投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2019年 2月 5日(火)14時38分39秒
一昨日、2月3日のNHKスペシャルで朝鮮戦争をやっていましたが、マッカーサー解任の原因となった原爆投下計画について、ウラジオストクも攻撃目標だったとしていて、ちょっとびっくりしました。
番組では原爆投下目標の地図を見せたのは一瞬でしたが、旧満州とソ連本土では話が全然違ってきますから、どのレベルの計画だったのか、マッカーサーが本気でウラジオストクにも原爆を落とすつもりだったのかについて、もう少しきちんと説明してほしかったですね。
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2回目の米朝首脳会談の焦点の一つとなる朝鮮戦争の終結。1953年に休戦協定が結ばれたが、依然として“戦争状態”が続く朝鮮半島。アメリカ・ソ連・中国といった大国の思惑が複雑に絡み合った戦争は、なぜ始まり、なぜ終結できずにいるのか。NHKは、その謎を解く手がかりとなる秘密文書を入手。見えてきたのは、当時の権力者たちの野望や謀略が戦争を泥沼化させていく軌跡だった。朝鮮戦争の知られざる歴史をひもとく。
ここ暫くやっている日本共産党の「五〇年問題」や火焔瓶闘争・山村工作隊などは、それだけを見れば「革命ごっこ」の下らない話のように思えますが、同時期に朝鮮戦争が展開されていた訳ですから、あまり軽く見ることはできないですね。
スターリンにしてみれば、発端のコミンフォルムによる野坂「平和革命」路線批判も、日本の同志たちよ、もうすぐ朝鮮半島で戦争が始まるんだから「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という警告だったはずです。
「軍事」路線も、武器はチャチだったとはいえ、社会不安の醸成には相当に成功した訳で、朝鮮半島の動向次第では日本での新たな展開も充分にありえたのでしょうね。
>筆綾丸さん
鵜飼秀徳『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』をパラパラ眺めてみましたが、悲憤慷慨パターンの典型ですね。
松岡正剛氏の悲憤慷慨(その1)
松岡正剛氏の悲憤慷慨(その2)
神仏分離をめぐる悲憤慷慨の連鎖
鵜飼著に学問的価値は特にありませんが、「ルポルタージュ」としてはそれなりの出来で、まあまあの売れ行きは期待できるのでしょうね。
本郷和人氏は毎日新聞の書評で、タリバンのバーミヤン大仏破壊について「同様の行為を明治の日本人も行っていたのだ」(p12)という鵜飼氏の見解に賛同して、
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さらに驚いたのは、法令と廃仏毀釈の関係性である。ぼくは水戸学の影響下にあった明治政府が、仏教の否定を推進したのだとばかり思っていた。ちがう。政府はあくまでも神と仏の分離を促しただけなのだ。それを受けた人々の側が、率先して寺院の破壊に向かったのだ。
なぜそうした動きが生まれたか。著者は豊富な事例をもとに、次の四つを挙げる。1権力者(たとえば地方自治体の首長など)の(中央への)忖度(そんたく)、2富国策のための寺院利用(本堂の木材を小学校建設に転用するなど)、3熱しやすく冷めやすい日本人の民族性、4僧侶の堕落。
ぼくはこのうち、4を憎んだ民衆が寺院を襲う3の状況にとくに戦慄(せんりつ)を覚えた。ぼくたちはタリバンによるバーミヤン大仏の破壊を非難してやまないが、150年前のぼくたちの先祖は同じことをしていたわけだ。
この本を読んで、今一度、宗教に思いを馳(は)せてみたい。
と言われていますが、私は賛成できません。
「タリバン・イスラム国の偶像破壊と廃仏毀釈の相違」
※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
裏のルート? 2019/02/04(月) 10:28:27
小太郎さん
鵜飼秀徳『仏教抹殺』は、以前、書店で少し立ち読みしてやめたのですが、本郷氏の絶賛を読んで、うーむ、読んでみるか、と思っています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40733460R30C19A1EA2000/
「正規のルート」の記事の翌日(1月31日)に、こんな記事があったので、日経の「正規のルート」に対して、レゼコーとAFPは「裏のルート」を使ったのかな、と思いました。
小太郎さん
鵜飼秀徳『仏教抹殺』は、以前、書店で少し立ち読みしてやめたのですが、本郷氏の絶賛を読んで、うーむ、読んでみるか、と思っています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40733460R30C19A1EA2000/
「正規のルート」の記事の翌日(1月31日)に、こんな記事があったので、日経の「正規のルート」に対して、レゼコーとAFPは「裏のルート」を使ったのかな、と思いました。
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