・うつ病で死んでいく哀れな魚
一匹の小魚を、どう猛な天敵魚がいる実験水槽に入れる。小魚は当然、捕食されまいと懸命に逃げ回るわけだが、実のところ、天敵は見えないガラスの板の向こう側にいて、小魚の身に危険が及ぶことはない。ストレスだけを与えることを企図している。緊張状態にある小魚は、天敵のちょっとした動きにも”ビクン“と反応する。やがて、小魚は水槽の底ではほとんど動かなくなる。ストレスによるうつ状態である。餌を食べなくなり、死んでしまうこともあるらしい。
・闘争か逃走か
ストレス反応とは、私たちの祖先が「命をつなぐために進化させた大切な体の機能」だったのだ。
・複数のストレスが重なり、長く続いたとき、いったい体の中で何が起きるのか? その答えは「脳が物理的にむしばまれる!」
・目の前の現実についてではなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態を「マインド・ワンダリング(心の迷走)」と呼び、いま、世界中で関心が高まっている。2010年、ハーバード大学の心理学者マシュー・キリングスワースらが2250人を対象に行った。マインド・ワンダリングに関する大規模な行動心理調査の結果を発表。それによると、このマインド・ワンダリングの状態は、生活時間の実に47%にも上がった。つまり、起きている時間の半分近くで、私たちはストレスを感じやすい状態に置かれているのだ。
「人間が過去や未来のことをあれこれ考えてしまうのは、将来の計画を立てるためです。しかし、そうしている間、ストレス反応がずっと続いていいるのです。どんどん脳をむしばみ、心の状態を悪くしてしまいます」
・NPY(神経ペプチド)が少ない体質の人は、脳が過敏に反応し、逆にNPYが多い体質の人は、ほとんど反応しないというものであった。つまり、NPYが少ない人がストレスに弱く、多い人はストレスに強いということになる。こうした実験を重ねることによって、ブライアン・ミッキー氏はある結論にたどり着いたという。
「NPYの差は、遺伝によるものです。つまり、ストレスに強いか弱いかは、生まれつきある程度決まっているとも考えられるのです。NPYは、ストレスに対する強さ・弱さを表す『レジリエンス』を決定づける要因のひとつだと言っていいでしょう」
・子どもの頃、頻繁にいじめを体験すると、大人になってからうつ病を発症したり自殺を考えたりする傾向が強いことが分かったのである。そのリスクアおよそ2倍。言い換えれば、子ども時代に極度のストレス(いじめ)を体験すると、その影響が大人になってから「ストレスに弱い」という形で現れてくる可能性が、示されたのだ。
・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校デイビット・ディビス教授によると、突然死の可能性が高い動脈硬化を起こした患者の血管を詳しく調べたところ、血管の壁から本来は「存在するはずのない細菌」を発見したという。この細菌は、歯ぐきや鼻などが傷つき出血した際に入り込んだと考えられる。
・ビッツバーグにあるカーネギーメロン大学のシェルダン・コーヘン教授は、1980年代に大規模なストレス研究を実施し、風邪とストレスの関係を明らかにしている。研究に協力したのは、健康な大人394人。まずは、ストレスがどれくらいたまっているを調査をし、そのあとに、鼻の粘膜に風邪ウイルスが入った液体を垂らした。被験者には、そのまま6日間病室で過ごしてもらい、風邪を引くかどうかを調査したのである。その結果、ストレスが多い人ほど風邪を引く割合が高いことが判明した。
風邪の罹患率 28 33 39 42 48(%)
ストレス 3-4 5-6 7-8 9-10 10-11
・ストレス対策(アメリカ心理学会)
1)笑い
2)友人や家族のサポートを得る
3)運動
4)瞑想
・運動によって神経細胞が変化する。つまり『脳(神経細胞)自体』が変化するのが分かったことです。変化を持続するためには、定期的に運動をすることが重要です。運動しなくなると、すぐ元に戻ってしまいます。いま運動していない人は、ぜひ、運動を始めてください。
・神経細胞の突起の数を減少させることが、ストレス反応の暴走を防ぐことにつながる。
・心や体を守るために魚を食べよう(EPAやDHA)。
・ストレス対処の食生活八か条
1)食事は規則正しく、ゆっくりと
2)十分な水分補給、特に緑茶
3)魚は週に三回程度
4)ナッツ・アボガド・オリーブの脂肪がよい
5)玄米などの全粒穀物を
6)緑の野菜や、レバーで葉酸を
7)乳酸菌・ビフィズス菌で腸を元気に
8)砂糖や塩分・アルコールは控えめに
・ストレスがかかったときどんな気晴らし
・音楽を聴く
・本を読む
・コーヒーを飲む
・買い物をする など
・ストレスを感じている自分の状態を客観視し、自分に合った対策を講じるコーピングは、認知行動療法そのものなのだ。
・コーピングのためのスペシャルガイド
1)できるだけたくさんの気晴らしをリストアップする
2)「認知するコーピング」も効果がある
3)作成したリストを持ち歩く
4)ストレスを客観的に観察する
5)時には正面突破の問題解決も
・マインドフル「気づき」
「はっと我に返った状態」
「今の現j値ウニ注意が向いた状態」
・マインドフルネスストレス低減法(MBSR)
・マインドフルネスとは
「今の瞬間」の現実に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方
・実践マインドフルネス
1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座る
2)呼吸をあるがままに感じる
3)わいてくる雑念や感情にとらわれない
4)体全体で呼吸する
5)体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
6)瞑想を終了する
・マインドフルネスで海馬が大きくなる。
マインドフルネス・ストレス低減法を8週間行った16人の脳を調べるうちに、ある変化を発見した。「5%増加していました」(ストレスホルモンのコルチゾールが脳にあふれたときに神経細胞をむしばまれてしまのうが、この海馬だった)
感想;
退職する前は1~2回/年に風邪を引いていました。
一度引くと治るのに1~2か月罹っていました。
ところが退職するとほとんど風邪を引かなくなりました。
引いても一週間くらいでよくなります。
ストレスはあまり感じていないと思っていたのですが、やはりストレスを受けていたのでしょう。
風邪を引きやすい=ストレスを受けて弱っている と考えて、対処が必要だったようです。
一匹の小魚を、どう猛な天敵魚がいる実験水槽に入れる。小魚は当然、捕食されまいと懸命に逃げ回るわけだが、実のところ、天敵は見えないガラスの板の向こう側にいて、小魚の身に危険が及ぶことはない。ストレスだけを与えることを企図している。緊張状態にある小魚は、天敵のちょっとした動きにも”ビクン“と反応する。やがて、小魚は水槽の底ではほとんど動かなくなる。ストレスによるうつ状態である。餌を食べなくなり、死んでしまうこともあるらしい。
・闘争か逃走か
ストレス反応とは、私たちの祖先が「命をつなぐために進化させた大切な体の機能」だったのだ。
・複数のストレスが重なり、長く続いたとき、いったい体の中で何が起きるのか? その答えは「脳が物理的にむしばまれる!」
・目の前の現実についてではなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態を「マインド・ワンダリング(心の迷走)」と呼び、いま、世界中で関心が高まっている。2010年、ハーバード大学の心理学者マシュー・キリングスワースらが2250人を対象に行った。マインド・ワンダリングに関する大規模な行動心理調査の結果を発表。それによると、このマインド・ワンダリングの状態は、生活時間の実に47%にも上がった。つまり、起きている時間の半分近くで、私たちはストレスを感じやすい状態に置かれているのだ。
「人間が過去や未来のことをあれこれ考えてしまうのは、将来の計画を立てるためです。しかし、そうしている間、ストレス反応がずっと続いていいるのです。どんどん脳をむしばみ、心の状態を悪くしてしまいます」
・NPY(神経ペプチド)が少ない体質の人は、脳が過敏に反応し、逆にNPYが多い体質の人は、ほとんど反応しないというものであった。つまり、NPYが少ない人がストレスに弱く、多い人はストレスに強いということになる。こうした実験を重ねることによって、ブライアン・ミッキー氏はある結論にたどり着いたという。
「NPYの差は、遺伝によるものです。つまり、ストレスに強いか弱いかは、生まれつきある程度決まっているとも考えられるのです。NPYは、ストレスに対する強さ・弱さを表す『レジリエンス』を決定づける要因のひとつだと言っていいでしょう」
・子どもの頃、頻繁にいじめを体験すると、大人になってからうつ病を発症したり自殺を考えたりする傾向が強いことが分かったのである。そのリスクアおよそ2倍。言い換えれば、子ども時代に極度のストレス(いじめ)を体験すると、その影響が大人になってから「ストレスに弱い」という形で現れてくる可能性が、示されたのだ。
・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校デイビット・ディビス教授によると、突然死の可能性が高い動脈硬化を起こした患者の血管を詳しく調べたところ、血管の壁から本来は「存在するはずのない細菌」を発見したという。この細菌は、歯ぐきや鼻などが傷つき出血した際に入り込んだと考えられる。
・ビッツバーグにあるカーネギーメロン大学のシェルダン・コーヘン教授は、1980年代に大規模なストレス研究を実施し、風邪とストレスの関係を明らかにしている。研究に協力したのは、健康な大人394人。まずは、ストレスがどれくらいたまっているを調査をし、そのあとに、鼻の粘膜に風邪ウイルスが入った液体を垂らした。被験者には、そのまま6日間病室で過ごしてもらい、風邪を引くかどうかを調査したのである。その結果、ストレスが多い人ほど風邪を引く割合が高いことが判明した。
風邪の罹患率 28 33 39 42 48(%)
ストレス 3-4 5-6 7-8 9-10 10-11
・ストレス対策(アメリカ心理学会)
1)笑い
2)友人や家族のサポートを得る
3)運動
4)瞑想
・運動によって神経細胞が変化する。つまり『脳(神経細胞)自体』が変化するのが分かったことです。変化を持続するためには、定期的に運動をすることが重要です。運動しなくなると、すぐ元に戻ってしまいます。いま運動していない人は、ぜひ、運動を始めてください。
・神経細胞の突起の数を減少させることが、ストレス反応の暴走を防ぐことにつながる。
・心や体を守るために魚を食べよう(EPAやDHA)。
・ストレス対処の食生活八か条
1)食事は規則正しく、ゆっくりと
2)十分な水分補給、特に緑茶
3)魚は週に三回程度
4)ナッツ・アボガド・オリーブの脂肪がよい
5)玄米などの全粒穀物を
6)緑の野菜や、レバーで葉酸を
7)乳酸菌・ビフィズス菌で腸を元気に
8)砂糖や塩分・アルコールは控えめに
・ストレスがかかったときどんな気晴らし
・音楽を聴く
・本を読む
・コーヒーを飲む
・買い物をする など
・ストレスを感じている自分の状態を客観視し、自分に合った対策を講じるコーピングは、認知行動療法そのものなのだ。
・コーピングのためのスペシャルガイド
1)できるだけたくさんの気晴らしをリストアップする
2)「認知するコーピング」も効果がある
3)作成したリストを持ち歩く
4)ストレスを客観的に観察する
5)時には正面突破の問題解決も
・マインドフル「気づき」
「はっと我に返った状態」
「今の現j値ウニ注意が向いた状態」
・マインドフルネスストレス低減法(MBSR)
・マインドフルネスとは
「今の瞬間」の現実に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方
・実践マインドフルネス
1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座る
2)呼吸をあるがままに感じる
3)わいてくる雑念や感情にとらわれない
4)体全体で呼吸する
5)体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
6)瞑想を終了する
・マインドフルネスで海馬が大きくなる。
マインドフルネス・ストレス低減法を8週間行った16人の脳を調べるうちに、ある変化を発見した。「5%増加していました」(ストレスホルモンのコルチゾールが脳にあふれたときに神経細胞をむしばまれてしまのうが、この海馬だった)
感想;
退職する前は1~2回/年に風邪を引いていました。
一度引くと治るのに1~2か月罹っていました。
ところが退職するとほとんど風邪を引かなくなりました。
引いても一週間くらいでよくなります。
ストレスはあまり感じていないと思っていたのですが、やはりストレスを受けていたのでしょう。
風邪を引きやすい=ストレスを受けて弱っている と考えて、対処が必要だったようです。