平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第19回 「信長を暗殺せよ」~信長、義龍、義輝──この中で麒麟を呼べるのは誰なのか?

2020年05月25日 | 大河ドラマ・時代劇
「そなたは弟を殺しただけではない。この母も殺したのです」
「終わった……。わしは父も弟も母も失った……」

 信長(染谷将太)が尾張を平定して得たものは喪失だった。
 斎藤義龍(伊藤英明)が美濃を平定して得たのは次のようなものだった。

「今まで血を流しすぎた。
 弟を殺し、父を殺し、わしに従う者はおるが、ただわしを怖れ、表向きそうしているに過ぎぬ。
 腹の中では何を企んでいるのか、わかったものではない」

 信長も義龍も『孤独』なんですね。
 権力者の孤独。
 そんな中、必要なのは、いっしょに戦ってくれる心許せる仲間・同志。
 信長の場合は、悲嘆の夫に寄り添った帰蝶(川口春奈)であり、
 義龍の場合は、旧友でストレートに意見してくれる光秀(長谷川博己)だった。

 多くの人は、権力を求めて奮闘する。
 時には非情なこともする。
 でも、それは果たして幸せなのだろうか?
 ………………

 光秀は義龍の「わしに仕えないか?」という申し出を断った。
 その理由は、道三のことが引っ掛かっていたことと『義龍の限界』のせいだろう。
 義龍は言う。
「尾張をのみ込み、美濃を豊かな大きな国にするつもりじゃ」
 義龍の根本の発想は、美濃を大きくすること。
 自分の領地・美濃にこだわっている点で、義龍の発想は凡庸だ。
 これが義龍の限界なのだろう。

 一方、信長。
 尾張と摂津を取り替えよう、と言う!
 信長は現在の領地・尾張にこだわっていない。
 摂津の方が堺があって豊かだし、今川が隣りにいないから、いくさをせずに治政できると考えている。
 この大胆な発想!
 合理的な判断!
 義龍と大きく違う点でもある。
「信長から目を離すな」と道三(本木雅弘)は言ったが、光秀も注目せざるを得ない。
 光秀は『誰も攻めてこない大きな国づくり』をできるのは信長ではないか、と考えている。

 将軍・足利義輝(向井理)は無力だった。
 今川の侵攻に悩む信長に義輝ができることは『官職を与えること』。
 ただ、それしか出来ない。

 信長、義龍、義輝──
 この3人の中で「麒麟を呼べるのは誰なのか?」
 光秀はこれを確かめようとしている。
 今回、斎藤義龍は脱落。
 事なかれ主義の朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)はとっくに脱落!(笑)

 平和への道はまだ長く、遠いようだ。

コメント (6)
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