平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

エール 第9週 ~歌に魂を込めよ! 音、カフェの女給さんになる! コンッ!

2020年05月30日 | その他ドラマ
 表現は必ずしもテクニックや技量だけではない。

 音(二階堂ふみ) VS千鶴子 (小南満佑子)

 テクニックや技量で劣る音がやろうとしたことは、
『歌に魂を込めること』だった。

 魂を込めること=ヒロイン椿姫の気持ちを理解することだ。
 そのために音はカフェの女給として働き始める。
「音枝です! コン!」(笑)

 さすが音ちゃん!
 抜群の行動力!
 とんでもない発想力!

 結果、鉄男(中村蒼)のために身を引いた希穂子(入山法子)を見て、音は『椿姫』を理解する。
 魂を込めて歌うことができた。

 それにしても希穂子役の入山法子さん、何て美人!
 ネットでも話題になったようだが、竹久夢二が描いた典型的な日本美人だ。

 音は『強欲』でもある。
「人妻」「音楽学校の学生」「カフェの女給」と、ひとり三役。
 人生を3倍生きている。
 千鶴子に「あなたは強欲よ」と言われて、音は悩むが、姉の吟(松井玲奈)は笑って、
「それが音の良さじゃない」

 おおっ、『強欲』というマイナスの価値観がプラスに転じた!
 強欲であることは「人間らしい」ってことなんですよね。
 現世に生きるということは、欲望を持つこと。
 欲が生きる原動力。
 欲が強ければ強いほど、その人のエネルギーは凄まじい。
 音はまさにそれ。

 大抵の物語の主人公も『強欲』。
 たとえばシェークスピアの登場人物たち。
 強欲だからこそ、いろいろな所に頭をぶつけ、周囲と摩擦が生じ、ドラマが生まれる。
 だから表現者が強欲であることはマイナスではない。

「人妻」「音楽学校の学生」「カフェの女給」とさまざまな経験をしている音は幅が広い。
 妻、学生、女給の気持ちを知っているから歌詞をより深く理解できる。
 自分が見聞きして体験するあらゆるものを自分に取り込んで、芸の肥やしにしていくのが表現者だ。

 今回は「芸能論」「歌手論」「役者論」でしたね。
 千鶴子の歌はどんな歌だったんだろう?
 魂の入った歌だったのか?
 人の心を打つのは下手でも魂の込められた表現なんですよね。
 裕一(窪田正孝)も歌詞に共感しないと曲を作れない。
 
コメント (4)
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