平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

MR.BRAIN 最終話

2009年07月12日 | 推理・サスペンスドラマ
 「終幕~さらば愛しの変人脳科学者!!最後の脳トレは笑顔活用法」

★笑顔には二種類ある。
 心からの笑いと作り笑い。
 この二種類の笑いはそれぞれ脳のつかさどる部分が違っている。

 この脳ウンチクをどうドラマに絡めるか?
 それは……「人を殺したら二度と自然に笑えなくなりますよ。人を殺したら殺した人の心も死ぬんです」。
 なるほどこう絡めてきましたか。
 今までは<トリック解明>や<犯人を罠にはめるため>に脳ウンチクを使っていた。
 それを今回は犯人への説得に使った。

 この点で今回は一番、九十九(木村拓哉)の人間性が出ていた話。
 <人が人を殺すこと、人を殺せば心が失われること>
 このことを九十九は嫌い、憎んでいたんですね。
 それまでの九十九はただの変人でしたが、これで人として一本筋が通った。
 同時にこれがこの作品のテーマになっていた。

 やっと九十九の本質が出て来た所での終了は残念。
 科警研のメンバーとの仲間意識や和音(綾瀬はるか)との恋話も始まったばかりなのに残念。
 せっかく莫大な費用をかけて科警研のセットを作ったのだから、続編は十分にあり得る?

★今回謎解きの推理ドラマとしてはイマイチ。
 ハンカチの血をDNA鑑定。
 それが尾崎議員の息子・伸一郎(鈴木一真)のDNAと一致。
 しかしそれは伸一郎の骨髄を白血病だった犯人に移植したから起こった一致だった。
 その骨髄移植を受けた者が犯人。
 推理をめぐらさなくても、DNAを追っていけば判明してしまう犯人。
 それでは謎解きの楽しさ、深さはない。

 九十九が身代わりになって袋に入るくだりも説得力がない。
 非難する客の中で不審な動きをする者がいれば怪しいと思うのは当然だろうし、ターゲットを袋に入れた犯人一味がその場を離れるのもおかしい。

 飴玉の赤・青・黄も完全にバレていたし、九十九に尾行されていることに気づかなかった刑事の武井(市川海老蔵)もおかしい。

 テロという大風呂敷を広げたわりには動機が<私怨>だったというのもセコい。
 「相棒」の劇場版もそうだったが、日本でテロを描くと<私怨>になってしまうのは仕方のないことなのか?

★トップクラスの役者さんや派手な事件など、その豪華さに目を奪われがちだが、ドラマの内容がちょっと貧弱でさびしいことは否めない。
 毎週ハラハラドキドキして見られるドラマが見たい。


コメント (2)
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