
数年前に買った小千谷ちぢみ(麻)を単衣に仕立て上げました
買った時は、鉄紺色一色と思い込んでいましたが、反物を広げてよーく見ると、反物の端15cmぐらいによろけの模様が一本ぼかしで入っていました
そして、手元の「色の手帳」で一番近い色を探すと、褐返し色(かちがえし)とあります
全体を深い藍で染めた色。また、いったん別の色で染めた上にさらに一面に藍をかけた色

水に通して、吊るして干して、長さを計ると、12m 54cm
幅は、40cm あり、男女兼用の反物
週に4、5日ほど、午後の2時間前後チクチク針仕事
そんなゆっくりしたペースでも、完成‼️

随分久しぶりに単衣の着物を仕立て、勘が鈍っている所もありました
やはり何でも継続しなければ、正確に早くは出来ないと痛感
衿幅をバチ衿にするか、広衿にするか悩んだのですが、今回は広衿仕立てにしました
衿裏は、絽(鶯色)の長襦袢の残りがちょうど寸法的にあったので、半分に切って利用
もう年齢的に、新しい反物には手を出さないと決めていて(破ることもありますが😅)
衿裏一枚でさえ、買い求めたくないのです
呉服屋さんが近くにないし、わざわざ買いに出かけても、びっくりするような高いお値段で売られていて、懲りたのも理由の一つです
手持ちに衿裏にする生地がなければ、バチ衿にしたはずです
衿を半分に折って着ますが、引き糸をつけるか、スナップにするかも悩んで、結局スナップ

👆は、衿を内側に折ってスナップをとめた画像です
3個のスナップの間隔は、内側が5厘ほど狭くなるように付けてあります
同じ間隔で付けるより、首周りに沿って無駄なたるみがなくすっきりと着ることが出来るから、このようにしなさいと、習いました
私が習った先生はプロの和裁士で指導者として師範の免許をお持ちでした
本には書いてないけど、いかに着心地のいい着物に仕立て上げるかを常に工夫しているプロのプライドのある先生でした

スナップを付ける時も、四か所の穴に糸を通して付けていきますが、凹側と凸側の糸を通す位置をずらして付けると、しっかりとなる
そんな細かな事を教わったのは、二十代の頃の職場の先輩から
衿肩開きに三日月の力布を付けて、肩当ては省略(この仕立て方も私の好きな仕立てです)
今の世の中は、手仕事は何でも簡単に簡単にという流れです
セカセカと忙しい世の中ですからやむを得ない部分もあります
でも手間はかかるけど、手をかけた物に惹かれるし、自分なりに手をかけた物を作りたいと思いながら、一針一針縫って出来上がった一枚です
私としては珍しく、今シーズンに間に合う一枚となりました😄