私たちが日常生活で使っている「ストレス」という言葉は、ハンス・セリエ博士(カナダ)が用いたことによって始まったものです。 セリエが発表した学説は「ストレス学説」と呼ば
れています。発表されたのは1936年ですから、「ストレス」という言葉が使われ始めてから、80年以上です。そのストレスが万病の元だった。しかし、解消する方法があったの
です。それが、今回紹介する3つの方法です。誰にでも出来る簡単なことで健康に10年長生き出来れば、億の価値があります。
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仕事で失敗をしてしまった時、心理学的な観点からそれを克服する方法はあるのだろうか。気になったので心理学者の内藤誼人先生に聞いてみることにした。
■ストレス解消に効果的な3つの方法
ストレス解消には最適な方法が大学の研究で解明されていると内藤先生は言う。
「カルフォルニア州立大学のロバート・タイラーが、16歳から89歳までのストレス解消法を調べた結果、一番効果が期待できるのが『軽い運動をすること』でした。なかなか運動をする時間がない人もいるかもしれませんが、駅から自宅に帰るまでに少し早歩きをするだけでもよいですよ」(内藤先生)
確かに体を動かすとスッキリするし健康的だ。だが、「運動はちょっと苦手で……」という人もいるだろう。その場合はどうすればよいのだろうか。
「軽い運動とほぼ同率で1位だったのが、『好きな音楽を聴くこと』でした。聴くと自分の気持ちが高まると思う音楽を聴くとよいですね」(内藤先生)
明るくポップな曲、激しくロックな曲、しっとりと泣かせるバラードなど、音楽にはさまざまなものがある。仕事のミスで落ち込んだときだけでなく、失恋して気持ちが落ち込んでいるときなどの気分転換にも効果がありそうだ。
「ほかには、『おしゃべりすること』も効果があります。ただし愚痴ではなく、誰かと普通におしゃべりをすると気持ちが和んでよいでしょう。特に一人暮らしの人は、自宅に話し相手がいないでしょうから、同僚や友人とおしゃべりをしてから帰宅するのがおすすめです」(内藤先生)
確かに、落ち込んでいたのにおしゃべりしているうちに気分が晴れた……という経験がある人もいることだろう。運動が苦手で普段音楽を聴かないような人にはもってこいの方法だ。
■ストレス解消したいならオススメできないこと
内藤先生によると、逆にストレス解消に向かない方法もあるという。
「テレビを観ることや旅行に行くことは、効果的ではありません」(内藤先生)
旅行がストレス解消に不向きとは想定外だ。日常生活を離れ、旅にでれば、仕事の失敗や嫌なことも忘れられそうであるが、なぜダメなのか?
「旅行は、時々リフレッシュするのには向いているのかもしれませんが、日々のストレスを解消することはできません」(内藤先生)
確かにまとめて休みを取れれば、思い切り楽しむことはできるかもしれない。だが毎日旅行に行くわけにはいかない。しかも旅行するとなると、段取りをしたり、行きなれないところで間違わないように電車や飛行機を乗り継ぐため、思いのほか神経を使う。リフレッシュするどころか、逆にストレスがたまる可能性もある。
「人によっては、タバコやお酒でリフレッシュするようですが、過度な喫煙や飲酒は健康を害する恐れがあるので、あまりおすすめできません。もちろん、法律的には問題ないので、絶対にやめるべき……というわけではないですが」(内藤先生)
一口にストレス解消といっても、効果の高いものとそうでないものがあるようだ。今後、仕事のミスを引きずってしまいそうなことがあったら、運動と音楽、おしゃべりを試してみてはいかがだろうか。