体が言語道断なわけで、幾ら健康に害を及ぼす濃度ではない、といっても、許される話ではありません。粒あんは私も好きで、おはぎ、大福餅、アンパン、タイヤキなどは好物ですし、粒あんそのものを1キロ入り袋詰めで買ってきては、小分けしてラップに包んで冷凍保存し、時々解凍して食べたりすることをたまにいたします。この男性が購入した粒あんと言うのは1キロ198円、と破格の安値ですが、その安さそのものを疑わねばならない時代なのかもしれません。農水省は今こそ国産回帰、一次産業復活のための大号令をかけて有効な政策展開を図るべきなのでしょうけれど、果たしてそういう見識があるのかどうか。この間見たニュースでは、検疫の問題が解決し、我が国のおいしいお米が中国に輸出できるようになった、と華々しく喧伝されておりました。片一方でカビ毒や農薬に汚染された米を中国などから輸入しているというのに、そんなに輸出したいのならその便で汚染米を返してやればよいでしょうに。ところがそれはこちらで燃料費を使って焼き捨てるという何とも罰当たりなことをしているのですから、農水省は何をかいわんや、という感じです。農家を活性化させるために農産物輸出を積極的に推進するのだそうですが、自給率40%未満の国が考えることではないのではないか、何か間違っているんじゃないか、と私には思えてなりません。

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壷阪寺探訪記

2008-10-06 22:25:28 | Weblog
 今日は用事があって国立奈良女子大学を訪ねました。ここは東のお茶の水女子大学と並び称される我が国にただ二つあるだけの国立女子大で、武蔵野の一角に構えるという某お嬢様養成校のごとく、1908年(明治41年)設立された奈良女子高等師範学校を母体とする、まさに名門と言う称号がぴったりくる由緒ある学校です。文学部、理学部、生活環境学部(旧家政学部)と、文系理系の多彩な先生達が集まっていて、色々相談や提携などで割と頻繁に訪れています。こういった専門分野の違う先生方と一対一で話をするのはなかなかにスリリングで、眼から鱗が何枚も落ちることがありますし、逆にこちらの話で相手の驚愕を誘うことも出来たりして、時間を忘れて没頭してしまいます。なかなか息は抜けませんが、楽しいひと時には違いありません。

 さて、昨日は掲載できなかった壷阪寺参詣の写真をアップしておきます。さすがに不敬かと思い、ご本尊の十一面千手観音は撮影しませんでしたが、観音菩薩から連想される柔和で女性的な風貌とは明らかに異なる、力強いお顔立ちをしております。機会があれば必見の仏様ではないでしょうか。また、眼病に霊験あらたかなお寺ですので、PCの画面に眼を痛めつけられているヒトは、参詣されるとよいでしょう。



インド風の大仏です。鎌倉の大仏は現物を見たことがありませんが、ちょうどこれくらいでしょうか? 脇のかえでが色づき始めていますから、もう少し秋が深まってから行ったらなかなか瀟洒な景色になりそうです。



多宝塔です。朱の色落ちもなく、綺麗な塔ですが、建てられたのは平成14年4月落慶、なのだそうです。開創1300年記念で建立された、とのこと。施工は竹中工務店、と聞くと、なんとなくですがありがたみが薄いような・・・。でも、建設資金は多くの信者の喜捨によって集められたそうですから、篤い信仰心の塊であることは間違いないようです。



 4.6m角、高さ23mの立派な三重塔です。朱塗りの落ち具合などを見てもかなりの年代モノに見えますが、1497年(明応六年)4月に完成したものだそうです。その後寺自体が何度か火にかかっていますが、奇跡的にこの塔は燃えずに残り、以後何回か修理の手が入りつつ、今に伝えられているそうです。きっと完成当時は朱も鮮やかな華麗な塔だったのでしょうね。造作が細かくてまるで細密画のようです。現在重要文化財に指定されているそうです。

 今回は途中で雨が降ってきたので足早に観て回ることになりましたが、晴れていれば眺望もよく、これからの季節は紅葉も楽しめそうです。もう少し足を伸ばして山を上れば日本一の山城だった高取城址がありますし、山を降りれば高松塚や石舞台のある飛鳥がすぐ傍にあります。歴史的な遺物があちこちに転がるならならではの土地柄といえましょう。

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新作短編 その18

2008-10-05 23:01:17 | 麗夢小説 短編集
 今日は雨模様の天気の中、壷阪寺という古寺を訪ねました。高取城という日本三大山城の一つがある壺阪山の中腹、つづら折れの山道を上がったところにある、西暦703年開山の由緒あるお寺です。この壺阪山から真北の藤原京までに散在する古墳などを結ぶ南北の直線が、古代の聖なるラインの一つ、なのだそうです。ちょうどご本尊の十一面千手観世音菩薩像がご開帳されており、じっくり見学させていただくことが出来ました。今日は恒例の連載小説アップの日ですので詳細は後日改めて掲載いたします。
 それでは、続きを始めましょう。

----------------------以下本文-------------------------

『山の禁を犯す者はぁ、何人とてぇ許さぬぅ!』
 半ば閉じていたはずの遮光式土偶の目が突然大きく見開かれ、太い首と大きな目の間に押しつぶされたような口が大きく裂けて、文字通り咆哮した。全身ただ真っ白なだけの雪の塊のなかで、その目と口の中だけが灼熱の炎を燃やすがごとく、真っ赤に染まってその迸るエネルギーを吐き出していく。先ほどの叫びとは比べ物にならない大音声に、大気が目に見えて震え、あちこちで雪崩を誘発して谷の奥へと吸い込まれていった。
『とにかく早く朝倉さんから離れて! 「山」の怒りをこれ以上かきたててはなりません!』
「もう、手遅れみたい・・・」
『麗夢さ・・・」
 額に冷や汗を浮かべつつぼそりと麗夢がつぶやいた時、動揺した鬼童の呼び声が、ふつり、と切れた。恐らく想像を絶する膨大な力を放出した遮光式土偶=八甲田山が、円光達の精神力をも凌駕する心的なエネルギーで、結界を更に強く、高密度に織り上げたのであろう。その威力は、夢の戦士となって飛躍的に精神エネルギーに対する抵抗力を増した麗夢にしても、その肌にひしひしと危険を意識させられるほどになってきていた。完全に遮断していたはずの冷気がじわじわと再び浸透を始め、露出した肌に、ぽつぽつと鳥肌があわ立ち始めている。このまま推移すれば、裸同然の身で雪山に立つというその見た目と、自分の感覚が一致するまでにはさほどの余裕もないであろう。麗夢はようやく立ち上がると、剣を両手で青眼に構え、まっすぐ遮光式土偶を睨みすえた。
「朝倉さん! 下がって!」
 張り詰めた気を更に絞り込み、鮮烈な闘気に練り上げていく様が、背中越しに伝わったのであろう。朝倉はごくりと息を呑むと、尻餅をついたまま後ずさった。
『とこしえに凍りつくがいいぃ!』
 開いたままの巨大な口から、突然無数の雪玉が麗夢めがけて降り注いだ。一つ一つは野球ボール程度の大きさだが、まるで機関砲のごとく撃ち出され、暴風を伴う吹雪のように麗夢に襲い掛かる。麗夢は気を振り絞って剣の青い光を一段と輝かせながら、一足飛びに雪の土偶めがけて突っ込んだ。一瞬麗夢の姿を見失った土偶が、猛烈な雪玉を左右に撒き散らしつつ足元に狙いを変える。だが、ここは麗夢のほうが一歩早かった。麗夢は一気呵成にその足元まで駆け寄ると、相手の右足に思い切りよく斬り付けた。表面を氷で鎧われ、ほとんど鋼鉄の強さを持った太い土偶の足が、その一撃で見事に粉砕された。雪玉を吐き出しつつ、バランスを崩した土偶が右によろけて谷の崖に激突する。土偶の背後で急転進した麗夢は、その背中を間髪いれず駆け上がるや、今度はその太い首を横様に殴りつけた。
「でやぁあああああっ!」
 気合一閃!
 ほとんど雪を蹴り飛ばす勢いで土偶の首をなぎ払った麗夢は、そのまま宙を飛んで再び土偶正面に降り立ち、剣を青眼に構え直した。その目の前で、足をくじかれ、首を切り落とされた雪の巨大土偶が、膨大な雪煙をまといながら崩れていった。
(まだだわ。まるで手ごたえがない!)
 麗夢は軽く肩で息をしつつ、見た目とは裏腹に相手の力が一向に弱まっていないことに思わず舌打ちをした。その目の前で、一度は崩れた雪の小山となった遮光式土偶が、まるで時間を逆に進めたように改めて同じ姿に復元していく。恐らく幾ら突き、斬り、薙ぎ払おうと、ただの雪の塊に過ぎない目の前の敵に致命傷を与えることは不可能であろう。だが、どこかにこの膨大な力を統御する核があるはずだ。その核を直撃しなければ! 麗夢はすぅっと息を整えると、まだ復元途中の雪の土偶めがけ、もう一度地面を蹴った。三角跳びの要領で左の崖中腹に足がかりを求めた麗夢は、思い切りよく全身のバネを効かし、今度は土偶の胸辺りに突っ込んだ。上段に振り上げられた剣が、雪と激突する瞬間に振り下ろされる。どごぉっ! と雪を突き破った麗夢の肉体が、ようやく形を成し始めた土偶の胸と背中に直径2mはある大穴を開けた。だが、今度の修復は予想以上に早かった。麗夢が着地してもう一度背後からの突撃を敢行しようとした時、既にその穴は塞がり、土偶がぐるりと麗夢の方へ向き直っていたのである。あ、と思う間もなく、びゅん! と猛烈な風圧を伴って、不気味に伸びた腕が麗夢を正面から迎え撃った。間髪いれず駆け込もうとした麗夢の華奢な身体が、思わぬカウンターになす術もなく反対方向に跳ね飛ばされた。
「このっ!」
 麗夢は歯を食いしばって体をひねった。だが、何とか着地を決めようとした麗夢の背中が、今度は岩の塊のような硬いものにぶち当たった。肺の空気が瞬間的に強制排気され、後頭部を強打して、意識が唐突に暗転する。パニック寸前の途切れかけた頭に、崖はまだ先のはず、と言う疑問符が点滅する。だが、その正体を確かめる間もなく、麗夢の背中が猛烈な勢いで前に押し出された。麗夢は川原の氷を跳ね上げつつ、数メートルを飛んでうつぶせに倒れこんだ。
「な、なんなのよ一体・・・」
 落とさなかったのが奇跡的な剣を支えに、麗夢はかろうじて上体を持ち上げた。そして、今、自分をここまで投げつけた相手の正体を見た。
「う、そ・・・」
 いつの間に現れたのだろう。麗夢の目の前に、巨大な雪製の遮光式土偶が立ち塞がっていた。まさかと背後を見返ると、そこにも同じ雪の土偶が傲然と谷をふさいでいる。2体に増えた巨大な土偶の口元が、にやりとひねりあがったかのように見えた途端、同時にその右手が白い雪煙を上げながら鞭のように伸びた。
「っ!」
 思わず上にジャンプした麗夢は、すぐにそれが致命的な失敗だったことを悟った。
「しまっ!」
 た、と思った時には、既に麗夢の視界は猛烈な勢いで迫る真っ白い壁に覆われていた。麗夢は次の瞬間、ちょうどヒトが宙を舞う蚊を叩き潰すかのように、前後から息の合った土偶の左手によって押しつぶされた。一拍置いて開いた雪の手から、失神して脱力した麗夢の体が零れ落ちた。

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「マリア様がみてる」新刊「卒業前小景」 感想。

2008-10-04 23:21:44 | マリア様がみてる
 「マリア様がみてる」新刊「卒業前小景」を買ってまいりました。一応コバルト公式サイトをチェックして、10月新刊は知っていたのですが、発売日までは記憶していなかったので、たまたま本屋さんで見かけて買って来た、という塩梅でした。1,2年前までの、発売日当日には必ずゲットする、という状況からすれば随分のんびりしたものになってしまったな、と我ながら思いますが、祐瞳姉妹の決着がついてからこっち、少しばかり執着心が薄れたのは間違いないようです。そのせいなのか、『2009年1月4thシーズンTVアニメ放送開始!』と書かれたピンクの帯をまとった本が、なぜか手にした時に「薄い」と感じてしまいました。夏に「お釈迦様もみてる」を書いているから今回はその余波でいつもより中身が短くなったのか、とその時は勘ぐってしまいましたが、実際にはページ数はここ数回とあまり変わらず、どちらかと言うと数ページ多目だったので、本屋さんで手に取ったときに感じた思いは、全くの誤解だったことになります。
さて、今回の新刊はと言うと、まだ「卒業前」です。
 前作は短編集だったので置いておくとしても、前々々作の「薔薇の花かんむり」で三年生を送る会と山百合会お別れ会とを済ませたと言うのに、間1冊(+短編集)をはさんでまだ卒業式に到達しないのです。こちらはその間に1年経ってしまったのですが、卒業式はこの分ですと年明けになりそうですね。
 と言うようなことを書いたものの、中身は割りと楽しめたのもまた間違いないところで、今回短編集的ないでたちながら、一つ一つのお話が結構よく出来ていて、感心いたしました。時間軸が前後する話が並んでいるのが玉に瑕でちょっと混乱させられたりもしましたが、1話分主役を張った桂さん、新聞部の築山三奈子女史、美術部姉妹、久々せりふつき登場の聖様、ほぼ初見参の写真部3年生と蔦子さんの対決、と登場人物達もいつになくバラエティに富んで、それぞれのお話が卒業直前の雰囲気を盛り上げるのに十分な役割を果たしていた、と思います。そしてラストは祥子と祐巳二人だけのお別れ会。今までのお話の集大成的なラインナップで、これを境に次の展開はまた新しい別のものになるのだな、という印象を深くいたしました。
 お話の中では翌日の卒業式も、現実世界では数ヶ月先の話。とにかく一区切りつけるまでは、目を離すことは出来ませんね。

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今年のイグ・ノーベル賞で日本の粘菌研究が受賞!

2008-10-03 22:46:15 | Weblog
 今日も朝からほぼ快晴のお天気。夕方から雲が広がりだしましたが、まずまずの秋日和な一日でした。季節は順々に進んで、あちこちで盛りを迎えていた彼岸花も大分色あせてきました。多分週明けにはほとんどの花が散って、ひと時の絢爛豪華な催しを、また来年まで封印するのでしょう。と言うわけで、もう多分最後の一咲きと思われる、職場近くの彼岸花の群落を一枚、上げておきましょう。




 さて、科学の表彰と言うとやはりノーベル賞が日本では一番評価され、科学者の勲章のように取りざたされますが、内容的にはそれに匹敵する、あるいは見方によっては凌駕さえしているかもしれない、という研究を積極的に評価する面白い賞がアメリカにはあります。イグ・ノーベル賞というやつで、楽しく、意義深く、独創的な研究が贈呈対象になるものです。過去カラオケの発明とかが受賞していますが、今年は北海道大学の中垣俊之准教授ら6人が受賞したとの報道がありました。内容は、南方熊楠の研究テーマとして知られる粘菌という単細胞生物が、迷路を最短ルートで解く能力がある、ということを発見した、ということで、「認知科学賞」と言う分野の賞を得たのだそうです。最近は昔のように理学部、とか工学部、とか言うような分類ではないものが増えてきていますが、この先生も北大の創成科学研究機構・流動研究部門 未踏系、なる、一体何を研究するのかよく判らない言葉が連なるセクションのメンバーで、所属は電子科学研究所 電子機能素子部門 と、こちらはまだなんとなくイメージの沸くところであります。なんで電子科学で粘菌なのか、というと、脳も神経もない粘菌が、迷路の解答でどうしてそんな驚異的な計算能力を発揮するのか、その方法を解き明かし、学ぶことで、最終的には現代社会のインフラ基盤である通信網・道路網・上下水道網などのネットワークの新しいデザインへ応用を図ろう、と言うもの。これなら、なんとなく粘菌を研究する理由も理解できます。報道記事では今ひとつ内容不明なので、たとえば北大のサイトhttp://www.cris.hokudai.ac.jp/cris/sousei/main/kenkyu/ryudo/nakagaki.html
などにもう少し詳しい解説が載っていたりしますが、なんにせよ、日本が世界に誇る先駆的研究の蓄積のうえに、また新たな知見が積みあがっていく、そして、それをちゃんと評価してくれる人たちがいる、と言うのは、実に心強いものがあります。まずはその栄冠に惜しみない拍手を贈り、更なる研究の進展を見せてもらいたいと思います。
 それにしても、日本人がノーベル賞受賞なら新聞も1面トップ、場合によっては号外が出たりもするのに、イグ・ノーベル賞だと夕刊の中の方、というのはいかがなものでしょう? まあ取り上げられるようになっているだけマシ、と言う見方も出来るのですが、理系の落ち込みを嘆くのなら、まずは率先してこういう面白い記事を大きく取り上げていかないでどうするのでしょう?

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自分もいずれは巻き込まれることがあるかもしれない、と考えるのは恐ろしいものです。

2008-10-02 22:27:33 | Weblog
 今日は朝から快晴、久々に気持ちのいい一日でした。朝夕の寒さは一段と際立ってきた感がありますが、これからしばらくは秋らしさを実感できる良い季節になってくれるだろう、と気分も伸びやかに高まります。少し問題なのは、定期健康診断の結果、また血圧が高い、と判定されたこと。医者に行って治療して来い、というお達しなのですが、その数字を持ってかかりつけの医者に行くと、また、それくらいの血圧は高いとは言えず、薬を飲んで無理に下げる必要はない、と言われるに違いないのです。まあそれでも、これから寒くなるところで血圧の高さを指摘されるのは少々不気味なことも確かなので、機会を見て医者に相談にだけは行ってみるつもりでおります。万が一、心臓や脳疾患で突然倒れたりするのは本位ではないですしね。

 さて、大阪ミナミの個室ビデオ店放火事件、無職、ギャンブル好き、借金、と絵に描いたような犯人像が自暴自棄の末火を放った、と言う話が報道されています。それを見る限り、全く持って迷惑千万、そんなに死にたいなら誰にも迷惑かけることなく一人で勝手に逝けばよかろうものを、と思ったりもいたしました。個室ビデオ店こそ行った事はありませんが、カラオケやネットカフェなど、似たような業態のお店にはよく行くこともありますし、仕事や旅行でホテルなどに投宿してもあまり高い宿には泊まらないわけで、そういったところで同じような行動に走る輩が今後現れないとも限らない、と思わされたのが何とも恐ろしいところではあります。
まあ非常口なり消火器なりの安全システムをなるべく注意して確認するように心がけるくらいしか身を護る術もなさそうです。まあ易の卦を立てた時にそういった不幸を見分けることが出来ればいいんですが、幸か不幸かそういう危ない目にまだ遭ったためしがないので、今のところは信じる以外にやりようもありません。
 ただ改めて思ったのは、他に迷惑をかけずに一人で氏ね、と言ってみても、鬱憤を多少は晴らすことは出来てもあんまり事態の解決にはつながらない、と言うことで、この男が何故自暴自棄になったのか、その際に様々な手段のうちからよりによって放火と言う危険な行為を選択したのか、その辺りがもう少し解明されてみないことには、日々未知の恐怖におびえながら生活することを余儀なくされるだけになってしまいます。ひょっとしてこの男は様々なストレスからうつ病を発症していたのかもしれませんし、ギャンブルが止められなくなる精神疾患を患っていたのかもしれません。そこに何らかの助けが適切に入っていれば、未然に防ぐことができた、ということも考えられないわけではありません。一方で、同じような境遇にさらされているヒトはこの不景気の世の中でたくさん存在するわけで、そのほとんどがこのような凶行を選択しないで日々命を繋いでいる事から考えても、何か特殊な事情なり疾患なりがこの男にはあったと言う可能性もありえます。私はこの種の犯罪者には脳なり遺伝子なりに特徴的な「なにか」が見つかる、と信じているのですが、社会的背景や個人の心の問題ばかりでなく、早く生物学的背景も考慮される時代になって欲しいと切に望むのです。

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月も改まって『ビットバレット』公式サイトもようやく動き始めたようです。

2008-10-01 22:26:57 | ビットバレット
 今日はお風呂を沸かすのにタイマーのセットを誤り、ぐらぐらに煮立ててしまいました。ほんの数日前にも同じようなミスを犯して熱々のお風呂に入る羽目に陥ったのですが、どうもこのところ、その種の注意力が散漫になっているようです。言ってる矢先に、またブログ千字あまりを操作ミスで失ってしまいましたし(泣)・・・。 
 どうも、疲れが溜まっているのかもしれません。
 疲れが溜まっているといえばPCもそうで、最近一発で無事起動することがトンとなくなってしまいました。起動中にどこかでフリーズし、リセットキーを叩くこと数回にして、ようやく安定して動き出すようになります。また電源系統か、はたまたOSを載せているハードディスクの寿命か、それともメモリなどの問題なのか。不調続きも大概慣れっこになってきつつある昨今ですが、このまま報知するといずれうんともすんとも言わなくなる日がくるような気がして、居心地の悪い不安を覚えさせられます。

 そんな感じで気を取り直すのも億劫になりそうなのですが、何とかそこは踏ん張ることにいたしましょう。

 月も改まり、今年もあと四分の一を残すあまり。いつの間にか蝉の声も聞こえなくなり、彼岸花が盛りになって、これが物語なら起承転を終えていよいよ締めに入る「結」を迎えるところになりますが、単純にまとめをすればよい、というものではもちろんなくて、公私共に色々と騒々しく、忙しくなってくるみたいです。まあ、この不景気に仕事で忙殺される、と言うのはある意味幸せなことなのかもしれませんし、楽しみもまた多いのでよい年の瀬を迎えられるんじゃないか、と言う予感はいたします。
 その一つに応援している特撮ドラマ『ビットバレット』があるわけですが、今日、ようやく公式サイトhttp://www.bit-bullet.com/が更新、ついにベールを脱ぐ時が来た模様です。とりあえず大まかな解説とスタッフ&キャスト紹介というところですが、これから映像配信も始まるそうですので、楽しみに更新を待ちたいと思います。

 写真は、まだがんばっている職場の朝顔。夏の間は文字通り午前中にしおれていた花が、9月半ば以降はなぜか昼過ぎでもまだ花が開いたままになっています。



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