学術会議任命拒否問題。
フジテレビの上席解説員・平井文夫の件といい、
これからはファクトチェックが必要な時代になって来た。
自民党議員の発言として、テレビなどでよく紹介されている
『学術会議は2007年以降、答申を出していない』
この発言を聞くと「学術会議はムダだ」「腐った利権組織だ」と考えてしまうが、
実際は違うようだ。
2007年の答申「地球規模の自然災害の増大に対する安全・安心社会の構築」以降、答申が出ていないのは事実だが、
それは2007以降、政府から「諮問」が来ていないから。
質問されていないのに答えを返すなんて出来るわけがない(笑)
それに学術会議の分科会ではさまざまな「提言」「報告」がなされている。
先月だけで25件。
たとえば「社会と学術における男女共同参画の実現を目指して」といった提言。
つまり前述の自民党議員の発言は、学術会議を悪者にするために、
「提言」「報告」という事実を隠して、「答申」がなされていないという事実だけを大きくクローズアップしている。
政府から「諮問」がなかったことも省いている。
テレビもなあ、ファクトチェックもせずに不十分な情報を垂れ流すなよ。
電波料を上げられるかもしれないから忖度しているんだろうけど、ほんと劣化している。
スポンサーは経団連関連の企業が多いし、電通案件もあるだろうから、それも影響しているのかな?
…………………
『日本学術会議に10億円が投入されている』
もファクトチェックする必要がある。
まず10億のうちの約5億5000万は職員約50人の人件費や事務費。
事務局職員は各省庁から派遣される国家公務員で、数年ごとに異動する。
10億のうちの約1億円は国際的な学術会議の分担金に計上。
会員の人件費は総額で7200万円。
7200万円の内訳は210人の会員が総会や分科会に出るための日当で、
会長は日額2万8800円、会員は日額1万9600円。
会員210人に固定給はなく、元会員への年金制度もない。
人件費には運営に協力する約2000人の「連携会員」の人件費が別途あって、
その総額は約1億3000万円。
会員、連携会員共に交通・宿泊費は別に実費精算され、その総額は1.4億円。
さあ、これが高いか? 安いか?
以前も書いたけど、
日本のトップクラスの学者さんの日当が1万9600円は安いと思うけどね。
人件費以外の予算も会計検査院が問題にしていないのだから、問題ないのでは?
いずれにしても
『日本学術会議に10億円が投入されている』
は情報として大まか過ぎる。
その半分が事務官僚の人件費・事務費に使われていることや、学者さんの日当が1万9600円であることもいっしょに報道すべき。
フェイクニュースやゴマかしが横行する社会。
人は自分の信じたいものにしか耳を貸さない生き物だと思うけど、自戒したい。
マスコミも自分の報道がどんな影響を及ぼすかを考えて報道して。
『菅義偉がパンケーキ好き』とかどうでもいいからさ。
※参照記事
学術会議の実態は?固定給、年金なし…自腹出張も(東京新聞)
フジテレビの上席解説員・平井文夫の件といい、
これからはファクトチェックが必要な時代になって来た。
自民党議員の発言として、テレビなどでよく紹介されている
『学術会議は2007年以降、答申を出していない』
この発言を聞くと「学術会議はムダだ」「腐った利権組織だ」と考えてしまうが、
実際は違うようだ。
2007年の答申「地球規模の自然災害の増大に対する安全・安心社会の構築」以降、答申が出ていないのは事実だが、
それは2007以降、政府から「諮問」が来ていないから。
質問されていないのに答えを返すなんて出来るわけがない(笑)
それに学術会議の分科会ではさまざまな「提言」「報告」がなされている。
先月だけで25件。
たとえば「社会と学術における男女共同参画の実現を目指して」といった提言。
つまり前述の自民党議員の発言は、学術会議を悪者にするために、
「提言」「報告」という事実を隠して、「答申」がなされていないという事実だけを大きくクローズアップしている。
政府から「諮問」がなかったことも省いている。
テレビもなあ、ファクトチェックもせずに不十分な情報を垂れ流すなよ。
電波料を上げられるかもしれないから忖度しているんだろうけど、ほんと劣化している。
スポンサーは経団連関連の企業が多いし、電通案件もあるだろうから、それも影響しているのかな?
…………………
『日本学術会議に10億円が投入されている』
もファクトチェックする必要がある。
まず10億のうちの約5億5000万は職員約50人の人件費や事務費。
事務局職員は各省庁から派遣される国家公務員で、数年ごとに異動する。
10億のうちの約1億円は国際的な学術会議の分担金に計上。
会員の人件費は総額で7200万円。
7200万円の内訳は210人の会員が総会や分科会に出るための日当で、
会長は日額2万8800円、会員は日額1万9600円。
会員210人に固定給はなく、元会員への年金制度もない。
人件費には運営に協力する約2000人の「連携会員」の人件費が別途あって、
その総額は約1億3000万円。
会員、連携会員共に交通・宿泊費は別に実費精算され、その総額は1.4億円。
さあ、これが高いか? 安いか?
以前も書いたけど、
日本のトップクラスの学者さんの日当が1万9600円は安いと思うけどね。
人件費以外の予算も会計検査院が問題にしていないのだから、問題ないのでは?
いずれにしても
『日本学術会議に10億円が投入されている』
は情報として大まか過ぎる。
その半分が事務官僚の人件費・事務費に使われていることや、学者さんの日当が1万9600円であることもいっしょに報道すべき。
フェイクニュースやゴマかしが横行する社会。
人は自分の信じたいものにしか耳を貸さない生き物だと思うけど、自戒したい。
マスコミも自分の報道がどんな影響を及ぼすかを考えて報道して。
『菅義偉がパンケーキ好き』とかどうでもいいからさ。
※参照記事
学術会議の実態は?固定給、年金なし…自腹出張も(東京新聞)
勧告については2010年が最後です
「勧告」という言葉は初めて聞きましたが、「提言」ということではないのですか?
というか、
これほどまであなたが学術会議を貶める理由は何ですか?
日本をバカの国にしたいのですか?
記事の作成、お疲れ様です。
自民党議員や保守系の人々が 発言しそうな事ですね。
問題になっているのに否定し 蔑む訳ですから・・
ネット右翼と同じ思考です。
メディアも懐柔狙いの菅総理のパンケーキ懇談会で 忖度・・・ テレビ局も
菅政権から圧力を掛けられているのか?
私は某大学に勤めているものです(教員ではなく事務職員です)。
日本学術会議のホームページには「提言・報告」などをまとめたページがあり、その中に「勧告」というカテゴリーもあります。その見出しに「「勧告」とは、科学的な事柄について、政府に対して実現を強く勧めるものです。」との説明があります。
この「勧告」が最後に出たのが2010年なのは事実なのですが、大西隆・元会長によれば「政府への勧告は一方的にできるが、少し強い性格を帯びるので以前ほど使われず、最近では提言・報告という発信形態が圧倒的に多くなっている」とのことです(この大西元会長のコメントは新聞に載っています)。
要するに「あべ」氏は、日本学術会議から一方的にできる「勧告」も全然やってませんよ、と言いたいのではないでしょうか?(説明不足で伝わってませんが)
でも、最近「勧告」を出していないのは大西元会長のいうような事情があるということです。
〇日本学術会議ホームページ 「報告・提言等」
http://www.scj.go.jp/ja/info/index.html
いつもありがとうございます。
政府も自民党もウトウヨさんもどうも問題点をズラしますよね。
問題なのは「どうして菅義偉は6人の任命を拒否したか?」
これが正当な理由なら、皆スルーしたはずです。
一部をクロースアップして大きく見せるというのも特徴で、よくもまあ「総合的・俯瞰的」などと言えるものです。
自分たちの方が「総合的・俯瞰的」に物事を見ていませんよね。
初めまして。
教えていただきありがとうございます。
確かに「勧告」だと、意味合いが強すぎますよね。
僕が学術会員なら、政府の公文書管理や隠蔽体質など、あらゆることに「勧告」を出しまくりますが、そうしないあたり「穏健」で「バランス」が取れていますよね。
ホームページのご紹介ありがとうございます。
「何もやっていない発言」は自民党の下村博文のようですが、HPで確かめて発言することをしないんですかね?
今の自民党の政治家は本当に言葉が軽すぎます。
あるいはミスリードのための確信犯なのでしょうか?
それだけの理由で10年間惰眠を
貪っていたということですか
ならば存在意義はありませんね
学術会議がサボっているから組織として改革の対象になるのであれば、まあ結構でしょうね。人間万事塞翁が馬かもしれません。
ただ、今のところ、マスコミも世間様もほとんど着目していないことがあります。コウジ様がご指摘のように、学術会議の年間10億円の半分は出向のお役人の人件費とのこと。
わたしも「出向の国家公務員がトップにいて、現場がある公的組織」と、仕事で少し関わった経験があります。
出向のお役人の多くは、この公的組織が行っている事業にあまり興味がなく、月~金の9時5時で3年ほど席を温めて、霞ヶ関に帰っていきます。この組織が潰れないで保っているのは、現場とトップをつなぐアルバイトさんが駆け回り、現場を業務委託されている業者さんが、日曜も休日もなく夜中の11時まで踏ん張っているおかげです。
もっとも、出向の人でも、ときどき熱心な方が現れますが、3年経つとまた興味がない人に交代して元の木阿弥、といった感じです。
今回、現場の学者センセイばかり責められていますが、半分が出向公務員の人件費と聞いて、あの公的組織を思い出してしまいます。
マスコミにしても、学者センセイばかりを責めるのではなくて、こういった「公務員の変なシステム」を、この機会に指摘してほしいものですが、無理なんでしょうかね。
惰眠を貪っていないでしょう?
「提言」「報告」しているんだから。
内閣府の学術会議のHPを見て下さい。
いつもありがとうございます。
僕も事務官僚50人の5億に関しては気になっていました。
とは言え、事務費を除くと、彼らの年収700万くらいだとか。
庶民の平均年収と比べると高めですが、彼らにも生活があると思い、敢えて責めることをしませんでした。
ですが、おっしゃるとおり「行政改革」を言うなら、学者さんだけでなく、公務員にもメスを入れてほしいですよね。
おそらく、かなりのムダがある。