安倍首相は衆参同日選見送りに続き、消費税に関しては引き上げれば任期中デフレ脱却が難しくなるとの理由で先送りの方向。二階総務会長が提出した2019年4月まで2年間先送りする案を軸に延期方法を検討中です。決断は遅すぎますが、デフレ再突入という最悪の事態は回避されそうです。安倍首相は失敗した政策をノートに書き込んで新しい政策に反映しているそうですが、前回の引き上げの失敗が今回生かされるようです。為替も小康状態が続いており、つかの間の株式市場で短期戻りが期待できますが、基本自民党の経済運営は期待が持てず、一定のレンジからの脱却は無理でしょう。
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安倍首相が、夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送る公算が大きくなった。
現時点では衆院解散を考えていない意向を与党幹部に伝えた。参院選情勢や熊本地震の復興状況などを踏まえたとみられる。また、来年4月の消費税率10%への引き上げについては先送りする方向で、6月1日の今国会閉会後にも表明する。
参院選は「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で行われる予定で、参院選に向けた動きが本格化する。
首相は25日午前、自民党の谷垣幹事長と首相官邸で約20分間会談した。谷垣氏は会談後、「国会と(参院選の)選挙戦の状況を報告した」と述べた。同日選や消費増税についても協議したとみられる。
自民党の佐藤勉国会対策委員長は25日午前、都内で記者団に「同日選がないのは当然だ。大義がない」と語った。首相は24日には公明党の山口代表と会談し、「今は解散の『か』の字も考えていない」と述べた。
首相は、同日選による相乗効果で参院の議席上積みが可能かどうかを検討してきた。共闘を進める民進、共産両党との政権選択選挙に持ち込む思惑もあった。
しかし、オバマ米大統領の広島訪問決定などで内閣支持率が上昇し、参院選単独でも与党が有利に戦えると判断したようだ。さらに、熊本地震で今も多くの被災者が避難生活を強いられていることもあり、与党内から「復興より政局優先と批判される」と慎重論が高まっていた。公明党も同日選に否定的な姿勢を崩していない。
このため、首相は同日選に踏み切るのは現時点では難しいと判断したとみられる。ただ、野党は今国会で内閣不信任決議案の提出を検討しており、野党の対応などを見極めた上で最終決定する意向だ。
一方、消費増税の先送りを決めたのは、国内外の経済が不透明感を増す中、増税に踏み切ればデフレ脱却が困難になると判断したためだ。26、27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済を下支えするための財政出動への協調を取り付けた上で、今国会閉会後の表明を検討している。
先送りする場合、参院選後の臨時国会に関連法案を提出する。自民党の二階総務会長は2019年4月まで2年間先送りする案を首相に提言している。消費税率は15年10月に10%に引き上げる予定だったが、首相は14年11月、引き上げを1年半先送りする方針を表明した。