平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第43回 「ヘルプ!」~政治に翻弄される田畑。進むも地獄、退くも地獄。どのように現実の壁を突破していくのか?

2019年11月18日 | 大河ドラマ・時代劇
・理想と現実
・スポーツと政治
 その間で葛藤する田畑政治(阿部サダヲ)。

 とは言え、この問題、いろいろ入り組んでいて単純な二元論では語れない。

 アジア競技会に参加した場合は、「競技をしたい」というアスリートの思いや「スタジアムと選手村は聖域」という田畑の理想は実現される。
 だが反面、大統領スカルノの台湾・イスラエルの排除を認めることになる。
 IOCから東京オリンピックを剥奪されるかもしれない。

 一方、不参加を選んだ場合は、アスリートの思いは踏みにじられ、1940年の東京オリンピック返上の時のように、スポーツが政治状況に左右され屈したことになる。

 いずれにしてもオリンピックやスポーツの政治からの独立など、あり得ないのだ。
 政治はオリンピックやスポーツに介入して、政治の道具にする。
 大会への参加・不参加が、政治的なメッセージになってしまう。

 第3の道はスカルノに
「スポーツと政治は関係ない。台湾とイスラエルの参加を認めろ」
 と直談判することだが、状況的に難しいんだろうな。
 IOCもオリンピックなら意見することができるだろうが、今回はアジア競技会だ。

 川島正次郎(浅野忠信)の意図は何だろう?
・上手く仕切れないことを利用しての田畑と津島(井上順)下ろし?
・スカルノとの関係強化?

 さて、田畑はどう動く?
 理想と現実の間で、どう折り合いをつける?
 現実の壁をどう突破する?
 ………………

 田畑のオリンピックは、さまざまな人が入り乱れて自由だった。
 落語家が宣伝部長で、
 タクシー運転手が聖火リレーを仕切り、
 国旗オタクの早稲田の学生が国旗担当。
 平沢和重(星野源)はNHKの解説員だし、
 岩田幸彰(松坂桃李)は元商社マン。

 ところが2020年のオリンピックは、森喜朗や小池百合子の顔は見えるが、その他の人の顔が見えない。
 政治家が仕切り、役人が仕切り、広告代理店が仕切るオリンピック。
 脚本執筆の時は意図していなかっただろうが、
「田畑がオリンピックを私物化している」
「オリンピックは暑さを避けた10月10日に決まりました」
 なんて、せりふが皮肉っぽく突き刺さってくる。

コメント (6)
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