米国バーニー・サンダース上院議員の影響を受けたようですが、憲法学者としてテレビに引っ張りだこの小林名誉教授が『改悪に反対』と参議院選挙に向け立ち上がりました。第一人者である憲法学者の参戦で『憲法改正』議論が深まるはずです。バーニー・サンダース上院議員のように、既存政党に嫌気をさした若者の支持を受けるかもしれません。米国でも日本でも60台後半の政治家は元気です。やはり、2世、3世と違い何かで成功を納めた人の発言は迫力が違います。
以下コピー -小林氏の専攻は憲法学だ。立案は誰にお願いするつもりか
「物事ってそんなに難しくはない。自由と豊かさと平和に寄与する観点から見れば政策はおのずと選択できる」
「私はたまたま憲法学者として憲法の知識が突出しちゃっているから、それ以外ができないように言われるのは心外だ。67歳の年寄りなみの成熟した判断力はあると思っている」
「特定のブレーンは、あらゆる分野に友達がいっぱいいる。必要に応じて電話をかけて呼び出して…。人脈を持っているから必要に応じて相談はする」
--安保法制に反対した。安全保障関連法に反対する学生グループ「SEALDs(シールズ)」などとの連係は考えているか
「共にやるとか、応援に入ってもらうとか、方針は決まっていない」
「ただ、だいたい全ての人と個人的につながりがある」
「まずはとにかく先頭に立って、旗を立てて、公平に、全ての人に、気があったら参加してくださいという形で…。一切こちらには政策の一致以外の条件はありません」
--挙げた8つのうち、一点だけでも理解があれば参加してほしいか
「基本的には全部当たり前のことを言っている気がする。だって言論の自由の回復に反対の人がいるはずがない。建前上、安倍政権だって反対しないでしょ?」
「消費税再増税の延期は客観情勢として決まっている」
「辺野古の新基地建設だってアメリカン・デモクラシーで言えば一番偉いのは国民、個人だ。その次に地方自治体。そこが『嫌だ』と言っているモノを国策だからといって押しつける。これは説明しようがない。僕はアメリカで訓練を受けた人間だが、話の持っていき方はある話だ。しかも憲法95条は国策として特定の自治体に負担を強いるときは住民に拒否権があると。趣旨はそれだ。これこそデモクラシー。反対しようがない」
「TPPも日本のマーケットを簡単に明け渡してしまうことと手続き、白紙委任にサインしろと。これはアウトだ」
「原発の話だって、安くて安全でクリーンなエネルギーと私も昔は信じていた。だけど福島でそうでないことを知ってしまった。大方針として廃止を決められない方がおかしい。『いまそれで食べているから』なんていうことは人道に反する話だ。われわれの能力からいえば、転換するビジネスを始めるわけだから、この大方針を立てることに反対する人は仲間でいらない」
「それから現行憲法のもとで戦争ができない国であったモノを、理由を最初はホルムズ海峡、次が韓国から逃げてくるとか、全部崩れたら最後に中国、北朝鮮が危ないと。だけど長年の自民党の専守防衛で中国や北朝鮮が攻めて来られる環境にない。突然それをかなぐり捨てて、アメリカと海外で戦争をしなければならない…。論理がつながっていない。これを理解できない人とともに戦う理由はない」
「それから国全体がブラック企業化したような労働法制の改悪。これだって絶対多数でできただけでしょう? 新自由主義などと言って弱肉強食、おそろしい古典的資本主義で1%の人が豊かになって皆におこぼれが来るなんて失礼な話だ。池の鯉じゃあるまいし。異論のある方は共に戦わなくて結構だ」
「憲法は改正はいいが改悪、つまり権力者が国民全体に課す課題であるなんていうのは本当に基礎知識がある人からするとびっくりポンだ。憲法改正は有り得るが『改悪に反対』は選択の余地はない。全部ご理解いただけた方だけで結構だ」
--野党に投じられる票が政治団体に流れることで食い合ってしまう
「僕らの発想は食い合いだったら死んじゃった方がいい。そうではなくてパイを大きくしないと…。明らかに自公は強い組織政党だ。衆院北海道5区補選だって自公が勝った。それに勝つためには裾野を広げなければいけない。裾野を広げるためには中間層の受け皿がなければいけない」
「『民進党は民主党時代の体たらくがどうしても許せない』といっぱい聞く。共産党は最近とてもよくやっているが、9条論が不安だなって人はいくらでもいる。そういう人たちは今のままでは棄権してしまう。だから投票率が低い。僕らは(投票率を上げる)装置がなければいけないと思って、苦肉の策でこの挙に出たわけだ」
--参院選だが、1人区には候補者を立てるか
「立てる予定はありません。ただし、1人区で無所属の方がいる。1人区の方達が推薦を求めてきたら、そしてお互いに納得できたら、喜んで推薦する」
--選挙資金はどうする
「私は友人10人に担がれている。余裕がある人々だからそれなりのお金はつくれるが、それではドンキホーテになるわけで…。世論の支持無しにやってもしようがないので、(インターネットで資金を募る)クラウドファンディングで。逆に言えば反応を試しながら、ダメだったらやめることも含めて。つまり、クラウドファンディングで盛り上がるのだったらやり続けるかいがある。盛り上がらないならやめる方がフェア。それくらいの考えだ」
--それは米大統領選で民主党の候補指名を争うバーニー・サンダース上院議員の影響が大きいか
「大きい。あの人の現象を見て、『こういう方法があるんだ』と。あれはお金だけではなく正に心と票をもらっている。あの動きに刺激されたのは事実だ」
--日本の民主党は許せないとあるが具体的には
「私は許せている。民主党政権がなぜつまずいたかと言うと、政権をとって一瞬はしゃいでしまって、政治主導だと言って役人を遠ざけちゃった。そうしたら何もできなくて、今度は役人と逆に仲良くなって、ようするに自民党のまねをしちゃった。ところが役人から手玉にとられて捨てられた。だから民進党には本当に同情して、つまり原発の問題だって結局は旧通産省と自民党と業界の問題だ。たまたま事故った時に民主党政権の体たらくの話になっちゃう。ずっとそれを言ってきたし、擁護していた。でも期待した人たちが嫌悪に近い。一種の感情論だ。僕は嫌っていない」
--「国民怒りの声」とネーミングした理由は
「よく聞いてくれた。僕はこの名前が嫌だ。多数決で負けた。制服向上委員会という女の子たちの歌を聴いていたら、国民の声という言葉が飛び込んできた。安倍政権の不思議なところは人の話を聞かない。国会で参考人としていくらしゃべっても無反応だ。あのむなしさ…」
「われわれには時間がない。短期間でインターネットでキャッチするためにはまずは『国民怒りの声』で。それなりに橋頭堡(きょうとうほ)が確保できたら、参院選だけでは政権交代は起きないから、そこまで戦うとした場合、橋頭堡がとれたら『怒り』を外そうと私は願っている」
--「政治を自ら仕事にすることはない」と言っていた。野党が固まるなら第三の旗を降ろすこともあるのか
「結論を先に言うと、本当に野党共闘が私の願う形で実現したら、かえって私の存在が邪魔になるならば、私は引っ込んで応援団に戻りたい」
「まずは言論統制を平気でやってしまうような政治には『やめろ』とは言わない、止めてしまいたいだけだ。昔の自民党はすごく懐が深くて、議論ができて、良い政党だったと思う。自民党の多くの政治家は一対一だと『あなたの言う通りだ』と言うが、表では絶対に言ってくださらない。こちらが突破すれば出てくる人たちだと思う。それを否定も軽蔑もしない。人間ってそういうモノだ」
「野党への怒りだが、どうしても野党の縄張り争いみたいなモノがあって、それをやっているときではないとさんざん話をした」
「そうこうしているうちに時が迫ってしまったので、主権者に見放されないように旗を立てなければという思い…。かつ、私自身、思えば私がアメリカのハーバードで受けた訓練は、学問というのは世の中の実際の役に立って初めて学問だということで…」
「思えば老後だ。失うモノは女房以外に何もない。最後のプラクティスとして、選択肢がないなら自分で立ってみようとふと思った。もちろん、仲間たちとお酒を飲みながらの議論の中からそういう思いが固まっていった」