平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ホタルノヒカリ 最終話

2007年09月14日 | 恋愛ドラマ
★この作品は人物の気持ちを的確に表現する。

 例えば蛍(綾瀬はるか)の「ウンコしてると思われてしまう」(笑)。
 螢がマコト(加藤和樹)との生活で自分になれていない象徴的なせりふ。

 一方マコト、「螢を受け入れられるようがんばります」
 高野(藤木直人)とのことが吹っ切れていないらしい。

 そして高野。
 「人を好きになるって、こんなに純粋なことなんだなってわかった」
 螢のことを理解し、やさしく見守っていることがわかる。

★この三者の緊張関係は発展して描かれる。

 エレベーター、コンビニでのやりとり。鼻くそ談義。
 螢はいきいきとしているし、高野も会話を楽しんでいる。

 マコトとはウソをめぐってすれ違い。
 コンビニで部長に会ったことを黙っていてほしかった。
 部長に仕事で助けてもらったことを正直に話してほしかった。
 螢は「ごめんね」を繰り返す。
 マンションの部屋に入る時、ため息をついてしまう。
 マンガと英語の本。
 ゲームをしても盛り上がらない。
 仕事にかこつけて家に帰ろうとしない。
 こうした螢の行為ひとつひとつが的確に彼女の気持ちを表している。 

 一方、螢はマコトのことを思っている。
 コピー「晴れた日は映画にいこう」はマコトを思って書いたコピー。
 マコトとの生活に居心地悪さを感じながらもマコトのことが好き。
 この相反した気持ちが見る者をせつなくさせる。
 そして、ここでも螢を理解しているのは高野だ。
 コピーについて高野はこう言う。
 「恋をしてよかったな。手嶋を好きになったから出て来た言葉だ」

★そしてマコトとの別れ
 螢は言う。
 「幸せかどうかは私が決めること。楽しんでやっていけるようがんばる」
 (※この「がんばる」というのは要チェックだ。やはり無理をしている証拠)
 マコトは言う。
 「俺といると螢は螢じゃなくなる。俺じゃダメなんだ」
 「君は自分の気持ちに気づいていない」
 要にはマコトはこう洩らす。
 「本当に好きだから乗り越えられなかった」
 山田姉さん(板谷由夏)が螢をなぐさめていった言葉は的確だ。
 「恋は寄り道。わたしは未だに寄り道してる」

★この作品は「居場所探し」の物語だ。
 1年後、再び夏がやって来て螢はあの縁側に帰ってくる。
 「ジャージにチョンマゲで部長に会いたかった」
 「1日の終わりに部長と話をしたかった」
 高野は言う。
 「そこが君の居場所だろう」
 そしてお互いの気持ちを確かめ合って
 「どうしてかな?」
 と言う。


 後半は駆け足で、特に螢が縁側に戻ってくるくだりなどは続編でじっくりやってほしかった。
 それほど終わってしまうのがもったいないドラマだった。
 大変いいドラマでした。


 
コメント
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