学問空間

「『増鏡』を読む会」、第10回は3月1日(土)、テーマは「二条天皇とは何者か」です。

世界遺産は誰のため

2013-06-21 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 6月20日(木)23時07分20秒 編集済

>筆綾丸さん
ユネスコの世界遺産って、高給に恵まれた国際機関の職員が更にタダで世界中を飲み食いして遊び歩くために推進している企画で、そこにカモが葱を背負って集まってくるんだから笑いが止まらないでしょうね。

ツイッターで少し前からフォローしている佐倉の歴史民俗博物館の方が、1970年代から80年代にかけては学界の総力を挙げて、出版社も社運をかけた壮大な企画が多数あったのに・・・、と嘆いておられたので、過去の栄光の時代の企画とは具体的にはどのようなものか質問してみたら、吉川弘文館の『国史大辞典』、平凡社・角川の地名辞典に言及されていました。
確かに吉川の『国史大辞典』や、少し後の平凡社の『日本史大事典』等は多数の優秀な歴史学者が取り組んだ一大プロジェクトで、ソフトとしての価値は国宝級ですね。
ただ、こういうのが海外に売れるはずもないから、日本の文化の水準をアピールする手段として国の資金で英訳してネットで公開し、出版社には素晴らしい企画を実現してくれてご苦労様ということでお金を流せば、新たに意欲的な出版活動ができるという良い循環が生まれるんじゃないですかね。
考古学の世界は遺跡の発掘で国から潤沢な資金が流れていますが、そんなハードよりソフトの方がずっと大事で、あちこち掘りまくって十分な資料を集めた考古学などより歴史学の世界に金を流した方がずっといいですね。
東北の津波被災地では高台に仮設住宅を建てようとしたときに、予定地に遺跡があるから調査のために時間が必要だということで建設が中止されたり工事が遅れたりした事例がけっこうありましたが、正直、そんなものはどーでもいいから早く建てろ、と思いました。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6820

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