平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

欅坂46『エキセントリック』~疎外された者の怨念、怒り! そして、ひとりで生きていく決意!

2020年10月02日 | アイドル
 欅坂46の『エキセントリック』

 社会と馴染めない、疎外された者の歌だ。
 社会から疎まれ、ハブられた者の心の叫びだ。

 しかし、歌の主人公は泣いたり嘆いたりしない。
 曲の冒頭では、ブツブツと恨み言をラップ調でつぶやく。
 静かな怒りや怨念も感じる。
 そのつぶやきの最後に来る言葉が──
「もう、そういうのうんざりなんだよ」

 カ、カッコいい!
 今までこんなに暗く恨み言をつぶやくアイドル曲があっただろうか?

 曲はBメロ、サビで大きく展開する。
 歌の主人公は自分を疎外する社会にしっぽを振ったりしないのだ。
 きっぱりと拒否して〝ひとりで生きていくこと〟を選ぶ。
「心閉ざして交わらない」
「変わり者でいい」
「愛なんてものから縁を切る」
「社会はウソと欺瞞」
「愛とか正義とか善とかはフィクションと妄想」
「だからそんなものに迎合しない」
「自分の方からはみ出す」
「僕は僕でいる」

 感動的だな……。
 圧倒的だな……。
 フツーの曲は、愛とか友情とか未来とか絆を高らかに歌うのに、
 それらをウソ、欺瞞、フィクション、妄想だと全否定している。

 この曲は、愛とか友情とか未来とか絆を信じていない人にメチャクチャ刺さると思うよ。
 彼らはすっかり絶望して、愛とか絆とかでは救われないのだ。
 僕も疲れているから、この曲が発表された3年前より心に響いた。
 普通に暮らしている人でも心の奥底にこうした思いを抱えているからじんわりと響くと思う。
 …………

 こんな曲だから、振り付けもMVもはみ出ている。

 
 タオルをまわす代わりに靴をまわしている!(笑)

 
 ダンスはエキセントリック。反アイドル。
 相撲の四股のような格好で、ふらふら揺れる(笑)

 
 渡辺梨加は就職試験を100社以上落ちた、おそらく実社会では通用しない子。
 だから、こういう表情ができる。
 MVのスタッフさん、よくこの表情を引き出せたな。

 ラストのピアノの連打もすごいな。
 怒りがビシビシ伝わってくる。

 ストレートに心をえぐる曲。
 疎外された者の怨念と叫び。
 秋元康氏は、総じてなまぬるい上っ面だけの詞が多いが、時々、こういう詞を書く。
 平手友梨奈との出会いがこの詞を書かせたのかもしれない。

 MVはこちら
 欅坂46『エキセントリック』(YouTube)


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