★わずかな時間で気持ちを描いてしまう。すごい。
マコト(加藤和樹)に拒否されてしまった蛍(綾瀬はるか)。
こんな気持ちの揺れ動き方をする。
1.縁側で高野部長(藤木直人)と会話。
「恋をする前はかわいい気持ちを忘れてた」
「肩を借りていいですか?」
「まだがんばれるかな?」
2.会社でがんばってマコトに話しかける螢。でも無視。
3.家で掃除する螢。
「どちらさまですか?」と高野に聞かれて
「ちょっとがんばる螢さんです」
ビールもコップで飲んで「今までの自分を改める」決意。
4.マコトが賞への出品が決定。おめでとうと言うが無視される。
5.家。縁側に寝転がって1分ごとにマコトにメールする螢。
「ちょっとがんばる螢さん」から「ストーカーの螢さん」へ。
これらは時間にして5分~6分ぐらい。
これだけの短い時間で気持ちを表現してしまう。
実に巧みだ。
★さらに揺れ動く気持ちを描いてみせる。
第2シークエンスは、高野の気持ち。
螢を探して抱きしめてしまう部長。
それを見た山田姉さん(板谷由夏)は「部長は螢を女として好きなのだ」と螢に告げる。
高野は「気持ちをしまい込んでしまうタイプ」「ありのままの自分を出せないタイプ」だとも言う。
螢はまさかと思い、高野の気持ちを確かめてみようとするが、高野はいつもと替わらない。
「ちょっとがんばらなくても何でもできてしまう高野部長」として「『ちょっとがんばる螢さん』は最近見かけないなぁ」と嫌みを言う。
螢は「部長は好きな子をいじめしまうタイプだったしょ?」とカマをかけるが、「私は女の子全員に好かれるタイプだった。君と違って豊かな人生を送ってきた」と平然と答える。
しかし、こんなメールも来る。
『ありのままの君が好きだ……』
これに螢は焦るがメールの最後には
『って手嶋に言われるといいな』
揺れ動く螢と
平然と受け流すが『もしかしたら螢のことが好きかもしれない』高野の気持ちが巧みに描かれた見事のストーリーテリングだ。
★危うい会話、綱渡り……
しかしマコトとの誤解が解ける。
マコトは高野と話している螢が『僕の知らない螢さん』であったことで、螢を避けていた。
折しも家の前で螢と高野がいっしょの所を目撃して、マコトは今までの真相を知る。
そしてこんな会話。
高野「雨宮は君の女だ。それを忘れたことはない」
× × ×
螢 「告白できたのは部長のおかげ」
マコト「部長がいなければ僕たち始まらなかったの?『ありのままの君が好きだ』。でも君の隣にはいつも部長がいたんだね」
× × ×
マコト「君が好きだから信じるよ。すぐに家を出ていっしょに暮らそう」
これらの会話も巧みだ。
高野の「雨宮は君の女だ。それを忘れたことはない」という言葉も意味深。
螢の「告白できたのは部長のおかげ」は危ういせりふ。一歩間違えば、関係をさらに悪化させてしまう。
現にマコトに「部長がいなければ僕たち始まらなかったの?」と言われてしまう。
また、一方でマコトは『ありのままの君が好きだ』という言葉を言っている。それは高野に「そう言われたらいいね」と言われていたせりふだ。
この辺、実にうまい。
★ラスト……
そしてマコトと暮らすため家を出て行く螢。
ふたりの別れ。
「さびしいですよね」と同意を求める螢に高野は答える。
「忘れないでくれ……」
「立て替えた2万4580円のビデオ延滞料」。
でも高野の言いたいことは他にある。
この楽しかった夏の生活を忘れないでほしい。自分も忘れないから。という想いがある。
そして引っ越しのすったもんだがあって、出ていく螢。
「今年の夏は楽しかったです」
高野が一番言ってほしかったことを言ってくれた。
今回は盛りだくさんの内容だった。
しかし、どのシーンも的確にふたりの気持ちを表現しているから、駆け足、言葉足らずという感じがしない。
実にうまいシナリオだった。
マコト(加藤和樹)に拒否されてしまった蛍(綾瀬はるか)。
こんな気持ちの揺れ動き方をする。
1.縁側で高野部長(藤木直人)と会話。
「恋をする前はかわいい気持ちを忘れてた」
「肩を借りていいですか?」
「まだがんばれるかな?」
2.会社でがんばってマコトに話しかける螢。でも無視。
3.家で掃除する螢。
「どちらさまですか?」と高野に聞かれて
「ちょっとがんばる螢さんです」
ビールもコップで飲んで「今までの自分を改める」決意。
4.マコトが賞への出品が決定。おめでとうと言うが無視される。
5.家。縁側に寝転がって1分ごとにマコトにメールする螢。
「ちょっとがんばる螢さん」から「ストーカーの螢さん」へ。
これらは時間にして5分~6分ぐらい。
これだけの短い時間で気持ちを表現してしまう。
実に巧みだ。
★さらに揺れ動く気持ちを描いてみせる。
第2シークエンスは、高野の気持ち。
螢を探して抱きしめてしまう部長。
それを見た山田姉さん(板谷由夏)は「部長は螢を女として好きなのだ」と螢に告げる。
高野は「気持ちをしまい込んでしまうタイプ」「ありのままの自分を出せないタイプ」だとも言う。
螢はまさかと思い、高野の気持ちを確かめてみようとするが、高野はいつもと替わらない。
「ちょっとがんばらなくても何でもできてしまう高野部長」として「『ちょっとがんばる螢さん』は最近見かけないなぁ」と嫌みを言う。
螢は「部長は好きな子をいじめしまうタイプだったしょ?」とカマをかけるが、「私は女の子全員に好かれるタイプだった。君と違って豊かな人生を送ってきた」と平然と答える。
しかし、こんなメールも来る。
『ありのままの君が好きだ……』
これに螢は焦るがメールの最後には
『って手嶋に言われるといいな』
揺れ動く螢と
平然と受け流すが『もしかしたら螢のことが好きかもしれない』高野の気持ちが巧みに描かれた見事のストーリーテリングだ。
★危うい会話、綱渡り……
しかしマコトとの誤解が解ける。
マコトは高野と話している螢が『僕の知らない螢さん』であったことで、螢を避けていた。
折しも家の前で螢と高野がいっしょの所を目撃して、マコトは今までの真相を知る。
そしてこんな会話。
高野「雨宮は君の女だ。それを忘れたことはない」
× × ×
螢 「告白できたのは部長のおかげ」
マコト「部長がいなければ僕たち始まらなかったの?『ありのままの君が好きだ』。でも君の隣にはいつも部長がいたんだね」
× × ×
マコト「君が好きだから信じるよ。すぐに家を出ていっしょに暮らそう」
これらの会話も巧みだ。
高野の「雨宮は君の女だ。それを忘れたことはない」という言葉も意味深。
螢の「告白できたのは部長のおかげ」は危ういせりふ。一歩間違えば、関係をさらに悪化させてしまう。
現にマコトに「部長がいなければ僕たち始まらなかったの?」と言われてしまう。
また、一方でマコトは『ありのままの君が好きだ』という言葉を言っている。それは高野に「そう言われたらいいね」と言われていたせりふだ。
この辺、実にうまい。
★ラスト……
そしてマコトと暮らすため家を出て行く螢。
ふたりの別れ。
「さびしいですよね」と同意を求める螢に高野は答える。
「忘れないでくれ……」
「立て替えた2万4580円のビデオ延滞料」。
でも高野の言いたいことは他にある。
この楽しかった夏の生活を忘れないでほしい。自分も忘れないから。という想いがある。
そして引っ越しのすったもんだがあって、出ていく螢。
「今年の夏は楽しかったです」
高野が一番言ってほしかったことを言ってくれた。
今回は盛りだくさんの内容だった。
しかし、どのシーンも的確にふたりの気持ちを表現しているから、駆け足、言葉足らずという感じがしない。
実にうまいシナリオだった。