平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「ダークナイト」~これをやってはいけないでしょう。これは甲斐享ストーリーの全否定だ

2015年03月19日 | 推理・サスペンスドラマ
 これをやってはいけないでしょう。
 この三年間描いてきた甲斐享(成宮寛貴)のストーリーを完全に否定した。
 これから再放送などで亨の言動を見るたびに、
「あいつ、あんな偉そうなことを言ってるけどダークナイトなんだぜ」
「右京さんと仲良くしてるけど、あれは表面上のことで、まったく心を開いていないんだぜ」
「法による秩序を破り、否定しているくせに、どのツラ下げて警察官やってるんだ?」
 と思ってしまう。

 このことは『英の放電日記』さんも書かれていました。

 まあね、親友・梶祐一郎(鈴木裕樹)の妹・景子のために一回くらいボコボコにしてしまった位なら、まだあり得ると思うんですよ。
 人は間違いを犯すものだし、若気の至りってこともある。
 でも、その後の5回の犯行はいただけない。
 しかも動機が「世間の賞賛が気持ちよかった」から。
 これでは模倣犯の種村和真(瀧川英次)と同じだ。
 亨は『相棒』なんだし、人としても、警察官としても強い人間であってほしかった。
 おまけに自分の罪を隠すために、種村を脱走させ梶に襲わせてアリバイ工作。
 これも、おいおいって感じ。
 ダークナイトであることを気づかれた失言(「種田が脱走したそうですね」)を悔やむ姿もね、人間として小さすぎる。完全に小悪党だ。
 右京(水谷豊)の言葉を借りれば「君が悔いるべきはそこじゃないだろ!」
 亨の心の闇はこれほどだったのか。
 甲斐享って、もっとまっすぐな人ではなかったのか?

 今回のエピソードは、おそらく『相棒』という作品の後半戦にむけての布石なのでしょうね。
 <亨を歪ませてしまった右京>というテーマから始まって<杉下右京>とは何者なのか? ということが追及されてシリーズが終わる。
 これが水谷豊さんのこだわり?
 でも、それは正しいのだろうか?
 何か、また後味の悪いものになる気がするけど。

 複数のシナリオライターさんによって、さまざまな形で紡がれる『相棒』。
 シェアードワールド~人物設定と世界観だけが共有され、あとはライターが自由に書けることが、この作品の魅力になっていた。
 しかし、このやり方は舵取りがしっかりしていなければ、迷走する。
 その舵取りの役割を担うのが作品全体を俯瞰して束ねるプロデューサーなのだが、現在のプロデューサーは『相棒』をどこに連れていこうとしているのか?
 『学び舎』の所でも書きましたが、今のプロデューサーさんはイマイチ不安なんですよね。
 松本プロデューサー、戻って来て下さい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする