アベノミクス効果や消費税駆け込み需要でマンション販売が好調です。しかし本当に全ての人が購入すべきでしょうか?筆者は宅建取引主任者、不動産コンサルティングマスターなどの資格を持っており、お答えします。答えは『否』です。何故なら金利上昇があるからです。日銀は2%の物価上昇目標を掲げています。金利は少なくとも2%は上昇するものと考えておいたほうがいいでしょう。金利が2%上昇するとどのようなことが起こるか?3000万円の借り入れであれば年間支払いが60万円増えます。これに購入世代には教育費の増加、物価上昇、電気代値上げ等が加算されます。多少のベースアップなど焼け石に水でしょう。下記コピーにも書いてありますが、変動金利は2.25%以上に上昇すれば固定金利が有利になります。では購入に向いている人はどんな人か?まず頭金2割以上はある人です。マンション特に新築は購入した時点で2割減額になると考えたほうが無難です。次にローンは固定金利、ボーナス併用無し、管理費、固定資産税を入れて、今住んでいる賃貸マンションの家賃支払以下、支払終了60歳以下が理想です。これらの条件をクリアできる人は残念ながら少数派です。ですから、基本は購入すべきではないし、物価上昇に対しては別の対策を練るべきです。筆者はアベノミクスは今後スタブレーションに陥るのではないかと危惧していますし、ムードに踊らされてかなりの生活破綻者が新規に出るのではないかと考えています。物価3%上昇、金利2%上昇、過度の円安などで安倍政権が長期政権でいられるのかすら不安です。4月からの消費税引き上げは立ち直りかけている日本経済に打撃を徐々に与えると思います。今回の消費税引き上げは、将来世代にツケを残さないどころか真逆の将来世代を破綻させる政策になるかもしれません。
(以下 コピー) 住宅ローン長期固定金利の代表格であるフラット35の金利(最も低い金利)は、返済期間35年で2013年07月2.05%となりました。長期金利の不安定な動きがありましたが安定化してきています。
今まさにまだ超低金利で推移しているといえます。従来から住宅取得を考えている方は現状長期固定金利型住宅ローンの金利が低いことは極めて有利といえるでしょう。
また、変動金利型の住宅ローンの金利も0.775%(最も低い金融機関)と超低金利の状態が続いています。
金利が低いと元利均等返済では元利均等返済額の元本の減る割合も多く、元金均等返済でも利息部分は少なく魅力的です。
ただ、返済期間が25年30年35年と長い場合、将来に向けては、少しでもリスクとなりうることは減らしたいと考えたいものです。
大きな買い物であるマイホームに関しては、特にリスクを避けたいですね。大事なマイホームを手放したくないと考えるのは、当然です。
その大きなリスクとは、無理で過大な借入と変動金利型住宅ローンの金利上昇リスクです。
変動金利型の住宅ローンのリスクは、金利が上昇したときに生じます。もちろん、どのくらい上昇するか、どの程度の期間上昇するのかなどで違いはあるでしょう。
今回は、フラット35固定金利2.05%と比較して、変動金利型住宅ローンが0.775%からいくらの金利になったら不利なるかを検証したいと思います。
アベノミクスの効果が出たと仮定し、日銀ゼロ金利政策の解除が2年後のケース、3年後のケース、1回のみの金利上昇があったとします。その後の金利変動はないものとします。金利がどうなるか神のみぞ知ることなので単純化しています。(単純化のため他の条件は考慮しません。フラット35S当初5年間及び10年間0.3%引き下げを考慮しません)
①借入額3000万円、フラット35、35年返済 固定2.05%、元利均等返済100,150円
元金3000万円、累計利息1206万円
②借入額3000万円、変動金利当初0.775%,35年返済、元利均等返済81,577円、
イ)2年後0.775%→2.15%に上昇、元本3000万円、累計利息1207万円
ロ)3年後0.775%→2.25%に上昇、元本3000万円、累計利息1210万円
損益分岐点といえる金利が2年後で2.15%、3年後で2.25%というシミュレーション結果に驚きませんか!
参考に2年後3%に上昇の場合、元本3000万円、累計利息1796万円
3年後3%に上昇の場合、元本3000万円、累計利息1691万円となります。
変動金利を選んだ方は、2年後3.0%の場合、累計利息だけで590万円フラット35を選んだ方より多く支払うことになります。(FPキャプテンで試算。神奈川県FP協同組合の岩崎康之さん作成のソフトFPキャプテンで固定金利と変動金利の住宅ローン比較が瞬時にできます。)
アベノミクスが成功し景気や雇用が回復し賃金アップも実現し、物価が2%に上昇したら日本銀行のゼロ%金利政策の解除が行われるでしょう。
その時の金利は3%あってもおかしくないという学者もいます(7月11日、日銀総裁は2年で2%の物価上昇シナリオが想定どおり進んでいると語った)。
一部の日銀委員や多くの市場参加者が2%物価上昇は無理といっていますが実現するまでは短期金利は上がらないでしょう。
変動金利型の住宅ローンの金利は、将来金利が上がることを想定外としているのではなく上がることを想定しているのです。金利リスクを是非意識してください。
現時点で、前述したシミュレーションで変動金利が2年後で2.15%より上昇したら固定金利の住宅ローンより返済額累計で不利なる可能性があります。
また、変動金利型の住宅ローンのリスクは、それだけではありません。5年ごとの返済額の変更(返済額の大幅増加)の可能性、返済元本の減り方が鈍る、返済元本がまったく減っていかないリスクがあることを十分理解してないといけません。
KFP(神奈川県FP協同組合)住宅グループのFPと一緒に住宅資金計画やライフプラン(生活設計)を作成し、問題点を把握しその解決策を練り安心な生活を目指したいものです。