平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

テレビ朝日・玉川徹発言に噛みつく自民党・西田昌司の怖ろしさと気持ち悪さ!

2022年10月06日 | 事件・出来事
 モーニングショーの玉川徹さんの菅義偉氏の追悼演説をめぐる発言が波紋を呼んでいる。

 追悼演説について、玉川さん、いはく
「僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。
 当然、これ電通入ってますからね」


 後に追悼演説に電通が入っていないことがわかり、玉川さんは謝罪。
 これに噛みついたのが自民党の一部議員と自称愛国保守の皆さん。
 橋下徹も批判してたな。
 結果、テレビ朝日は玉川さんを10日間の謹慎処分に。

 ここで自民党の西田昌司参院議員がどのように玉川さんを批判したかを列挙してみよう。

「玉川氏は私人の評論家や学者ではなく、公共の電波を使用するテレビ朝日の社員だ。
 ミスではなく、虚報で偏向報道だ。
 根拠なく菅氏の弔辞を徹底的に腐す発言は『報道の自由』を逸脱している。
 玉川氏個人の謝罪ですむ話ではなく、テレビ朝日のあり方が問われる」
「テレビ朝日は自ら厳正な処分を行い、組織としての責任を示すべきだ。
 玉川氏の発言は『椿事件』と同じで、政治的公平性の欠如が続く体質を証明している」
「今回の問題は、テレビ局の本質的な宿痾(しゅくあ)を象徴するものだ。
 自らがやりたいように報道し、天下を取ったような態度を示している。
 すでに、自民党としてテレビ朝日に説明を求めるよう、党幹部に提言した。
 テレビ朝日には誠実な態度を求めたい」

 ……………………………………………………

 恐ろしい時代になったものだ。

 玉川徹さんは「訂正・謝罪」している。
 過去、テレビでは、事実に基づかないコメントや暴言がいくつもあったが、
 すべて訂正・謝罪で済んでいる。
 それなのに、なぜ玉川さんだけ、こんなにヒステリックで執拗なのか?

 特に自民党の西田昌司。
 単に「玉川氏に訂正と謝罪を求める」でいいじゃないか?
 ところが──
「ミスではなく、虚報で偏向報道だ」「『報道の自由』を逸脱している」←そこまで言うか?
「玉川氏個人の謝罪ですむ話ではなく、テレビ朝日のあり方が問われる」←何とテレビ朝日まで拡大!
「政治的公平性の欠如が続く体質を証明している」←またまた拡大解釈。
「今回の問題は、テレビ局の本質的な宿痾(しゅくあ)を象徴するものだ」←本質的な宿痾ww
「自らがやりたいように報道し、天下を取ったような態度を示している」←ついにテレビ批判!

 異常である。
 というか、この西田昌司の思考の拡大に怖ろしさを感じる。
 何しろ「これ電通入ってますからね」が「偏向報道」「報道の自由の逸脱」「テレビ朝日のあり方」「テレビ局の宿痾」に発展していくんだからなあ。
 昔の自民党だったら
「今後は注意してね」「誰にだって間違いはあるさ」で終わってたんじゃないの?
 すげえな、西田昌司。
 
 これを許していたら、気に食わない人間はどんどん権力に潰されていくぞ。
 テレビのコメンテイターは萎縮して何もしゃべれなくなる。
 テレビ局も言いがかりをつけられるのがイヤで、
 政権寄りか、無難なコメントしかしないコメンテイターを起用するようになる。

 メディアはこの西田発言に断乎抗議すべきだと思う。
 そうしないと、自分たちの表現の自由・報道の自由はどんどん失われていく。
 ドラマで言えば、「政治家を狙うテロリスト」の話なんか自粛案件になっているだろう。
 これは玉川さんだけの問題ではない。
 なのにテレビ朝日は「謹慎処分」で、政治的圧力に屈したんだよな……。
 玉川氏、降板の話も出ている。

 どんどん息苦しく、気持ち悪くなっていく社会。
 こうしてファシズムはやって来る。

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アントニオ猪木を語ろう②~異種格闘技戦を通して、猪木は新しい技を修得し大きくなっていった!

2022年10月05日 | スポーツ
 アントニオ猪木と言えば「異種格闘技戦」である。

 世界が注目したモハメド・アリ戦。
 世紀の凡戦と酷評されたが、これで猪木は一躍メジャーになった。
 イラクでの人質奪還にも機能した。

 ここで繰り出したのが、マットに横たわってキックする「アリ・キック」だ。
 これでボクサーのパンチを封じられる。
 脚を攻撃することでボクサーのフットワークも封じられる。
 闘い方としては理に適ったものだったが、見た目には地味。
 ボクシング対プロレスの壮絶なファイトをした観客には物足りない。
 しかし、「アリ・キック」はその後、猪木の技の代名詞になった。

「延髄斬り」は「アリ・キック」からの派生技だろう。
 スタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットが注目されるようになって、
 猪木にも、シンプルでわかりやすくて、それでいて強烈な技が求められるようになった。
 卍固めは複雑すぎるからなあ……。
 そこで出て来たのが「延髄斬り」。
 ウエスタン・ラリアットの脚ヴァージョンである。

「異種格闘技戦」はその後、どんどん盛り上がっていった。
 特に漫画原作者の梶原一騎が絡んで、コミック『四角いジャングル』で同時進行のドキュメンタリードラマが展開されて注目度はさらに増幅された。
 コミック・プロレス・テレビのメディアミックスである。
 この仕掛けを考えたのは梶原一騎氏なのか、猪木のマネージャーだった新間寿氏なのかはかわからないが、実にお見事だった。
 腹面の柔道家ミスターXなんか、このメディアミックスで試合前はすごい格闘家になった。
 実際は弱かったけど……。
 プロレスと物語は親和性がある。
 プロレスほど物語とリンクしやすいジャンルはない。

 そして「異種格闘技戦」の極めつけが、極真空手のクマ殺しウィリー・ウイリアムス戦。
 かたやプロレスの威信。かたや極真空手の威信。
 どちらも負けられない闘いだ。
 試合はアリ戦同様、噛み合わなかった。
 まあ、空手とレスリングは完全に異質なジャンルだから噛み合わなくて当然なんだけど。
 猪木がウィリーの懐に入っだけで盛り上がったりして、僕的にはエキサイティングな試合だった。

 試合の結果は、両者リングアウトで引き分け。
 ただ、ここで猪木は魅せた。
「腕ひしぎ逆十字固め」
 これでウィリーの腕は全治何ヶ月かの負傷を負ったらしい。
 噛み合わない試合と引き分けでも、凄みを見せるのがアントニオ猪木である。

 そして「腕ひしぎ逆十字固め」は猪木の必殺技のひとつになった。
・アリ戦→アリ・キック→延髄斬り
・ウィリー戦→腕ひしぎ逆十字固め
 格闘技戦を通して、猪木は新しい技を修得し、大きくなっていったのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アントニオ猪木を語ろう①~相手の魅力を引き出す猪木! 猪木との闘いでスタン・ハンセンはブレイクした!

2022年10月04日 | スポーツ
 アントニオ猪木さんが亡くなった。
 報道で難病との闘病生活がとんでもなくハードだったことを知ったが、
 猪木さんは病に屈することなく、闘い、歩み続けたようだ。
 ご冥福をお祈りいたします。

 アントニオ猪木は相手の魅力を引き出すことに長けたレスラーだった。
 以下、敬称略。
 たとえばスタン・ハンセン。
 猪木と知り合う前のハンセンは突進することしか知らない不器用なレスラーだった。
 ところが猪木と闘うようになって化けた。
 猪木はハンセンのウエスタン・ラリアットを受けまくった。
 観客は「ウエスタン・ラリアットってすごい技なんだ」と衝撃を受けた。
 猪木はハンセンの長所を引き出したのだ。
 ここからハンセンのブレイクが始まる。
 必殺技ウエスタン・ラリアット!
 ハンセンはこれで自信がついたのだろう、どんどん輝いていった。
 試合の構成もラリアットを基本に組み立てていけばいい。
 人間って、ひとつ核を持つと強くなれるのだ。

 猪木もハンセンのブレイクに救われたと思う。
 当時の新日本プロレスの猪木の敵役と言えば、タイガー・ジェット・シン。
 でもタイガー・ジェット・シンはサーベルを振りまわすだけのレスラーで、
 猪木が見せたい「ストロングスタイル」とは噛み合わなかった。
 試合をすれば、シンがサーベルを持ちだして反則負け。
「腕折り」という衝撃的な事件があったが、それもストロングスタイルとは違う。
 結果、シンとの試合はいつも不完全燃焼だった。
 猪木はスタン・ハンセンを発掘することで、自分が目指すストロングスタイルを観客に見せることができたのだ。

 もうひとりの不器用なレスラーはハルク・ホーガンだった。
 ホーガンもまた「突進型」のレスラー。
 必殺技アックス・ボンバーも、ハンセンのウエスタン・ラリアットの二番煎じは否めない。
 猪木もホーガンをどう活かすか、苦慮していたことだろう。

 そして事件が起きた。
 IWGP選手権の決勝戦。
 誰もが猪木が勝って世界統一王者になるだろうと思っていたが、
 ホーガンのアックス・ボンバーを喰らって、猪木はリングから転落、舌を出して失神・敗北。
 これは観客にとって衝撃だったが、勝ったホーガンも戸惑っていた。
 ホーガンの戸惑いは。『私、プロレスの味方です』の村松友視氏も指摘していたが、
 ホーガンは目の前の事態にどう対処していいか迷っていた。
 この予想外の事態にどう対処するかは難しく、正解はないのだろうが、
 ホーガンはこんなふうに不器用なレスラーだった。
 一応、勝ち名乗りをあげていたが、目は泳いでいた。

 アントニオ猪木さんに関しては、あと2回書いていきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉殿の13人 第38回「時を継ぐ者」~頼朝と時政の背中を見てきた義時、自らが先頭に立つ覚悟を持つ

2022年10月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 義時(小栗旬)は言った。
「父上と母上の思いを引き継ぎます」

 父・時政(坂東彌十郎)の思いとは、和田義盛(横田栄司)に言った言葉。
「後は託した。北条を、鎌倉を引っ張っていくのはお前だ」
 義盛は忘れてしまったが……笑

 母・りく(宮沢りえ)の思いとは、
「手に届く所にあるのなら(権力を)手をのばしてお取りなさい」

 結果、三浦義村(山本耕史)のアシストもあって、義時は二代目執権に。
 
 権力をもった義時は一連の事件の根源である平賀朝雅(山中崇)を成敗する。
 確かに平賀朝雅が北条政範(中川翼)の毒殺をしなければ、
 畠山重忠(中川大志)が謀反人として死ぬことはなかったし、
 朝雅の存在がなければ、りくや時政も鎌倉殿交代を考えなかった。
 まあ、朝雅自身は主体的に関わったわけではないんですけどね。
 政範毒殺は後鳥羽上皇(尾上松也)にそそのかされたようなものだし、
 本人は四代目・鎌倉殿になる気などなかった。
 ある意味、悲劇である。

 そして後鳥羽上皇は「義時」の名を認知することになる。
 後鳥羽上皇 VS 義時の戦いの始まりか?
 ……………………………………………………

 時政が別れの際に語った言葉は「うぐいす」の話だった。
 時政は政治家向きの人ではなかったんですね。
 うぐいすの鳴き声に喜びを見出すような人だった。

 一方、りくは「権力をお取りなさい」
 りくの方が政治家向きでギラギラしている。

 さて、ここで、りくの生涯を掘り下げてみよう。
 りくは「都の女」で、最後まで板東に馴染めなかったのか?
 そんなことはなかったようだ。
 政子(小池栄子)と実衣(宮澤エマ)と昔語りをするりく。
 それなりに楽しいことがあったようだ。
 こんなことも言っていた。
「北条家に嫁いだことはわたしの誇りです」
 そして義時は言った。
「あなたはすでに板東の女です」

 りくを僕なりに解釈すれば、りくは半分「都の女」で半分「板東の女」だった。
 こんな感じだろうか?
 これは救いである。
 一生板東に馴染めず、北条に嫁いだことも後悔していたら、りくの生涯は浮かばれない。
 一方、「半分」という所が三谷幸さんのリアリズム。
 ………………………………………………

 義時は時政とりくについて語った。

 りくに対しては恨み節。
「ずっと父の手を握っていたかったのに、あなたがその機会を奪った。お恨み申し上げます」

 時政に対しては無念。
「父上は常に前にいた。父上の背中を見てここまで来た」

 義時にとっては時政が前にいることが救いだったんですね。
 誰かの後についていくのは、ある意味、楽。
 義時は補佐官タイプだから尚更だ。
 義時は補佐官として、頼朝(大泉洋)、時政を支え、時に諫めた。
 ところが今後は自分が先頭に立って引っ張っていかなくてはならない。
 これは孤独だ。
 義時はさらに重い荷物を背負うことになってしまった。

 義時、時政、りく、いずれも深い人間描写ですね。
 決して薄っぺらに描かれていない。
 ……………………………………

 あとは補足的に。

 義時は泰時(坂口健太郎)の反面教師になろうとしているようだ。
 それを泰時の妻・初(福地桃子)は見抜いている。
「父上は自分のようになるなと言っているのです」
 頼朝や時政の背中を見て生きて来た義時は泰時に自分の背中を見せている。
 義時の背中を見た泰時は何を学ぶのだろう?

 時政は最後まで起請文を書かなかった実朝(柿澤勇人)をほめた。
「鎌倉殿の芯の強さ、感服いたしました!」
 芯の強さはリーダーの資質なんですね。
 覚悟、腹が据わっていると言ってもいい。
 気弱な実朝だが、気弱なことはやさしさでもある。
 やさしさと芯の強さを兼ね備えれば、実朝は名君になれるかもしれない。

 時政のことでは政子、時政は政治を捨てた。
「父をお許し下さい。わたしは娘として言っているのです!」
「流罪のお計らい。息子として御礼申し上げます」
「娘」と「息子」に戻った政子と時政。
 政治がなければ、時政、義時、政子は親子でいられた。
 一方で「政治に私情をはさむことは出来ません」と言い切る義時は立派だ。
 今の政治家に聞かせてやりたい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

対話する政治家・山本太郎~「売国奴!」と罵った自民党支持者にどう対応したか?

2022年10月01日 | れいわ新選組
 僕は山本太郎という政治家を信用している。
 太郎さんは「政治家は信じるものではない」と言っているんですけどね。
 たとえば、先月27日の「国葬儀」の日、山本太郎はどこにいたか?
 台風被害で大変だった静岡でボランティアをしていた。
 被災地の人の声を聞いていた。
 これをパフォーマンスと言うなかれ。
 山本太郎は本気なのだ。
 上っ面だったら被災者の方にすぐバレる。
 仮にパフォーマンスだったとしても、やらないよりはマシ。
 …………………………………………………………

 さて、こんな山本太郎氏の面白い動画を見た。

 山本太郎 VS 熱烈な安倍信者のお兄さん。

 お兄さんは山本太郎に言う。
「売国奴!」
「お前のことが生理的に嫌いなんだ」
「デマばかり言うな」

 こんな言葉に山本太郎はどう対応したか?
 詳しくは下記の動画で見てもらうとして、
 話をしていくうちにお兄さんに変化がおとずれる。

「お前、口が達者だな」
「何か洗脳されそうや」
「蓮舫や辻元よりはマシやな」

 そして最後には──
「不況の時に消費税を上げた安倍さんの政策は俺も間違っていたと思う」
 
 山本太郎は対話をする政治家である。
 対話を通して、相手との合意形成をおこなおうとする政治家である。

 キリストは周囲の迫害と中傷を浴びながらローマの町を遊説したが、山本太郎さんもそんな感じ。
 おっと、これの行き着く先は「信仰」になってしまうのでやめよう。

 興味のある方はぜひ以下の動画を御覧ください。
 実にドラマティックです。

 【山本太郎】売国奴と言われた 自民党支持者のお兄さん登場(YouTube)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする