学問空間

「『増鏡』を読む会」、第10回は3月1日(土)、テーマは「二条天皇とは何者か」です。

日比谷高校の次田香澄先生

2019-02-13 | 「五〇年問題」と網野善彦・犬丸義一
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2019年 2月13日(水)11時29分50秒

>筆綾丸さん
>ゲル研究の世界的権威と中世女流日記の権威は、どこでどう結びつくのか。

次田香澄の『とはずがたり 全訳注(上・下)』(講談社学術文庫)は至るところ線を引きまくり、ボロボロになるまで繰り返し読んだので、本当に懐かしい名前です。
ただ、個人的には次田はあくまで国文学の人という位置づけだったので、ご指摘の田中豊一との関係にはびっくりしました。
少し検索してみたところ、次田香澄は都立日比谷高校の先生をしていたことがあり、田中はその時の教え子だそうですね。
小林寛三氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主幹研究員)のサイトに次の二つの記事があります。

「追悼:田中豊一君 余りにも早く逝ってしまった我がクラスの秀才」
「31万時間後のクラス日誌 次田香澄先生追悼「問わず語り」」
小林寛三

利根川進の「私の履歴書」にも次田香澄が登場していますね。


>好事家さん
>あの国は、なぜ法律や歴史より感情が優先するのでしょうか?(徴用工問題)。

お久しぶりです。
床屋政談レベルの話になりますが、単なる素人の私にとっても韓国の司法の動向はけっこう面白いですね。
大統領が退職後に逮捕・訴追・投獄されるのが既に慣例になって久しい韓国でも、前最高裁判所長官が逮捕・起訴されたという最近のニュースにはびっくりしました。

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韓国、前最高裁長官を起訴 徴用工訴訟巡り職権乱用の罪

 韓国検察は11日、韓国大法院(最高裁)が朴槿恵(パククネ)前政権の意向を受けて徴用工訴訟の進行を遅らせたとされる事件で、前大法院長(最高裁長官)の梁承泰(ヤンスンテ)容疑者(71)を職権乱用などの罪で起訴した。朴炳大(パクビョンデ)容疑者ら2人の前大法官(最高裁判事)についても、共犯として同様の罪で起訴した。
 検察によると、梁容疑者は朴前政権時代の2013年から15年にかけて、徴用工訴訟の進行を遅らせる目的で、日本企業に賠償を命じる判決が確定した場合の外交的、国際法的な問題点を強調する文書をつくり、担当判事に送るなどしたとされる。見返りに、在外公館に判事を派遣する制度の拡充など、大法院の組織運営に有利となる利益を得ようとしたとされる。


どうにも筋の悪い法律論のような印象を受けますが、あるいは文在寅政権を支える急進的な司法官僚は旧来の憲法秩序そのものへの挑戦を試みているのかもしれないですね。
東大で憲法学を講ずる石川健治教授の言葉を借りれば、「法学的にはクーデター」が進行しているのかもしれません。
このままクーデターが成功するのか、あるいは政治情勢が逆回転して文在寅や今回の刑事訴追を行った検察官らが「容疑者」となる日も近いのか。
登場人物たちにはあまり華やかさがありませんが、この「韓流ドラマ」の展開には暫く目が離せないですね。

「九六条を改正しようとする策謀は、法学的には革命の教唆」(by 石川健治)
石川憲法学の「土着ボケ黒ミサ」

※筆綾丸さんと好事家さんの下記投稿へのレスです。

ゲルと神話 2019/02/11(月) 18:09:20(筆綾丸さん)
小太郎さん
ご引用の silver_romantic さんは理系なのに、源実朝や承久の乱に関心があるのですね(2月1日)。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784022599292
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%B1%8A%E4%B8%80
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A1%E7%94%B0%E9%A6%99%E6%BE%84
上山明博氏『ニッポン天才伝』「ゲル科学の父 田中豊一」で、ノーベル賞候補の田中豊一が、死の直前、恩師の追悼集に寄稿したという文章を読んで、びっくりしました。ゲル研究の世界的権威と中世女流日記の権威は、どこでどう結びつくのか。
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??数年前に日本でも大ヒットした映画『ジュラシックパーク』では古代の恐竜を蘇らせますが、そのもとは恐竜の血を吸った蚊の化石です。その血の中にある恐竜のDNAがどうしても必要なのです。クローン羊も親のDNAがないとできません。今のところ人間はどのような配列で文章を書けばタンパク質のような驚くべき機能をもつ高分子ができるのか分かっていないのです。
 その解決のヒントがゲルの研究から数年ほど前に得られました。それは配列はわれわれが選ぶのではなく、アミノ酸自身に選んでもらおうというものです。まずアミノ酸を水中で自由に泳がせておこう、そうすると、お互いに好きなもの同士が傍らに寄り添って安定になるだろう、そこで、それらを数珠つなぎにすれば、その高分子は出来たときの構造を覚えているであろう、というのです。もしある分子を認識して吸着するような高分子を作りたければ、そのターゲットになる分子も一緒にスープの中に混ぜておき、そこで高分子に繫げば、そのターゲットを認識できる高分子ができるだろう、というアイディアです。
 生まれたてのひよこが最初に見た動くものをその母鶏として脳に記憶することがよく知られていますが、あの「刷り込み」が生命の誕生では分子レベルで働いていたのではないか、そう考えているのです。何年もその実験的証明に四苦八苦してきてようやくその成果が出てきたところです。(田中豊一「ゲルの研究と古事記新講」『次田香澄先生をしのんで とはずがたり』一九九九年より)(同書241頁~)
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http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tamekane.html

沈みはつる入日のきはにあらはれぬ霞める山のなほ奥の峰

次田先生が生きていれば、為兼の歌を引いて、田中君、生命誕生時の分子レベルの動きはこんな感じかね、と云ったかもしれないですね。

朝鮮 2019/02/11(月) 18:22:40(好事家さん)
鈴木小太郎様
久々に投稿します。
朝鮮の話題が有ったので!
あの国は、なぜ法律や歴史より感情が優先するのでしょうか?(徴用工問題)。
教えて下さい!!
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