これってやはり化石? 私のライフスタイル!

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今年の正倉院展 … 夫婦でデート

2010-10-30 | 着物
奈良の国立博物館で正倉院展があるこの季節 ここ数年高校時代の友人が関西で集うので 博物館まで足をのばしていました。

今年は十一月の第一週目の土曜日に一年前から決定していたのに、今年は健康上の問題で不参加になってしまいました。

諦めていたら 急にトトに 「一緒に正倉院展行こうか」と誘われて 昨日行ってきました。

木曜日までは寒い雨だったのに、昨日起きると雨が上がっているし 奈良も晴れの一日になりそうです。

トトより30分早く起きて 着物を着はじめました。

急いでいたので 帯は自分で仕立てた作り帯。

それに初めて 自分で作った帯留めを合せてみました。

目立たないぐらいがいいかなぁと ちょっと控えめな組み合わせにしたのですが、
なんと、素敵な帯留めですねと 声をかけてもらいました。

私より一回り以上お若い女性のようでした。 帯とも合っているとは その女性の言葉です。(私と感性が似ている方だったのでしょうが やはり嬉しいものです)

びっくりやら 気恥ずかしいやら でも 嬉しくて めったにしない着物のコーディネートアップをやっちゃいます。



二十年近く前 友人にデコパージュを習っていた頃の 作品です。

使ったのは 記念切手。 作る時はブローチか帯留めか迷いながらでした。

バックは泥金のような雰囲気をいくつかの色を合せて出した記憶があります。


着物は 亡き母が自分用に求めていたもので 反物状態であちこちカビがきていました。

それを洗い張りに出して きれいさっぱりにし、私が仕立てたものです。 和裁のお稽古を始めて4枚目に仕立てたもの。

昨日はぜーんぶ手作りの物になりました(帯揚げ 帯締めは別)

コートは母の着物からの仕立て直し です。 軽い、しわにならない、羽織ると温かいと3拍子揃っていて お気に入りです。


肝心の正倉院展は 平日の朝10時ぐらいの入館だったものの やはり大変混雑していました。

会場に入るのに15分待ちはこれまでで一番短い時間ですみましたが、中に入ると今までにないさらなる行列が出来ている展示品が一点。

螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんのびわ)は この展示品だけで45分待ちの行列でした。

す ば ら し い ! 世界に一つしか残っていない宝物です。 

鏡をしまうための 八角の蓋つきの箱。 箱の蓋の文様は 今でも帯の柄として伝えられています。 鏡自体が大変貴重なものだったので 綺麗な工芸をほどこした箱に納めて大事にしていたのでしょう。

税金として納められた絹と麻?の布も展示してありました。 幅は一尺5寸ほどはありそうで 長い巻きものの状態で保存されているようです。

数年前に展示されていた当時の服(平民というか 防人や土木工事従事者)の幅が 1尺以上の織り幅だったので その時もちょっと気になったのです。

静岡あたりから納められたという絹布と房総(千葉)あたりから納められた布を見て いつ頃から日本では今の反物の幅で織られるようになったのでしょうと気になったのでした。

布は何百年も保存が出来ないものだそうです。 昨年文化服装学院の博物館勤務の方からお話を伺う機会があったのですが、その方の説明です。 よって平安時代の十二単とかは現存していないわけです。文化服装学院で保管されている重ね衣でも明治時代のものでした。

それなのに 正倉院には 奈良時代の布が納税された時の状態で保存されているのです。

もう奇跡としかいいようがない。 その奇跡を自分の目で見ることが出来るなんて 胸が一杯になりました。

今回もたっぷりと奈良時代にタイムスリップできた正倉院展でした。

コメント
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