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「東北中世史研究会」例会の感想

2012-01-08 | 東日本大震災と研究者
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 1月 8日(日)11時23分19秒

昨日は仙台市戦災復興記念館で行われた「東北中世史研究会」一月例会に参加し、矢田俊文氏(新潟大学人文学部)の「中世・近世の地震被害-1498年明応地震と16世紀末17世紀初頭の地震を中心に-」という発表を聴講してきました。
私は「東北中世史研究会」の会員ではありませんが、地震というテーマの重要性ゆえか、今回は一般の聴講も可と聞いたので行ってみましたが、研究者以外の参加者は、約一名を除き、いなかったみたいですね。
最近は理系の研究者と一緒に活動していることが多いという矢田俊文氏のお話は予想通り興味深いものでしたが、史料の信頼性に関する検討を非常に厳密にされている点は特に印象に残りました。
今村明恒以来、地震に関する史料の翻刻をしてきたのは理系の人だったから歴史研究者はあまり偉そうなことを言える立場ではないけれども、理系の人は無茶苦茶な史料の読み方をすることが多いので、歴史研究者がきちんと史料を検討する必要が大きい、と強調されていましたね。
質疑応答で、平川新氏も、1611年の「陸奥慶長地震」は理系の人の史料の読み方が間違っていたためにマグニチュード約8.1とされてきたが、実際にはもっと大きかったはずで、歴史研究者がきちんと史料を再検討しなければならない、歴史研究者の役割は大きい、と言われていました。
ちょっと変な感じを受けたのは、若い研究者が大勢いたのに、質疑応答で発言していたのは平川新氏を始めとする中高年層だけだった点です。
若い人が発言するのが躊躇われるような権威主義的な雰囲気は全くないのに、司会者から何か質問がないかと促されても、若い研究者が全然手を挙げないのは何故なんですかね。
これも東北の風土なのでしょうか。

今村明恒
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E6%9D%91%E6%98%8E%E6%81%92

島村英紀氏、「地震予知の語り部・今村明恒の悲劇」
http://shima3.fc2web.com/kiyou-imamura.htm
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