学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

生命保険史

2009-02-01 | 近現代史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2009年 2月 1日(日)22時31分39秒

『命に値段つけます』は矢野恒太とはあまり関係なかったですね。
以下、「あとがき」からの引用です。

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 欧米では、日本の明治時代から百年以上前に生命保険事業が生まれていた。生命保険については、幕末に欧米諸国を訪ね、進んだ政治経済の仕組みを必死に学び、日本に紹介しようとした福沢諭吉の功績を忘れてはならないだろう。日本で初めての近代的生命保険会社の明治生命の創立は、福沢門下の慶応義塾の出身者である阿部泰蔵たちによるものだ。また、明治生命の創立以前に、すでに統計学と確率論を基にした生命保険会社を創ろうとしながらも挫折した若山儀一という人物もいる。
 だが、わたしは、かれらの仕事を真正面から描くことをあえて避けた。そして、当時、日本全国に多数設立された少ない掛け金と保険金で運営し、今では賦課式保険と言われる助け合い方式の組織を主題とした。それらの会社の動きを描くことにより、日本の生命保険事業の黎明期が鮮明に浮かびあがると思ったからだ。無論、小説なので、実在の組織のいくつかかをモデルにしながら、典型的な会社を登場させている。現在は、「擬似保険」と呼ばれて、生命保険史からすると異端視されるそれらの組織に、庶民の生と死に対する考え方や家族への熱い思いが刻印されていると感じたからだ。

阿部泰蔵
http://project.lib.keio.ac.jp/bdke/psninfo.php?sPsnID=25

>筆綾丸さん
>『小林多喜二―21世紀にどう読むか』
「絵画も音楽も映画も愛し、ひたむきな恋に生き、反戦と社会変革をめざして拷問死に至った軌跡が、みずみずしい筆致の中に甦る」のだそうですが、私は「ひたむきな恋」など全く興味がないので、書店で手にとったものの購入はしませんでした。
小林多喜二は1903年生まれなので、1907年生まれの東野英治郎と4歳しか違いませんね。
『水戸黄門』に登場する小林多喜二は想像しがたいですが、世代的にはほぼ重なり、プロレタリア演劇研究所の一期生だった東野英治郎にも小林多喜二と同じ運命があり得たかもしれないですね。

>Akiさん
>かなりすごい絵
確かに。
最初のは閻魔大王かなと思いましたが、その次からはちょっと・・・。
でも、ずいぶん情報量が豊富で面白いブログですね。
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