フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

老人介護と孫の出産と

2011-11-09 19:16:03 | 読書会
11月9日 水曜日 晴れのち曇り

10時から読書会でした。
今月は門野晴子著「切っても切れないわがババ介護」を読みました。
この作家の本は10年前の3月と4月の読書会で読んでいます。

メンバーが入れ替わっていますので、その当時のメンバーは2人だけです。
どの作品もびっくりするような荒い言葉や今風の言葉で全編書き上げています。
「介護」と言う本来重いテーマを、テンポの早い語調に載せられあっという間に読んでしまいました。

今回の本では老人介護と初孫の誕生を同時に扱っているのが面白いと言う意見がありました。
40日間という約束で母親を介護施設に預け、娘の出産の手伝いにアメリカへ渡り出産に立ち会う。
娘は自宅で水中出産をするというので、それを取材をするのも目的の1つだったようです。

ところが肝心の水中出産ではどうしても生まれず、失敗。急遽病院に担ぎ込まれれ無痛分娩を・・・。
その経過をアメリカと日本の医療を比べながらしっかり見ていますし、
新生児の世話と老人介護の比較をしてみたり、泣き続ける新生児に自分の乳房を吸わせたり・・・。
その思考回路に驚かされます。

著者の母親と著者、娘、アメリカ人の娘婿、そしてハーフの赤ちゃんが登場します。
登場人物全員、それぞれがとっても個性的でそれだけでも充分話が続けられそうですのに、
それを著者独特のテンポのある文章で書いているのですから面白いです。

うろ覚えですが、介護保険制度が出来た頃、著者の本が世に出たような気がしています。
そしてこの作品でもそうなのですが、介護保険の不備を利用者側から意見をしっかり言っています。
もっとも著者が訴えるように介護保険の制度を変えることはいろいろ問題があると言う意見がでました。

確かにそうだと思います。介護保険を利用する人のケースは様々ですから一本化するのは困難でしょう。
じっくり読んでみますとキツイ言葉の中に著者の言いたいことが見えて来るような気がしました。
このところの消化不良的な一冊では無かったようでまずは満足出来ました。

メンバー全員もそう思われたようです。それだけでも救われました。
コメント
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