平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

官僚たちの夏 第3話

2009年07月21日 | 職業ドラマ
 今回は繊維。

★人は大きな時代の流れの中で生きている。
 また経済生活を送っている。
 アメリカのサブプライムローンの破綻が日本に不況をもたらしたように、世界の出来事が個人生活に影響している。
 これらのことはどんな人間でも免れることの出来ないこと。
 なのにテレビでオンエアされているドラマは……?
 そんなこと関係なく青春や愛を語っている。
 これってどうか?
 もちろんそういう半径100メートルのドラマもいいが、たまには世界、日本規模のドラマを見たい。
 「官僚たちの夏」はそんな欲求を満足させてくれる作品。

 たとえば今回の第3話。
 アメリカが自国の繊維産業を守るために日本の繊維製品を規制を要求。
 そのことで葛藤し戦う風越(佐藤浩市)たち。
 風越たちは世界の中で、大きな時代の中で生きている。
 これぞ半径100メートルのドラマでない作品。

★さて今回の物語。
 通産省で繊維輸出規制を押し進めるために大臣・池内信人(北大路欣也)は繊維局長に玉木博文(船越英一郎)、綿業課長に片山泰介(高橋克典)を抜擢する。
 彼らは海外派。
 国内産業を維持育成する風越たちとは意見を異にする。
 この人事を行うために池内大臣は前園事務次官(国広富之)を抱き込む。
 前園が副社長として天下りする(経営状況が悪い)製鉄会社に銀行の融資が受けられるよう取り計らったのだ。

★このことは物事がどのようにして決められていくかを教えてくれますね。
 まずは人事。
 繊維局長が玉木である以上、風越はミスター通産省といえども口出しできない。
 次に政治家の役割。
 事務次官にニンジンをぶらさげて我が意を通す。
 経営状況の悪い企業に融資させるなんて政治家の権力がなければ出来ないこと。
 第三に天下りの意味。
 前園が天下ることで企業は政治家とのパイプを得られる。政治家とのパイプが出来ることで企業は安易に銀行の融資が受けられる。
 当然企業は前園と政治家に様々な形でお礼をする。

 この政官民の癒着の構図。
 物事はこんなふうにして決められていくんですね。
 ひとつの製鉄会社の事情が繊維業界に及ぼすなんてことも驚き。
 そして庶民はそんなこと知らずに生きている。
 「ドラゴン桜」ではないが、われわれもこのドラマを見て少しは賢くなりましょう。


コメント (2)
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