泥鰌掬いご存知ですか?
友達が”かっぽれ”を始めました。私も何か芸を身に付けたいと思っていました。それは将来、老人介護施設を訪問したりする時に、何か芸があると良いからです。たまたま、カラオケを習っていた社会保険センターに”泥鰌掬い始まります”のポスターが貼ってありました。そこで申し込みました。
泥鰌掬いは歩きが6割と言われています。それと笑っていただいて何ぼの世界です。人様に楽しく笑っていただけるかどうか。2時間×2回/月でした。講師は安来節保存会に所属されている方で、講師の先生は安来節保存会東京支部長でした。時々来ていただき教えていただきました。上手い方は動作一つがコミカルであり笑いがあります。
資格試験があり、3級、2級、1級、初段、二段、三段、準師範、師範、大師範とあります。6年間習い三段まで行きました。いろいろな催し物にグループで出演もしました。勤務していた工場を転勤で出る時に、全体研修の場(食堂が会場)で挨拶代りに泥鰌掬いを披露したこともありました。その時は、事前に総務に言って、私の挨拶の番になったら、安来節のテープをかけて貰いました。皆の後ろから踊りながら前に行き、泥鰌掬いをしました。たった1年間だけの工場勤務でしたが、”泥鰌掬いの人”と覚えて貰えたようです。ある人は、急に泥鰌掬いの歌が流れたので、何が起きたかわからなく、周りの人に尋ねたそうです。返答が「今度、部長になって本社に戻る人だそうです」と。尋ねた人は「部長、大丈夫かな?」と言っていたと後でそれを聞いていた人が教えてくれました。
泥鰌掬いをしたことで身に付いたのは、人に笑われても前より平気になりました。そして、笑っていただけたと言うことは良かったなと思えるようになりました。それと、人前で上がった時などの気持ちが楽になりました。上がったら、上がったままでできることをすればよいと思えるようになりました。
友達のかっぽれ仲間と一緒に何度か老人介護施設に慰問にも行きました。写真はその時の写真です。急に何か芸をやってくれと言われると、泥鰌掬いの歩き方とか顔の表情することができるので、全体の飲み会でもドキドキすることがなくなりました。
前に朝、会社のエレベーターに乗ったら、女性の方が「あら!」と言われ会釈をされました。私は見覚えばありませんでした。降りられた階にはお客様相談室がありました。きっと研修で来られた工場の方かなと思い、会議終了後寄りました。その通りでその泥鰌掬いを披露した工場の方でした。
会社で大変お世話になった方の定年のお祝いを幹事で企画しました。その時にも泥鰌掬いを披露しました。カラオケ、泥鰌掬いが人前で披露できると思うと、それまで、宴会でいつ順番が回ってきたら断らないといけないが、断り切れるのだろうかとドキドキしていた自分とは大違いでした。人前で話をするときの度胸にも役立ちました。まさに芸は身を助けるになりました。
恥ずかしがりやで気が小さく神経質で人前にはでたくない私でしたが、周りの人は私のことをそのようには見ていないと思います。時々、自分はどちらの自分が自分なんだろうと思うことがあります。たぶん、本質は変わっていませんが、演技する技術を身に付けたのではないかと思います。演技だと思っていたことが演技でなくなってきているのかもしれません。
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