「今度は頂上でね。」と言い放って出掛けた息子。 いつでも撤退する気でいる私に 先を言わせない様に。。。
すると突然 前方でぱったんぱったんと音がする。 樹間に見えるのは息子が何かを引っ張っている音。 あ あれだ あれが例の梯子だ。 梯子を登る補助として鎖がついているのだった。
近づいてみると な~んだ 確かに高いけれど 直立に近いけれど 大丈夫。 人はどうしてもおもしろおかしく写真を撮る傾向にあり 私も梯子を見ればいかに急かを見て取れるように写真にする。
それでドキドキしていたけれど 梯子の脇の岩場もほとんど鎖無くても登れるのでは無いかと思えるでこぼこがあった。
梯子もしっかりしていて 鎖を使う方が危ないのではないかと思えるぐらい。 ほっ
登り切ってから見下ろしたら それなりの高さはあったけれどね。
横へゆっくり移動して眼下を見下ろす。目の前にビヨウヤナギの白版のような蘂の長い可愛い花
さてと。。。 岩ばかりで道が良く分からない様な登山道でどっちへ行くか 息子はもう頂上に着いているに違いない。最後の急登は何処まで続く
と
52メートルって おもしろい表示だよね 52メートル。
何だか力湧いてきたぞ。 で というわけではないけれど 左に折れて お社に寄り道
奥社と言えば本社があるわけだけれど それがあの仙人洞の中にあるのだろうか?開聞岳は枚開神社のご神体そのものなのだそうな
家に戻ってから解ったこと
枚開神社は開聞岳の北麓にあって別名開聞神社 薩摩一宮で社格はとても高い。本殿は島津義弘が再興し島津重豪が開建。 平安末期ごろの車両は42町と記録されている。 海上祈願の社として崇敬を受けているので分社は南薩 鹿児島沿岸に広く散在している。
とのことだった。
みんなが畏れ 崇め 祈ってきた山が開聞岳と言うことになる。 第二次世界大戦で知覧から飛び立った若き飛行兵が 最後に目に焼き付けた日本の山であることを聞いて心が痛んだ。
あるような無いような道を進んでひょっこり飛び出したのが 頂上の上の方。
「お母さん 箸ある?」「あ 無いかも。」
ホテルで湧かしてもらったお湯を注いでカップラーメンを作っている息子に ありゃ どうしよう???
先程のご夫婦が「余分にありますから 使ってください。」と。 良かった~
360度のパノラマ・・・・って地図には書いてあったけれど。。。 北側に開けているんと違うの?
それでも コンビニで仕入れたおにぎりを食べながら足下に広がる薩摩半島を見ているのは実に気持ち良い。 こんな景色に出会えた事に感謝。 息子に感謝。
と ぽつんと雨が・・・ 頂上にはもう誰もいなくて私達と先程から前後して登っている東京からのご夫婦二組だけ
ここではあまり遅くなると私が一人山に取り残されることになる。大変 大変
レインコートと傘一つづつしかなかったので私がレインコートを持ち 息子は傘を持って降りることにする。 最後の人になる事は避けたかった。