学問空間

「『増鏡』を読む会」、第10回は3月1日(土)、テーマは「二条天皇とは何者か」です。

金門鳥敏

2013-09-30 | 中世・近世史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 9月30日(月)17時03分32秒

坂口太郎氏の「東京大学史料編纂所蔵『五大虚空蔵法記』について─ 後醍醐天皇と後宇多院法流─」(『古文書研究』72号、2011年)という論文を読んでいたら、次のような記述がありました。

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 さて、五大虚空蔵法とは、五大虚空蔵菩薩を本尊とする密教修法である。修法の格式では「大法」「准大法」に次ぐ「秘法」に区分され、増益・天変・所望のために修される。治安元年(一〇二一)、小野僧正仁海が除災のために修したのが初例である。治安元年は辛酉の年であり、古来辛酉は革命の年として帝王の慎むべき年とされた。これ以後も辛酉の年に真言僧が除災のために修するのを例としたので、五大虚空蔵法は金門鳥敏とも称される。「金門鳥敏」の和訓はカノトトリトシ、すなわち辛酉歳に通ずるためという。
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理解するのに相当の教養が必要な中世の高級ダジャレですね。

>筆綾丸さん
Cashel Man の写真、「閲覧注意」の表示が必要ですね。
乾燥した土地のミイラは平気ですが、この種の死体は生々しすぎて私はちょっと苦手です。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

泥炭と王殺し 2013/09/27(金) 13:34:32
小太郎さん
網野氏は不世出の歴史家なのでしょうね。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1300L_T10C13A9SHA000/
日経の一面(9/25)に、
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「江戸の貨幣改鋳は物価にどう影響を与えたか」。講師の阪大名誉教授、宮本又郎に質問する約20人の日銀職員。話題は、ちょうど300年前に没した元禄時代の経済官僚、荻原重秀の脱デフレ策だった。
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とあり、おどろきました。今頃こんな勉強会をしていて、日銀は大丈夫なんだろうか、と。「20人の日銀職員」が新規採用の職員ならいいのですが、記事を読むかぎり、どうも違うような感じがしました。

http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-24053119
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"If these calamities should occur, the king will be held personally responsible. He will be replaced, he will pay the price, he will be sacrificed."

"We're looking at the bodies of kings who have been decommissioned, who have been sacrificed. As part of that decommissioning, their nipples are mutilated.

"In the Irish tradition they could no longer serve as king if their bodies were mutilated in this way. This is a decommissioning of the king in this life and the next."
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青銅器時代のこの遺骸は「王殺し」の痕跡を暗示しているようですが、乳首の切除が何故に??decommissioning の mythology and symbolism になるのか、難問ですね。たんに犯罪者を処刑しただけのことで、中国の五刑のようなものではないのか。
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