昨日は上野へ
東京都美術館開催中のボストン美術館展
東京都美術館は、何年ぶり?
いつもここは地下のエントランスに行く前から長い行列に並んでいました
昨日は予約して入館のシステムになっているので、さっと入れました
オーディオガイダンスは要らない❗️と素通りしたのに、四作品目ぐらいで挫折
戻って借りました😅
鑑賞は直感任せが好きなのですが
ガイダンスも聞きたくなった昨日です
日本の美術品が海を渡り、里帰りした展示品に魅せられました
銀や金を練り込んだ墨で書かれた経文や絵巻
特に吉備大臣入唐蒔絵巻の、絵よりもかな文字にワクワク
千年近く前の蒔絵巻を目の前に見れた幸せをしみじみと感謝
明治以降、お家を維持出来なくなった大名家が換金した品々
豪商の手に渡った物が多い中で、海外に渡ったものも数知れず
吉備大臣入唐蒔絵巻は、平安時代末期の後白河院の頃に描かれた絵巻物
宮中から若狭の八幡宮に移されたり、明通寺のお宝になったり、秀吉縁者の物になったり
豪商の手元に置かれた時期もあったらしいのですが、幕末にはまた酒井家のお宝になり大正時代まで所有
その後財政難?で手放すことになったものの、関東大震災直後のことで、日本は不景気になり買い手がつかなかったそうです
この蒔絵巻を買い付けた日本人の冨田孝次郎という人は、ボストン美術館東洋部長を務めていて、来日した時に購入し、ボストン美術館所蔵となったそうです
ところが、この吉備大臣入唐蒔絵巻が海外に流出したことは、日本国民の怒りを買い、冨田幸次郎は国賊呼ばわりされたとか
日本の宝物としてずーっとさまざまな人に知られていたのですね
価値がわかる人の手で、ボストン美術館に収められたのはラッキーだったんだと思います
その後日本は先の大戦で焦土となったのですから
今はロンドンの大英博物館に収められているロゼッタストーンは、元々はエジプトのもの
フランス軍が一時所有し、ナポレオン戦争でイギリス軍に負けたフランス軍はロゼッタストーンを手放してしまいます
そして英国に渡って、以来ずーっと大英博物館のお宝(本当は人類のお宝なのでしょうが、所有は英国)
大英博物館でロゼッタストーンに見入るエジプトの人々はどんな事を思っている?
返して欲しいでしょうね
平安王朝の絵巻物を見ながら、大英博物館やルーブル美術館やベルリンのベルガモン博物館の収蔵品を思い出してしまいました
この絵巻物も日本に有れば、国宝級だそうです
肝心の吉備大臣入唐蒔絵巻のお話は、遣唐使として唐に渡った吉備真備が無理難題をふっかけられたものの、鬼となって現れた阿倍仲麻呂に助けられたというもの
その荒唐無稽なお話は、大人のお伽噺
絵はマンガ風というか、日本人は平安時代の頃よりこういう絵のセンスがあり、日本人に好まれたんだなぁと
空も飛ぶ吉備真備と阿倍仲麻呂😄
昨日も連れがあり、その後の上野の森の散策も楽しんだ一日でした