昨年仕立てた 単衣の着物 十日町紬の正絹です。
最初は 袷のつもりでしたが、紬用のぼかし染めの八掛けをオーダーするのが面倒で 単衣にしたものです。
白っぽい着物が好きなのですが、 紬に関しては八掛けのぼかしは オーダーで別染めになるので 染め上がりにも時間はかかるし 材料代は高くなるしで 安易に飛びつけないなぁというのが これまでの経験です。
そんな理由から 着る時期も少ない単衣に仕立てたのですが、 仕立てる時に 何を思ったのか、身丈を短くしてしまいました。
たぶん 単衣だし 普段用に短めに着ることが多いだろう とか 考えたのだと思いますが。
これまでは 自分で仕立てるようになってから 用尺がゆるせば 身丈は4尺4寸(約165cm)前後にしています。
自分で着ていて 4尺3寸5分ぐらいが 一番着やすい感じがしていました。
ところが この単衣は 4尺2寸7分(162cm)にしたのです。
前後の揚げの寸法でわかりやすい寸法をとったのかもしれません。
後ろ身頃の打ち揚げから下全部に広幅の胴裏をすべりように付けました。
さて 今年はこの単衣に袖を通しましょうと 箪笥から出して しつけをはずし 襦袢も着て はおってみました。
襦袢は うそつきの二部式。 上は晒しの身頃に擬紗の単衣の袖を付けたもの。
袷でうそつき襦袢を着ているときには 感じない滑りの悪さ。
加えて 身丈は短いというせいもあってか いつもの自分の腰ひもの位置でもうまくおはしょりが決まりませんでした。
面倒だなぁと思いながらも この際身丈を出そうと決めたのが 木曜日の午後。
手順をちらっと頭の中でシュミレーション。 ますます 面倒な気分になってきたものの
頑張ってみることにしました。
以下の順序で丈出ししたことを 簡単にメモってみます。
まず 居敷きあての胴裏を途中まで解きます。
脇の縫い代のくけを内揚げの前後20㎝ぐらいほどき、脇の縫い目も解きます。
内揚げは解かないまま、6分の寸法で 始めの揚げを縫った位置から下がったところを縫います。
最初の揚げをほどき 折り目を付け下側に倒し、地糸で二目落としのしつけ。
次は 前身頃の揚げ出しですが 衽と衿が邪魔しています。 衿を衿先から衽先より上まで 解きます。
衽の縫い代のくけをとり、衽をほどきます。
後ろ身頃で出した分量と同じ寸法の揚げを 前身頃でも出しして、また同じように始めの二目落としのしつけと地縫いを解き コテをあてて折りをつけ、二目落としのしつけです。
これで4.5cmの丈を出すことが出来ました。
次に脇縫いです。
脇縫いは地縫いの後 キセが開かないように もう一本一目落としで縫ってあります。 同じようにして 縫い代を開き コテをあてて解いてあった身八つ付近までの表と縫い代のつり合いを直します。
両脇の縫い代をくけます。
途中までといた居敷き当てもくけつけます。
衽つけです。衽先の縫い代はたっぷりありました。 衽付けの印をつけ直して 前身頃と衽を解いたところより1寸ほど前から縫い直しです。
同じように 縫い代をくけます。
衿付け線も身丈が長くなった分 衿付け線もつけ直し。
最後に衿を縫って お終い。衿付けは 地縫いの後 衿先の始末や裏衿のくけ、掛け衿つけなど 作業は一杯。
木曜日のお昼すぎから 始め 夜も頑張って 金曜日のお昼までかかりました。
私の技量では 丸一日というところです。
絽縮みの正絹の半襟をつけてみました。
着てみると 納得のいく着心地です。 たかが1寸2分(4.5cm)と侮れません
これからは 身丈は 4尺3寸5分から4尺4寸を きちんと守ろうとつくづく思ってしまいました。
ところで 単衣は袷より仕立ては簡単というのが 一般の考え方でしょう。
しかし 袷は表と裏のつり合いさえ取れれば さほど気を使う部分はないというのが 今の私の受け止め方です。
単衣は くけが大量にあります。 そのくけが下手だと 表にひびいて すっきりとした仕上がりになりません。
着物を縫っていて思うことは 裏側の始末に 表の素縫いより時間のかかる仕立てと 綺麗な仕立て上がりを必要とする衣服は 日本の着物だけだろうなぁということです。
美しいものだし 大事に守って行きたい伝統だと思います。
最初は 袷のつもりでしたが、紬用のぼかし染めの八掛けをオーダーするのが面倒で 単衣にしたものです。
白っぽい着物が好きなのですが、 紬に関しては八掛けのぼかしは オーダーで別染めになるので 染め上がりにも時間はかかるし 材料代は高くなるしで 安易に飛びつけないなぁというのが これまでの経験です。
そんな理由から 着る時期も少ない単衣に仕立てたのですが、 仕立てる時に 何を思ったのか、身丈を短くしてしまいました。
たぶん 単衣だし 普段用に短めに着ることが多いだろう とか 考えたのだと思いますが。
これまでは 自分で仕立てるようになってから 用尺がゆるせば 身丈は4尺4寸(約165cm)前後にしています。
自分で着ていて 4尺3寸5分ぐらいが 一番着やすい感じがしていました。
ところが この単衣は 4尺2寸7分(162cm)にしたのです。
前後の揚げの寸法でわかりやすい寸法をとったのかもしれません。
後ろ身頃の打ち揚げから下全部に広幅の胴裏をすべりように付けました。
さて 今年はこの単衣に袖を通しましょうと 箪笥から出して しつけをはずし 襦袢も着て はおってみました。
襦袢は うそつきの二部式。 上は晒しの身頃に擬紗の単衣の袖を付けたもの。
袷でうそつき襦袢を着ているときには 感じない滑りの悪さ。
加えて 身丈は短いというせいもあってか いつもの自分の腰ひもの位置でもうまくおはしょりが決まりませんでした。
面倒だなぁと思いながらも この際身丈を出そうと決めたのが 木曜日の午後。
手順をちらっと頭の中でシュミレーション。 ますます 面倒な気分になってきたものの
頑張ってみることにしました。
以下の順序で丈出ししたことを 簡単にメモってみます。
まず 居敷きあての胴裏を途中まで解きます。
脇の縫い代のくけを内揚げの前後20㎝ぐらいほどき、脇の縫い目も解きます。
内揚げは解かないまま、6分の寸法で 始めの揚げを縫った位置から下がったところを縫います。
最初の揚げをほどき 折り目を付け下側に倒し、地糸で二目落としのしつけ。
次は 前身頃の揚げ出しですが 衽と衿が邪魔しています。 衿を衿先から衽先より上まで 解きます。
衽の縫い代のくけをとり、衽をほどきます。
後ろ身頃で出した分量と同じ寸法の揚げを 前身頃でも出しして、また同じように始めの二目落としのしつけと地縫いを解き コテをあてて折りをつけ、二目落としのしつけです。
これで4.5cmの丈を出すことが出来ました。
次に脇縫いです。
脇縫いは地縫いの後 キセが開かないように もう一本一目落としで縫ってあります。 同じようにして 縫い代を開き コテをあてて解いてあった身八つ付近までの表と縫い代のつり合いを直します。
両脇の縫い代をくけます。
途中までといた居敷き当てもくけつけます。
衽つけです。衽先の縫い代はたっぷりありました。 衽付けの印をつけ直して 前身頃と衽を解いたところより1寸ほど前から縫い直しです。
同じように 縫い代をくけます。
衿付け線も身丈が長くなった分 衿付け線もつけ直し。
最後に衿を縫って お終い。衿付けは 地縫いの後 衿先の始末や裏衿のくけ、掛け衿つけなど 作業は一杯。
木曜日のお昼すぎから 始め 夜も頑張って 金曜日のお昼までかかりました。
私の技量では 丸一日というところです。
絽縮みの正絹の半襟をつけてみました。
着てみると 納得のいく着心地です。 たかが1寸2分(4.5cm)と侮れません
これからは 身丈は 4尺3寸5分から4尺4寸を きちんと守ろうとつくづく思ってしまいました。
ところで 単衣は袷より仕立ては簡単というのが 一般の考え方でしょう。
しかし 袷は表と裏のつり合いさえ取れれば さほど気を使う部分はないというのが 今の私の受け止め方です。
単衣は くけが大量にあります。 そのくけが下手だと 表にひびいて すっきりとした仕上がりになりません。
着物を縫っていて思うことは 裏側の始末に 表の素縫いより時間のかかる仕立てと 綺麗な仕立て上がりを必要とする衣服は 日本の着物だけだろうなぁということです。
美しいものだし 大事に守って行きたい伝統だと思います。