平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

デスパレートな妻たち その3

2009年07月10日 | テレビドラマ(海外)
 相変わらず面白い「デスパレートな妻たち」

 スーザン、ブリー、ガブリエル、リネット……この4人の中で誰がいいかと言えば、やはりスーザンでしょうね。

 シーズン2 第20話ではこんな描写があった。
 イーディと別れたスーザンの元夫。
 イーディはどこかの若い女にうつつを抜かしていると憤慨し、同じ経験をして離婚したスーザンに共感・友情を感じている。
 しかし元夫がイーディと別れた原因はスーザン。
 スーザンと元夫のヨリが戻ったのだ。
 イーディは誘惑した<若い女>を見つめたら殴ってやると息巻いている。
 ますます自分が原因だと言い出せないスーザン。
 そんなスーザンを娘のジュリーは「またやってる」とクールに見ている。

 第19話ではこんなエピソードが。
 娘とケンカして映画にひとりでいくことになったスーザン。
 そこへ元彼のマイクが女の子を連れてやって来る。
 ひとりで映画を見ている所を知られたくない見栄っ張りのスーザンは見知らぬ男にしばらく恋人のふりをしてくれと頼む。

 このようにキャラクターはどこかダメな部分があると魅力的になる。
 スーザンの場合は<すぐにオトコを好きになってしまう所>。
 マイク、ロン先生、そして元夫。
 好きになるたびにトラブルを起こし困り果てる。しかし懲りない。
 そんなスーザンを冷静に見ている娘のジュリーの存在が面白さを増幅している。
 母親より娘の方がずっとオトナなのだ。

 このように男心をそそるのはスーザン。
 女性視聴者も<恋愛下手>なスーザンに共感する部分が多いかも。

 リネットはある意味スーパーウーマンですね。
 双子を含む4人の子の母親、有能なビジネスウーマン、妻の3役を見事にこなしている。
 夫のトムは子供みたいな面があってもうひとり子供を抱えているようなもの。
 実にハード。
 時々発するリネットの声をあてている唐沢潤さんのため息が魅力的。
 リネットはある意味、アメリカ女性の理想なのでしょう。
 しかも典型的なスーパーウーマンでなく、人を陥れたり、セックスに積極的だったり人間的な面も持っている。

 ガブリエルとつき合うのは大変でしょうね。
 ブランド品が大好きで物欲にためらいがないガブリエル。
 よほどの経済力がなければ彼女を満足させるのはつらい。この点で彼女を愛し続ける夫・カルロスはすごい。
 でも最近のエピソードでカブリエルは母性に目覚めたよう。
 どう変わっていくか?

 ガブリエル以上に大変なのはブリーでしょうね。
 規範を重んじる完璧な女。
 自分に厳しい分、まわりにも厳しさを要求する。
 それゆえ彼女のまわりの人間、夫、息子などは息が詰まり壊れていく。
 しかしそんなブリーもこれまで反動のせいか、最近アルコール依存症に。
 そうですね、人間、少しいい加減な方がいいんですね。
 自動車のハンドルだって遊びがある。
 果たしてブリーは解放されるのか?

 四人四様の人間を描いて面白い「デスパレートな妻たち」。
 彼女たちはある意味視聴者の自分を映す鏡。
 視聴者は四人のドラマを見ながら自分をふりかえり確認する。
 彼女たちの行動は過激だが、ベースにはしっかりした人間洞察がある。
 <人間>が描かれている。


コメント
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