平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

エルム街の悪夢

2007年09月07日 | 洋画
★夢って怖い!
 人の夢に巣食う鉄の爪の殺人鬼フレディ・クルーガー。
 眠っている時に見る悪夢が現実に自分の身に降りかかったら?
 そんな発想のもとにこの作品は作られたのだろう。

 この『夢』というコンセプトはふたつの展開を作り出す。
 すなわち
1.人間は眠らなくては生きていけない。
2.目が覚めれば危害は及ばない。
 ヒロイン・ナンシーはこのふたつの展開の中でフレディと闘っていく。
 まず彼女は眠らない努力をする。
 しかし、現実にはそれが不可能。
 そこで夢の中でフレディの襲撃から逃れるために、目覚ますことを考える。
 すなわち
1.目覚まし
2.ボーイフレンドに起こしてもらう。
3.夢の中でわざとやけどを負う。
 こうした対応をナンシーがすることで、彼女はクレバーなヒロインとなるわけだ。
 物語となるわけだ。
 この作品は『夢』というものに目をつけたことが成功だった。

★ホラー映画の主人公は周囲の無理解とも闘う。
 ヒロイン・ナンシーが闘うのはフレディだけでない。
 オトナの周囲の無理解とも闘わなくてはならない。
 友人のフレディによる惨殺、これはボーイフレンド・ロッドの殺人事件としてkたづけられる。
 また容疑者ロッドはフレディにシーツで首を絞められて殺されるが、警察では自殺と片づけられる。
 ナンシーは器械にかけられ、夢分析をされるが、何とレム波が5、6以上の異常!しかも手に傷を負い、フレディの帽子を持ち帰る。
 しかしフレディのことを信じてもらえない。
 そしてクライマックス。
 ナンシーは父親に「フレディを夢の中から引きずり出すから20分後に来て」と頼むが父親は殺人事件の捜査の方で忙しくてやって来ない。
 フレディという超絶モンスターと闘うだけでも大変なのにまわりの協力をもらえない。理解してもらえない。
 これで観客の感情移入は一気にナンシーに来る。
 うまい仕掛けだ。

★フレディ!
 モンスターはわかりやすいインパクトがあるといい。
 フレディの場合は『鉄の爪』『帽子』『緑と赤の縞シャツ』。
 これらを見るだけでフレディだとわかる。
 フレディの仕業であることがわかる。
 例えば、風呂のお湯の間から出てくる鉄の爪。ナンシーが夢の世界から持ち帰った帽子、車の屋根の緑・赤。
 またモンスターにはバックボーンが必要。
 フレディの場合は『20人の子供を殺した殺人者。しかし証拠不十分で無罪。そこでナンシーの母親を含めた街の人間はフレディを焼き殺した』
 これでフレディの顔が焼き爛れている理由、フレディが人を襲う理由がわかる。

コメント
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