平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒10 「悪友」~ちょっと詰め込み過ぎですかね

2012年02月02日 | 推理・サスペンスドラマ
 ちょっと詰め込み過ぎですかね。
 以下、ネタバレ。

 まず、麻薬取引でなくなった3億円が不動産になって隠されていたというアイデアが面白い。
 このアイデアだけで、1エピソード作れそう。
 次に田中晶。
 彼(彼女?)は誰か?
 「喫茶店のパートであり、オーナーであり、通訳であり、詐欺師である人物」
 <ヴェールに包まれた謎の人物><複数の顔を持つ人物>など、実に魅力的なキャラクターだ。
 そして、この田中晶に関する詐欺事件に絞って1エピソードを作ればよかったのに、穴掘りの三人組を事件に絡めたり、出所したヤクザ・寺島が田中晶を捜すエピソードなどを入れたりしたため、事件は散漫で複雑に。
 実にもったいない。

 このことは作劇にも言える。
 詰め込み過ぎで、展開が強引になってしまった。
 強引とは、たとえば次のような所。
 田中晶の正体を割り出す右京(水谷豊)。
 右京は次のように推理する。
・中国マフィアとの麻薬取引→中国人通訳がいたはず→喫茶店のパートが『特国』と書いたこと。『特国』は中国語でドイツを意味する。→田中晶の正体は喫茶店のパート。
 推理としてはちょっと乱暴だ。
 <田中晶=喫茶店のパート>であることを立証するものが、<彼女が写っていた雑誌の記事>というのも後追いで、とってつけたような感じ。

 ラストの余韻もイマイチ。
 「刑務所に入った俺たちはもうダメなのかな?」とつぶやく三人組に対し、右京は「コツコツとやるしかありませんねぇ」とコメント。
 確かに正論なのだが、「三人で力を合わせていけば大丈夫」くらいのことも言ってほしかったな。
 池谷隆平(三宅弘城)と喫茶店の常連客の京子(甲斐まり恵)との恋愛エピソード(?)も何かオチを見たかった。

 複数の事件を絡ませて、事件を複雑にしていく「相棒」の作劇は素晴らしいと思うが、やり過ぎると今回のような形になってしまう。


コメント (10)
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